(作成日2022/7/21)
「ダ・さいたま」といじられて久しい埼玉
そんな埼玉で海外気分や異国情緒が感じられる意外な絶景スポットをご紹介します
1【春日部】地下神殿(首都圏外郭放水路) Metropolitan Area Outer Underground Discharge Channel in Kasukabe
春日部市に平成18年(2006年)、防災洪水対策の一環で誕生した「首都圏外郭放水路」
しかし、水が満たされていないときのその風景はまさに“地下神殿”
今では、「防災地下神殿」として春日部の観光スポットにもなっています
地底22mに作られた調圧水槽に立ち並ぶ幅2m、奥行き7m、高さ18m、重さ500トンもの59本の巨大柱
仄暗い地下で照らし出された荘厳な神殿のような姿は、異世界RPGの世界に迷い込んだかのような錯覚に陥ります
水が抜かれたあとは床が湿っていて、水たまりを使うと幻想的なリフレクションが仕上がります
トルコ・イスタンブールの地下宮殿を彷彿とさせますね
洪水時に河川などから水を引き込む、深さ約70m、内径約30mの巨大な円筒状の縦穴「立坑(たてこう)」
自由の女神も余裕でおさまるビッグサイズです
なんか、この辺りは、ガンダムでいえばモビルスーツを製造している地下の秘密基地にも見えてきます
地下神殿は『翔んで埼玉』にも使用されたロケ地
代わって、コントロール室は特撮や「下町ロケット」など数々のドラマ、映画でロケ地として使用されています
地下は異国情緒、地上はドラマのロケ地として一度で二度美味しい、春日部屈指の観光スポットです
fa-arrow-circle-down 「防災地下神殿」に関する詳細はこちら
■ アクセス:東武野田線(東武アーバンパークライン)南桜井駅下車で徒歩30分、バスは南桜井駅北口より春日部コミュニティバス「春バス」にて約8分
■ 駐車場:無料あり
■ 公式HP:https://gaikaku.jp/
2【飯能】トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園 Tove Jansson Akebono Children's Forest Park in Hannou
飯能市といえば、最近は目下、ムーミン谷がかなりハイクオリティで再現された「ムーミンバレーパーク」が大人気ですが、
それに先駆けて誕生したのが、この「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」
ムーミンの作者でありフィンランドの偉大な童話作家であるトーベ・ヤンソン
彼女との交流から生まれたこの公園はムーミン谷や北欧の世界観が再現された一種のテーマパーク
そもそもなぜ飯能市とトーベ・ヤンソンが交流をもったのかきっかけは謎ですが、ひとまずオープンしたのは平成9年(1997年)、要するにすでに20年以上も経つ、意外古い公園です
公園の敷地自体はそれほど広くないですが、
コンパクトに小さな丘や谷、小川が再現され、北欧風の建物や小道具がいたるところに散りばめられて、ムーミン谷のお話の中に迷い込んだような、ワクワク体験が楽しめます
公園は市の管理なので入場無料と太っ腹
ムーミンバレーパークに行かずとも、北欧の世界観をこの公園でも十分満喫できます
春には野の花、夏には新緑、秋には黄葉、冬は白雪と、四季折々の表情が楽しめる「トーベ・ヤンソンあけぼの子どもの森公園」
北欧好きには間違いなくオススメです
■ アクセス:西武池袋線「元加治駅」から徒歩20分、路線バスなし
■ 駐車場:無料あり
■ 公式HP:https://hanno-city.info/akebono/
3【吉見町】吉見百穴 Yoshimi Hyakuana tombs
穴ぼこだらけの異様な姿をした岩山「吉見百穴(よしみひゃくあな)」
大正時代に国の史跡に指定された、吉見町を代表する古墳時代の横穴墓群です
「百穴」とは「数が多い」という比喩表現で、実際は219基の横穴が発見されています
この風景、個人的にはトルコのカッパドキアのミニチュア版っぽいと思ってます
かつては石で穴が塞がれ、本気で小人が棲んでいた住居跡だと考えられていたそうですが、明治の調査で蓋を開けてみたら、意外にも古墳時代の石室だと判明
その当時の調査資料や出土品は、当時調査にあたっていた東大大学院生の学者によって持ち出されたままで、以来調査が進まず、現在に至るまで多くの謎を秘めているそう(まず、古墳なのに一つも骨が見つかってないとか)
ミステリーなままの方が想像が膨らんで逆に良い、と地主さん曰く
一方、第二次大戦中は地下軍需工場として活用された吉見百穴
当時、3,000人超の朝鮮人労働者がここで強制就労させられて作ったものの、本格的な稼働に至る前に終戦を迎えたそうです
負の遺産ですが、大事な戦争遺産でもあります(そして天然クーラーでもある)
しかし、2022年7月現在、通路の一部崩落を受けて、全面通行止めとなっています
もう一つの見どころは、国指定天然記念物のヒカリゴケの自生地があること
ヒカリゴケは通常、中部地方以上の北日本に生息するのが一般的で、関東で見つかるのはきわめて珍しいとか(でも千葉にもあったと思うけど)
湿気がある方がより光って見えるとのことでしたが、晴れた日にのぞいたらほんの一部だけ光って見えました
ぜひ、埼玉のミニカッパドキアでトルコ気分を味わってみてください
■ アクセス:東武東上線「東松山駅」から川越観光バス「免許センター行」乗車で「百穴入口」下車、徒歩約5分。あるいはJR高崎線「鴻巣駅」から川越観光バス「東松山駅行」乗車で「百穴入口」下車
■ 駐車場:無料大駐車場あり
■ 公式HP:https://www.town.yoshimi.saitama.jp/soshiki/shogaigakushuk/7/909.html
4【坂戸】聖天宮 Shoten-gu Temple
坂戸市内の、正直何の変哲もない田園地帯にポツンと現れるきらびやかな宮殿建築、それが「聖天宮(しょうてんぐう)」です
正式名称は、「五千頭の龍が昇る聖天宮」
これを建てたのは台湾道教の偉いお坊様(法師)で、
法師が40代半ばで大病を患った際、「三清道祖」のご利益により回復を遂げ、そののちにこのご利益をより多くの民衆にもあずかれるようにと御本尊を祀る寺院建造の地を探していたところ、夢のお告げで、何がどうして、縁もゆかりもない日本の埼玉の坂戸に白羽の矢が立ったと……
そうしてわざわざ台湾宮大工を招聘して、15年の歳月をかけて完成させたそうです
どこにどう5,000もの龍が彫刻されているのかは不明ですが、とりあえず日光東照宮に匹敵するほどの絢爛豪華さです
確かに日本寺院とは一線を画す、というか地味な埼玉では明らかに存在が異質な中華式のお寺です
日本でいう楼門にあたる“天門”、その向こうには拝殿にあたる“前殿”、さらに奥には“本殿”が並んでいます
日本であって日本でないようなこの空間は、実はさまざまなロケ地として(コスプレ撮影にも)使われているようです
ちなみに、境内には売店こそないものの、専用自販機を設置、そこには御守から御札、さらには台湾ゆかりの缶詰やスイーツなど、台湾グッズが販売されているそうです
台湾が恋しい人にはオススメのスポットです
■ アクセス:東武東上線若葉駅東口より徒歩35分、あるいは若葉駅東口より東武バス「八幡団地行」or「川越駅行」or「東坂戸団地行」のいずれかで、「戸宮交差点前」下車、徒歩6分
■ 駐車場:無料あり(普通車120台)
■ 公式HP:https://www.seitenkyu.com/
5【秩父】三十槌の氷柱、あしがくぼ氷柱 Misotsuchi Icicles & Ashigakubo Icicles in Chichibu
番外編として、秩父の冬の風物詩である氷の芸術「秩父三大氷柱」をご紹介
冬は降雪が少ない埼玉ですが、唯一山間部にあたる秩父では、厳冬期の冷え込みで天然凍結あるいは人工凍結で生まれた氷柱の芸術が楽しめます
こちらは、秩父三大氷柱でもっとも有名な「三十槌(みそつち)の氷柱」
下流域には天然氷の氷柱が、上流域は人工的に放水して作り出した大規模な氷柱の芸術が形作られています
夜間はライトアップされ、より幻想的な光景が楽しめます
こちらは横瀬(よこぜ)町にある「あしがくぼの氷柱」
すべて人工的に作られた氷柱ですが、その規模は幅200m、高さ30mにわたり、全面ライトアップもされ実に幻想的
西武秩父線・芦ヶ久保駅から徒歩10分と交通の便もよく、また道の駅果樹公園あしがくぼに隣接しているので、秩父三大氷柱の中ではもっとも観光向きなスポットです
三大氷柱の最後は小鹿野(おがの)町にある「尾ノ内百景氷柱」
両神山を源流とする天然氷と人工放水によって生み出された尾ノ内渓谷の氷柱は、吊り橋から見学できるところが見どころ
こちらも夜間ライトアップされるので(ただし、夜間は吊り橋通行止め)幻想的な氷柱の渓谷を堪能できます
ちなみに秩父では、実は三大氷柱のほかにも大なり小なり、天然or人工、至るところで氷の芸術が生み出されています
写真は小鹿野町久月地区で作られた「ひさつき氷柱」
規模は小さいですが、結構見応えあります
一応、幟も立っているので場所はわかりやすいでしょう(駐車場もあり)
ぜひ、冬は車を走らせながら、秩父の氷の芸術をお楽しみください(もちろん車はスタッドレスタイヤで!)
■ 所在地:埼玉県秩父市大滝4066
■ アクセス:西武秩父駅から西武観光バス急行三峯神社線にて「三十槌」停留所下車、徒歩3分
■ 駐車場:ウッドルーフ奥秩父キャンプ場有料駐車場あり
■ 公式HP:http://icicles.woodroof.jp/
<あしがくぼの氷柱>
■ 所在地:埼玉県秩父郡横瀬町芦ケ久保
■ アクセス:西武秩父線芦ヶ久保駅より徒歩10分
■ 駐車場:道の駅果樹公園あしがくぼ 無料第二駐車場100台
■ 公式HP:https://www.yokoze.org/hyouchuu/
<尾ノ内百景氷柱>
■ 所在地:埼玉県秩父郡小鹿野町河原沢996-1
■ アクセス:西武秩父線西武秩父駅より西武観光バス「栗尾」又は「小鹿野車庫」行に乗車、「小鹿野役場」停留所にて「坂本」行に乗換え「尾ノ内渓谷入口」下車、徒歩約20分
■ 駐車場:道の駅果樹公園あしがくぼ 無料第二駐車場100台
■ 公式HP:https://www.nishichichibu.or.jp/hyouchuu/