旅行記概要
■ 訪問年月日:2016/01/22~2016/01/24
■ スポット名:エンチャンテッド・リバー(Enchanted River)
■ 訪問国地域:フィリピン、ミンダナオ島、ヒナトゥアン Hinatuan, Surigao del Sur, Mindanao, Philippines

※文中の情報は2016年1月現在のものです

 

<エンチャンテッド・リバーの所在地>

 

フィリピン南部に浮かぶミンダナオ島。その北東部に位置する南スリガオ州ヒナトゥアン村のジャングルには「魔法の川」と称される「エンチャンテッド・リバー」が存在します

日本人にはまだなじみの薄い、知る人ぞ知るローカルスポット

普段は何の変哲もないただのきれいな川ですが、ある時間になると突如水面に地下洞窟が姿を現します。まさに魔法の川、奇跡の川の絶景です!

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】エンチャンテッド・リバーへの目印の看板

エンチャンテッド・リバーへの目印の看板

 

旅人のバイブル、「○球の歩き方」にも「Lonely Planet」にも掲載されていない、ミンダナオ島ヒナトゥアン村にある絶景・エンチャンテッド・リバー(Enchanted River) ※2016年現在

マニラに住む現地フィリピン人も知らなかったぐらい、知る人ぞ知るローカルスポットです

アクセス方法は、ミンダナオ島一の大都市ダバオあるいは北部にある地方都市ブトゥアンからのアクセスが一般的
あるいは、本数はだいぶ少ないですが、国内線のタンタグ、ビスリグなどからもアプローチ可能

わたしの場合、マニラからブトゥアンまで国内線で飛び、そこから乗り合いバンに揺られて4時間弱で拠点となるヒナトゥアン村に到着しました
※ヒナトゥアン村は小さな村なので宿が少なめ。Booking.comAirbnbなどで事前に予約していくと安心

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 すぐ吹き飛ばされそうな高床式の掘っ立て小屋

すぐ吹き飛ばされそうな高床式の掘っ立て小屋

 

ヒナトゥアン村の中心地はもちろんコンクリートの建物がほとんど

とはいえ、少し離れただけでもこんな原始的な、高床式藁ぶき屋根の掘っ立て小屋が多い

フィリピン全体がまだまだ発展途上国とはいえ、田舎は未だ前時代的な民家も少なくない

ミンダナオ島はルソン島やセブなどに比べて台風直撃は少ないみたいですが、とはいえ大風吹いたら一発で飛ばされそうですね

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 木材を曳く牛の光景

木材を曳く牛の光景

 

東南アジアの田舎では見かける、何気ない光景

牛が何やら木材を引きながら、のらりくらりと歩いています

ちなみに、フィリピンでは牛(Cow)ではなくカラバオ(Carabao)と言うそうです
もちろん畑も耕します

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】今にも崩落しそうな木造の橋

今にも崩落しそうな木造の橋

 

今にも崩落しそうなガタガタの木造の橋

橋の下まで結構な高さがあり、なかなかのスリルです
これをいくつか乗り越えないとエンチャンテッド・リバーにたどり着けません

しかし、ジープや大型トラックも普通に走っていて意外に頑丈…

欄干で写真撮っていたら轢かれそうになりました

※2019年現在はすでに木造橋は撤去され、コンクリートの橋に生まれ変わっていました!

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】豚がおすわりしていた

豚がおすわりしていた

 

フィリピンでは基本、ヤギや豚、牛、犬、猫、ほとんどの家畜やペットは放し飼いですが、この子は首輪してますね

ちなみに、フィリピンの動物は温厚でヒトを襲ってきません
暑いからかな
(たまに都市に住む野良犬は牙をむき出しにして怒るときがあるので、そういうときはスルーしましょう)

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】いよいよエンチャンテッドリバーに到着!

いよいよエンチャンテッドリバーに到着!

 

エンチャンテッド・リバーの前に
バイクタクシーの兄ちゃんのおすすめで滝に寄り道したら、なんと滝壺の川で滑って転んで、一眼レフがまたしても水没

なので、画面がうっすら曇ってます…泣(辛うじて、シャッターは切れた)

それはともかく、

ヒナトゥアン村からバイクタクシー(「アベルアベル」という)で約1時間半
とうとう憧れのエンチャンテッド・リバーに到着!

ジャングルの中にありながら、ここだけ急に観光地化して開けています

まだ朝の8時半でしたが、すでに観光客はチラホラ集まっていました

入口で入場料30ペソ(約70円)を支払います ※2016年当時。2019年は値上がっています

必要に応じて、ライフジャケットやゴーグルはレンタル可能
ライフジャケット20ペソ(パスポートと引き換え)、ゴーグルは50ペソ ※2019年から値上がってます

簡易脱衣所はありますが、シャワーは無し
スタッフが井戸汲みポンプで組み上げた地下水を小さなバケツで手や体にかけてもらいます

お手洗いも一応ありますが、洋式の器だけあって便座はなく、もちろんトイレットペーパーもなし
水洗ではないので、巨大バケツから水を汲んで流します
まぁ、フィリピンではスタンダードですね

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】エンチャンテッド・リバーのモニュメント

エンチャンテッド・リバーのモニュメント

 

一応、写真スポットのモニュメント

エンチャンテッド・リバーは、かつてダイバーが命がけで地下洞窟を探査したそうですが、その複雑な構造ゆえに水深100m程度で断念したとか

地下洞窟は、細く狭く岩がごつごつして、熟練のダイバーでもかなり手強く、亡くなった方もいるとか…

そんなわけで、未だ真の深さは未解明なんです

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】ここから先がエンチャンテッド・リバー

ここから先がエンチャンテッド・リバー

 

訪れる観光客のほとんどが現地人
9時を過ぎると客も増え、カップルやファミリーらが押し寄せてきます

欧米人もごくたまに見かけましたが、基本的にはミンダナオ島の住民がメイン
驚いたのは、どこにでも現れる中国人や韓国人観光客がここでは全く見かけなかったこと

そんな中で、奇跡的に日本人と遭遇!

ミンダナオ島出身で現在日本で働くフィリピン人女性のおすすめで一緒にここを訪れたとか…

日本語が堪能なフィリピン人の彼女から、
「ミンダナオ島出身のわたしでも日本の女性が一人でここを訪れているの、はじめて見ましたよ~!大丈夫でしたか?襲われませんでしたか?」とかなり驚かれ、心配されました(苦笑)

やはり、地元民すら恐れおののくミンダナオ島の治安

でも東側はだいぶ平定され、ダバオなんて“フィリピン一安全”とまで言われています(なんと言っても、あの強硬派のフィリピン大統領ドゥテルテ氏が元市長さんでしたからね…)

ミンダナオ島の危険地域は主に西側
とはいえ、バイクの兄ちゃんから、“夜は武装したゲリラがジャングルに潜んでいるので気をつけろ”、と注意されました・汗

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 9時頃では、まだ濁ってる

9時頃では、まだ濁ってる

 

朝9時近くの様子

まだまだ濁っていて、「まぁ、ちょっときれいな川」といった感じですね

エンチャンテッド・リバーの真骨頂は太陽の光が水底に深く届く「南中」を指すときです

水面の濃いブルーが地下洞窟のある一番深いところです

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】深そう…

 深そう…

 

フィリピン人は、基本的にそのままTシャツ、短パンで泳ぎます(男女とも)

そして、女性や子どもはライフジャケットをレンタルする人が多い

外国人である自分は、パスポートと交換でライフジャケットとゴーグルを借りました

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】定期的に水質調査をする人

定期的に水質調査をする人

 

スタッフによる定期的な水質検査が行われています

その棒で、どのように水質調査しているのかは不明ですが…

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 陸上から川の中の見た魚たち

陸上から見た川の中の魚たち

 

陸上から見た川の魚たち

水中ではなく、外から眺めてこんなにクリア
ヤバいぐらい水が澄んでいます

なぜなら、エンチャンテッド・リバーは豊富な地下水から出来ているから
数百m先は海なのですが、中間で塩水と淡水が混じり合っています

ちなみに、
この魚たちにエサを与える「フィーディング・タイム」が毎日12時と16時にあります

このときはあいにく、時間の都合で鑑賞できませんでしたが、かなりの人気の目玉イベントだそうです

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】海側は遠浅が続く

海側は遠浅が続く

 

海側に近づくにつれ川は遠浅になり、足が着くほどです

前述したとおり、川は数百m先で海につながっているので、海側の水は少ししょっぱい
地下洞窟側は湧き水で満たされているので淡水、なのでしょっぱくない

しかし、この湧き水が地下のどこからどうやって湧いているのかもまた未解明だそうです。

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】アイランドホッピングができるカヤックのりば

アイランドホッピングができるカヤックのりば

 

フィリピン名物のこのバンカーボートで、海へアイランドホッピングを楽しむことも出来ます

川の先にあるヒナトゥアン湾には多くの無人島やマリンリゾートがあるそうです

時間がある人にはおすすめ

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】浅瀬側で泳ぐ人たち

浅瀬側で泳ぐ人たち

 

浅瀬側は足が着くので、女性や子どもでも安心して楽しめますね

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 海側と地下洞窟側の境界を示すブイ

海側と地下洞窟側の境界を示すブイ

 

このブイが地下洞窟と海側の境界線の役割で、
このブイを越えると、地下洞窟側が急に崖のように深くなります

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】透明度が増してきました!

透明度が増してきました!

 

徐々に日が昇り、地下洞窟側の川の色が青く深く、そして澄んできました

白く見える部分は水中の岩壁

川縁は辛うじて足がつく場所もありますが、基本的にしがみつくところが少ないので、ちょっと怖い

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 さらに透明度が増してきました!

さらに透明度が増してきました!

 

ますます透明度が増してきました!

地下洞窟側は、豊富に湧き出る地下水の影響か、川下の海に向かってかなり強い勢いで流れがあります
気を抜いたり、しっかりブイにしがみついていないとあっという間に川下に流されます…

なので、ブイから地下洞窟側に泳ぐときにはかなり気合を入れて泳がないといけません

まぁ、多くの人は地下洞窟側に渡された階段を降りて飛び込みます

※2019年現在は、地下洞窟側は立ち入りおよび遊泳禁止

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】地下洞窟が姿を現しはじめました

地下洞窟が姿を現しはじめました

 

いよいよ、地下洞窟が姿を現しはじめました

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】洞窟の入口

洞窟の入口

 

この穴の向こう側も地下洞窟につながっています

ダイビング専用の器材があれば潜れるようですが、かなり危険だと地元の人が話していました
亡くなった人もいるというと、ゾッとしますね

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 水が輝いてきました!

水が輝いてきました!

 

時刻はおよそ10時半頃

9時頃とは打って変わって、クリアで輝くオリエンタルブルーに七変化です!

まさに魔法がかかったような、なんという蒼

ここまで来た苦労が報われた、と思いました

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】どんどんクリアになる地下洞窟

どんどんクリアになる地下洞窟

 

泳ぎが上手な人は深く潜ったりもしていましたが、
地元の人でもやはり怖ろしいのか、地下洞窟の真上を長居する人はあまりいませんでした

ライフジャケット着ていても、地下洞窟の真上は吸いこまれそうで、わたしは怖ろしかった

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】深い地下洞窟が見えてきます

深い地下洞窟が見えてきます

 

おおむね、11時頃がピークのようです
そこから午後になると、またくすんでくるそうです

こんな美しい地下洞窟がフィリピンのジャングルにあるとは、驚きですね…

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】  本領発揮の姿じゃなかった

本領発揮の姿じゃなかった

 

これでもキレイだと思って見ていましたが、
実はこれはまだ序の口で、エンチャンテッド・リバーの本領発揮ではないとのこと

あいにく気象条件が合わなかったのか、この日はそれが見られませんでした

最高の気候条件のときは、もっとくっきり、地下洞窟が見えるんですよ!

※2019年再訪したとき、それが実現しました!その模様がこちら▼

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 Go Proで水中撮影!

Go Proで水中撮影!

 

Go Pro HERO3で試しに水中撮影

HERO3は液晶モニターが背面になく、撮影画像を視認できないので、構図がいまいちなものばかり…汗

それはともかく、

Go Proのクオリティを差し置いても、この透明度!
不純物が一切ないかのようなクリアウォーター

水面からそれほど深くないポイントでも、大きな魚が群れをなして泳いでいます

ちなみに、魚の捕獲は禁止

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 あまり逃げない魚たち

あまり逃げない魚たち

 

自分たちを捕らないと分かっているのか、魚たちはあまり逃げないんですよね

水面近くをたゆたっています

ちなみに、右下はめっちゃ深いです

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 水底に差し込む光

水底に差し込む光

 

川底へ深く深く、幾筋もの光が差し込む幻想的な光景

ライフジャケットを身に着けていても、基本的に足のつかない水の中は恐怖心がぬぐえず、わたしは長居できませんでした

しかし、こんなに美しい川は今まで見たことがなく、衝撃と感動の嵐でした

※なお、2019年、本領発揮の姿を見るため、リベンジしました。その模様は下記▼

 

【フィリピン・エンチャンテッドリバー】 出入口で客待ちするバイクタクシーたち

出入口で客待ちするバイクタクシーたち

 

エンチャンテッド・リバーは一応地元の観光地なので、
入口にはたくさんのバイクタクシー(現地語ではアベル・アベル)が待機しています

なので移動手段は心配しなくて平気

しかし、基本的に最低3名集まらないと出発してくれないため、急いでいるときは貸し切りというかたちで、3名分払うと出発してくれます
(約150ペソ=300円ぐらい、ただし要交渉)

というわけで、第1回目の魔法の川「エンチャンテッド・リバー」訪問記でした

終わり

 

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最後までご覧いただきありがとうございました

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