【訪問場所 Visited Site】来運神社 Raiun-Shrine, Shari-cho town, Hokkaido, Japan
※文中の料金等は2018年7月現在のものです
誰しも、
・何となく居心地がいい
・何となくホッとする
・何となくこの空気感が好き
など、無意識に気になる神社仏閣があると思います
わたしにとってその一つが、北海道オホーツクのまち・斜里町にある「来運神社」
「運が来る」というありがたい名前もさることながら、境内から湧き出る美味しい斜里岳の伏流水、何より森からあふれるマイナスイオンがハンパないのです
知床方面に行くときは、時間があれば立ち寄るほどお気に入りのスポットです
「来運神社」の所在地 Location Map
斜里駅から南へ約12km、車で約20分のところにあります
斜里岳をのぞむ

日本百名山の一つであり、標高1,547mの知床の秀峰「斜里岳」
アイヌ語ではオンネヌプリと呼ばれ、「大いなる山、年老いた山」という意味を持つそうです
そのかたちから、オホーツク富士、斜里富士の異名を持ちます
車中泊した「道の駅ぱぱすランドさっつる」にて、
早朝4時頃、白々と夜が明ける中、麦穂が揺れるその先に斜里岳が悠然とそびえ立っていて、とにかくなんだかありがたい気持ちになりました

初夏の麦畑は、まだ穂が青々としてとても爽やか
美しい朝の光景でした
来運神社の水汲み場と御池

「道の駅ぱぱすランドさっつる」から車で約20分、来運神社のある「いずみの森来運公園」に到着
朝早すぎて、さすがに人気(ひとけ)がない
2年前、はじめて来運神社を訪れたときは11月で雪をかぶっていたので、新緑に包まれている神社はとても新鮮で清々しい
ちなみに、来運公園の一角には推定樹齢1000年を超えるイチョウの巨木が立っています

駐車場の前に、第一の鳥居
この年季が入った、寂れた感じが風情があっていい
鳥居の横には、お心付け(協力金)を入れる郵便受けみたいなBOXがあります
神様からのありがたいパワーを分けていただくのですから、心付けを納めるのは当然のマナーですね

鳥居をくぐれば、そこはもう御神域
あたりはシンと静まり返っていて、どこか身が引き締まる思い
来運神社はアイヌにとって聖地として崇められ、道東最強のパワースポットとも誉れ高い
第一の鳥居のすぐそばに、そのありがたい斜里岳の伏流水「来運の水」の水汲み場が整備されています

かつては飲料用にマグカップが用意されていましたが、今は取り除かれたようです
いたずらとかされて、持っていかれてしまったのでしょうか
ちなみに、地元の方々はポリタンクをいくつも抱えて持ってきてますね
われわれ観光客も空きペットボトルを事前に用意したいところ
ちなみに、斜里町ではこの湧き水が水道水にもなっているそうです
東川町でも生活用水は湧き水なので、なかなか贅沢ですね

水汲み場のお隣に斜里岳の源水が湧き出る御池が横たわります
毎分5トンもの水がコンコンと湧き、その澄み切った美しさに思わずため息
何より早朝は靄がかかりやすく、より神秘性が増して見えます

水温は一年を通して6度を保ち、氷点下を下回る厳寒期であっても決して凍らないそうです
そしてこの苔むした感!
マイナスイオンがハンパないです!

御池の横に祀られた水神様
水神様に見守られ、どこか畏れ多い、何かがピンと張り詰めている空気が漂ってます
第2の鳥居から社殿へ

水汲み場を通り過ぎると、第2の鳥居が立っています
その向こうに架かるのは「運水橋」
“運を運ぶ水の橋”、これまたご利益ありそうなネーミングですね
その下には小さな沢が流れています

社殿は丘の上に設置されています
ほんの数十mの距離ですが、未舗装のご参道を登ります
意外と勾配があって、雨が降った後は道がぬかるんで滑りやすいので足元お気をつけて

森の中でエゾリスさんに遭遇!
かわいい!

5分も登れば、神社に到着
想像以上にこじんまりとした素朴なたたずまい
社務所はもちろん無人ですが、社殿は建て直されたばかりなのか、比較的新しいですね

「来運神社」の名にあやかり、さまざまな運(ご縁)がやって来るよう、しっかりお願いしました

絵馬掛所に掛けられた来運神社の絵馬
来運神社の場合、社務所が不在なので、絵馬やお守りなど授与所の代わりを「道の駅しゃり」が担っています
購入した絵馬は自宅に持ち帰り、願い事をしたためてから「道の駅しゃり」へ返送します
そして、受け取った絵馬は、「道の駅しゃり」が責任を持って掛けてくれるそうです

絵馬の裏面のデザイン
かわいいですね
鮭の遡上が観察できる来運神社

この画像は、2016年11月に訪れたときのものですが、おびただしい数の鮭が遡上しています
知床の秋の風物詩は、「鮭の遡上」
運水橋の下を流れる小さな沢でももれなく観察できて、子孫を残すためにからだを傷つけながら必死で川を遡る姿が見られます
古代アイヌの人々はそれを見て、ここを「あの世」と「この世」を分ける「ライクンナイ(死者の沢)」と名付けたそう
ちなみに、川を遡上する鮭または産卵後海に戻る鮭を、北海道では「アキアジ」と呼び、特に産卵後は美味しくないから獲らないのだそうです
素手でも取れそうなほどウヨウヨ泳いでいるのに、素人目には、なんだかもったいない気がしますね
道の駅しゃりで販売される来運神社グッズ

前述したとおり、来運神社の授与所の代わりを担っているのが「道の駅しゃり」
JR斜里駅から徒歩圏です

道の駅内の小さな受付窓口には、来運神社のお守りや絵馬などがさりげなく販売されています
・絵馬 900円
・来運の水キーホルダー 350円
・来運木札 800円
・来運コップ 1,000円
・来運浮き玉 1,000円
(道の駅しゃりHPより抜粋)
さすがに御朱印は取り扱っていない様子

斜里町観光協会が推進する、来運の水専用のペットボトル
ご縁銭、斜里町ステッカー、斜里町マップ付で250円税込(2018年当時)
※2022年現在はペットボトルとおみくじと缶バッジのセットで500円だそうです
まぁ、そのご利益を考えたらお安い買い物かも
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来運神社の湧き水は甘さを感じる超軟水
そのまま飲んでも美味しいですが、これでコーヒーを淹れると格別です
ちなみに、この水で作ったおそばが楽しめるお店が、そば処「らいうん」
人気店らしいので、いつかランチに立ち寄ってみたい、と思いつつ、いつも訪れるのは早朝か夕方なので、タイミング合わないんですよねぇ…
終わり
参考情報
- 道の駅しゃり「来運の水」