確定申告 Tax Returns 2020

確定申告を忘れずに!

そろそろ確定申告シーズン到来ですね

コロナ禍に揺れた2020年、今年は誰もが多かれ少なかれ、政府からの給付金やGoToキャンペーンなどの恩恵を受けていると思われます
また副業はじめて本来の収入とは別に、臨時収入(雑所得)を得た人も多いのでは

これまでは会社任せだった年末調整、
今年は他人事ではないかもしれません

申告漏れで、結果なんの得にもならなかったなんて残念な状況を避けるためにも今年は特に要チェックです

なお、当方は専門家ではないので、確定申告のキホンや申告方法、その他各事業に関する詳細は表中のリンク先、もしくはお近くの税理士や国税庁などにご相談ください

 

令和 2年(2020年)分確定申告期限延長について

例年の確定申告は2月16日~3月15日ですが、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言期間延長に伴い、令和2年(2020年)分に関しては期限が延長されています。

▶申告所得税・個人事業者の消費税・贈与税:令和3年2月16日(火)~4月15日(木)まで

国税庁報道発表資料より

【関連リンク】
令和2年確定申告 Tax Returns
税務チャットボット Chat bot of Tax Returns
国税庁「国税に関するご相談」 National Tax Agency Banner

 

目次 Contents

Go To キャンペーンや持続化給付金は課税対象?!

Go To トラベルの「よくあるご質問」にて以下のことが明記されています

 

Q188 Go To トラベル事業を利用して旅行した場合、国による支援額(旅行代金の2分の1相当額)は課税対象になるのか。

A Go To トラベル事業は国内旅行を対象に、旅行業者等を通じて、宿泊・日帰り旅行代金の 2 分の1相当額の給付を旅行者に対して行うものであり、この給付は税務上、旅行者個人の一時所得として所得税の課税対象となります。
ただし、課税対象になるとはいえ、一時所得については、所得金額の計算上、50 万円の特別控除が適用されることから、他の一時所得(懸賞や福引きの賞金品や競馬や競輪の払戻金等※)とされる金額と Go To トラベル事業による給付額との合計額が年間 50万円を超えない限り、旅行者個人の課税所得は生じません。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm

 

これはGo ToトラベルだけでなくGo To Eat、Go Toイベント含むすべての「Go To キャンペーン」に適用されます。

要するに、2020年にお得だからと調子に乗ってGo To トラベルで豪華な旅行を何泊もしまくったり、Go To Eat錬金術でポイントもらいまくったり、プレミアム食事券買いあさったり、などという極端な利用をした方以外はあまり関係ないということですが、
(宿泊でいえば元値が1泊4万円以上(税込)の旅行を合計25泊以上、食事は昼夕併せて1日1500円×333日以上する計算)

ただし、GoToキャンペーンとは別に、持続化給付金や各種助成金を受けたり(定額給付金は非課税)、たとえば前澤さんの金配りや懸賞・福引(宝くじは対象外)に当たったり、競馬や競艇その他ギャンブル、あるいは報奨金など本業の収入以外で想定外の臨時収入=一時所得を得た人は要注意なのです。

すべての一時所得を合計して50万円超える場合には確定申告が必要です。

 

一時所得とは

一時所得とは、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」、要するに国の支援金や保険金、当選金など、思いがけなく手に入った偶発的な臨時収入などを指します。

これにはコロナ関連で支払われた国の支援金や自治体からの助成金なども含まれます。

というわけで、コロナ関連の気になる項目をピックアップしてみました。

コロナ関連の一時所得一覧

種別 一時所得の名称 ポイント
非課税 特別定額給付金 一律一人10万円
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金
子育て世帯への臨時特別給付金
学生支援緊急給付金
低所得のひとり親世帯への臨時特別給付金
新型コロナウイルス感染症対応従事者への慰労金
課税 持続化給付金 ・給与所得者向け⇒一時所得
・事業所得者向け⇒事業所得における収入
・雑所得者向け⇒雑所得における収入
Go To キャンペーン事業における給付金 【1】Go To トラベル
▶旅行代金の1/2相当額
=旅行代金(税込)×35%割引+地域共通クーポン(旅行代金(税込)×15%(端数は四捨五入))
・日帰り上限:1万円/人
・宿泊上限:2万円/泊・人

【2】Go To Eat(イート)
▶プレミアム食事券:購入金額の25%上乗せ
▶オンライン飲食予約:(昼)500円/人・回、(夕)1,000円/人・回 ※上限10人分/回まで

【3】Go Toイベント
▶チケット価格の2割相当額
・チケット代割引
・会場等で使えるクーポン付与

すまい給付金 最大50万円まで
家賃支援給付金 法人最大600万円、個人事業主は最大300万円
マイナポイント マイナンバーカード申請で上限5000円分のマイナポイント
農林漁業者への経営継続補助金 【1】経営の継続に関する取組に要する経費
⇒補助率:3/4、補助上限:100万円)

【2】感染拡大防止の取組に要する経費 ⇒補助率:定額、補助上限:50万円

文化芸術・スポーツ活動の継続支援 文化芸術活動における取組みに係る経費2/3又は3/4+新型コロナ感染予防に沿った取組に係る経費
・フリーランス等:上限20~150万円
・小規模団体:上限150万円
雇用調整助成金 事業主が雇用者へ休業手当等を支払う場合、1人一日最大15,000円
小学校休業等対応助成金・支援金 対象労働者(保護者)一人につき、対象労働者の日額換算賃金額×有給休暇の日数
※上限額:15,000円/日

 

一般的な「一時所得」に該当するもの

次に一般的に「一時所得」といわれているものの一覧です

対象 内容 ポイント
課税 ふるさと納税の返礼品 目安=ふるさと納税金額合計×還元率30%
生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金など 満期保険金は一時金の場合のみ一時所得(年金受取は雑所得)
懸賞や福引などの賞金、賞品 当選金額から必要経費(ハガキ・切手代等、ネット申込は0円)を除いた額
※宝くじは非課税
競馬や競艇、競輪等ギャンブルで得た払戻金 年間払戻金合計から馬券等に費やした年間投票額合計を除いた額
法人から贈与された金品 業務や事業とは関係ない金品(お中元、お歳暮、景品など。慶弔関連の金品は相手方との関係性によってケースバイケース)
遺失物拾得者や埋蔵物発見者が受け取る報労金など 拾ったお金、お礼のお金などが50万円以下の場合は申告不要

※参考:国税庁「一時所得とは
 

 

一時所得における税額の計算方法

たまたま運悪く(運良く?)いろいろと一時所得が重なって、一時所得に指定された50万円の特別控除額を超える場合、会社が年末調整してくれたサラリーマンでも、給与収入がない専業主婦や学生さんでも確定申告が必要です。

計算式は以下のとおりです。

一時所得の計算式
一時所得額=(収入合計 ― 必要経費 ― 控除額50万円)× 1/2

ただし、サラリーマン(給与取得者)の場合、給与以外の収入(一時所得対象の収入合計―必要経費)が90万円以下=課税所得20万円を超えなければ申告不要となっています

{一時所得で得た収入合計 ― 必要経費} ― 特別控除額50万円)×1/2<課税所得20万円 ※下線部分が90万円超えなければセーフ

 

以上を踏まえ、モデルケースで検証します

 

ケース1:大人2名でGo To トラベルとGo To Eat利用

[条件]Go To トラベル大人1人1泊2万円の2泊3日旅を年間計5回(合計10泊)
⇒(割引額:2万円×10泊×2名×35%=14万円)+(地域共通クーポン:2万円×10泊×15%=6万円)
支援金合計20万円・・・①
・Go To Eat プレミアム食事券2万円分×5冊購入
⇒上乗せ分2500円×5冊分=支援金計12,500円・・・②
・Go To Eat オンライン予約昼・夕食1ヶ月毎日利用×大人2名
⇒{(昼)500円+(夕)1000円}×30日×2名=支援金合計9万円・・・③

■(①+②+③)―特別控除額50万円=△197,500円⇒申告義務なし

 

ケース2:家族4名でGo To トラベルとGo To Eat利用

[条件]Go To トラベル大人2名(1泊2万円@人)、子ども2名(1泊1万円@人)で7泊8日と2泊3日旅5回(合計17泊)の場合
⇒(割引額:{2万円×2名×17泊+1万円×2名×17泊}×35%=357,000円)+(地域共通クーポン:{2万円×2名×17泊+1万円×2名×17泊}×15%=15,300円
支援金合計51万円・・・①
・Go To Eat プレミアム食事券1冊2万円分×上限5冊×3回購入
⇒上乗せ分2500円×5冊分×3回=支援金計37,500円・・・②
・Go To Eat オンライン予約昼・夕食1ヶ月毎日利用×家族4名
⇒{(昼)500円+(夕)1000円}×30日×4名=支援金合計18万円・・・③

■(①+②+③)―特別控除額50万円=227,500円⇒申告義務あり

■227,500円×1/2=113,750円⇒一時所得(課税所得)

一時所得113,750円<課税所得20万円⇒サラリーマンの場合、申告不要

 

ケース3:「ケース1」+マイナポイント+持続化給付金(給与所得向け)100万円受給

[条件]「ケース1」+マイナポイント+持続化給付金(給与所得向け)100万円受給
・ケース1の支援金合計302,500円・・・①
・マイナポイント 5000円・・・②
・持続化給付金 1,000,000円・・・③

■(①+②+③)―特別控除額50万円=807,500円⇒申告義務あり

■807,500円×1/2=403,750円⇒一時所得(課税対象)

一時所得403,750円>課税所得上限20万円⇒サラリーマンでも申告必要

 

ちなみに、

住民税は、課税所得に対して、基本的に一律10%です。

所得税は、課税所得に応じて下表のとおりです。

課税される所得金額 税率 控除額
1,000円~1,949,000円 5% 0円
1,950,000円~3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円~8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円~7,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

※出典:国税庁タックスアンサー「所得税の税率【所得税の速算表】

 

一時所得を含め、所得計算が簡単にシミュレーションできる便利なサイトがありました
必要に応じて、試してみてください(▼画像をクリックしてもジャンプします)

申告漏れによるペナルティー(罰則)と刑事罰

申告義務が発生しているのに面倒くさいなどと放置して、万が一申告漏れが生じると、当然ペナルティーが課されます。

税務署からの指摘で追徴課税となったら、お得分がチャラになるどころか、悪質な場合は刑事罰も課されるのでくれぐれも正しく申告しましょうね。

過失の程度 行政罰 刑事罰
正当な理由なく、確定申告書を期限内に提出しなかった場合 無申告加算税 原則、納付すべき税額が50万円までは15%、50万円超分は20%加算
自主的期限後申告の場合、税務調査の事前通知前で5%加算、税務調査の事前通知後では50万円までが10%、50万円超分は15%加算
【申告書不提出罪】
(単純無申告犯)
1年以下の懲役または50万円以下の罰金
故意に確定申告書を期限内に提出しなかった場合 【故意の申告書不提出によるほ脱犯】
5年以下の懲役もしくは500万円(情状により脱税額)以下の罰金、または併科
過少申告(申告漏れにより、自主的に訂正申告) 過少申告加算税 税務調査前の自主的な修正申告は加算なし
税務調査後の修正申告は原則10%、50万円超部分は15%
過少申告(つまみ申告=本来の所得や収入額から故意に一部を隠して確定申告書を提出した場合) 重加算税 過少申告は納付すべき税額の35%加算
申告書不提出は納付すべき税額の40%加算
【脱税犯】
10年以下の懲役もしくは、1000万円(情状により脱税額)以下の罰金、または併科
税金逃れを目的とした悪質な過少申告、申告書不提出、受還付があった場合

※参考:Go!Go!ワンク「確定申告をしないとどうなる?無申告の場合のペナルティやデメリットは?専門家に聞きました

 

さらに、税務署から通知された納付期限までに納付されない場合は、「延滞税」がさらに加算されます。
延滞税については、上記サイトなどをご参考ください。

まとめ

緊急事態宣言発令に伴い2021年2月現在、GoToキャンペーンは一時中断延長、ただし多くは3月末期限(Go To Eatに限っては6月末期限)となっています。

2021年以降のGo To キャンペーン等の利用は2021年の確定申告にまわりますが、今回のことを念頭に、給付金等の一時所得とのバランスを見ながら計画的に賢く利用しましょうね!

【参考】Go To キャンペーンの会計処理

Go To キャンペーンの会計処理はこちらのサイトが参考になります!

▶弥生会計+ASCII「【2021年提出 確定申告】Go Toキャンペーンなどポイントの処理はどうするの?



この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事