【訪問場所 Visited Site】稲城亜丁風景区 Daocheng Yading scenic area, Eastern Tibet, Sichuan, China
※文中の料金等は2018年10月現在のものです
中国の「稲城亜丁」と聞いてもピンと来ない日本人がほとんどだと思いますが
2018年3月、中国政府によるチベット自治区への外国人入境規制のため
甘孜まで訪れて追い出されたとき、
代替案としてたまたま見つけたのが、この紅葉の名所の「稲城亜丁」
その黄葉に染まる美しい眺めに目を奪われ
これは絶対行く!と決めて、計画を練ることに
とはいえ、例のごとく日本語での情報が極端に少ない
というわけで、今回もなんとかなるさの気概だけで
成都新南門バスターミナルからとりあえずスタートしました
所在地と位置関係 Location Map
<稲城亜丁風景区の所在地 Daochen Yading Scenic Area Location Map>
- 稲城のバスターミナルと風景区はかなり離れてるので要注意
- 宿泊はシャングリラ(香格里拉)村かヤーディン(亜丁)村が便利
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading Google Map](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/China_DaochengYadingMap.gif)
※青太字部分が本ページで紹介する行程
- 紫色のルートは専用シャトルバスでの移動
- 青色のルートは散策ルート(徒歩あるいはカート移動)
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成都バスターミナルから香格里拉村へ
![中国 成都 亜丁行バス China Chengdu Bus terminal](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181016_000_China_ChengduBus_c.jpg)
天の助けか日頃の行いか
たまたま乗り合わせたバスに
少し前まで技術実習生として日本で働いていたという
日本語を片言話せる中国人男子二人組と出会いました
「僕らは日本で働いていたとき、日本人にとても親切にされたから
今回は僕らがあなたを手助けします
迷惑でないなら一緒に稲城亜丁に行きましょう!」
と涙が出るようなありがたいお誘いを受け
お言葉に甘えて彼らと共に行動させてもらうことに
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181016_307_China_Kanding_c.jpg)
さらに彼らが同じバスで一人旅をしていた
中国人男子もうひとりと女子一人を仲間に引き入れて
合計5人のグループで行動することになりました
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181017_China_DaochengYading_c.jpg)
中国国内で中国人を味方につければ鬼に金棒
というわけで
はじめはどうなることかと思っていた稲城亜丁の旅は
とてもスムーズで快適かつ楽しい旅になりました
ちなみに稲城亜丁風景区は想像以上に広大で
観光には最低2日は必要らしく
結局、成都からの移動日も含めて3泊4日の行程に
稲城亜丁風景区は
稲城のバスターミナルから実は約70kmも離れているので
宿泊は風景区に近い香格里拉(シャングリラ)村か亜丁(ヤーディン)村が便利
だたし、亜丁村は風景区内に位置するためか値段も少々お高め
なので香格里拉村がおすすめ
移動はバスもありますが
効率よく周るには、ここはタクシーチャーターが便利
わたしたちはたまたま現地で知り合ったタクシードライバーが民宿業も営んでいて
2泊3日の送迎費+素泊まり費で一人200元(約3300円)で交渉成立
実に安く上げられました
一人だったら倍以上はしたかもなので
かなりラッキーでした
トレッキング1日目:ビジターセンター~冲古寺(チョングース)まで
そうして、稲城亜丁第一日目
朝8時に出発し、8時半には稲城亜丁風景区に到着
すでに道路には車やバスが長蛇の列で
おびただしい客が押し寄せていました
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_000_China_DaochengYading_c.jpg)
人の流れに乗って亜丁遊客中心、いわゆるビジターセンターへ向かいます
巨大な建物が切符売り場になってます
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_001_China_DaochengYading_c.jpg)
チケット買うのも長蛇の列
必要なものは身分証(パスポート)と入場料210元+専用シャトルバス往復送迎60元=合計270元(約4400円)
結構高い
ディズニーに比べたら全然安いけど
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_003_China_DaochengYading_c.jpg)
これは二日間有効フリーパス
無くしたら買い直しなので絶対失くさないように
しかし、第2日目は入場料はタダだけど
専用シャトルバス送迎代60元だけは払うシステムになっている
なかなかあざとい
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_004_China_DaochengYading_c.jpg)
チケットを無事購入し、
だいぶ離れた専用シャトルバス乗り場へ向かう
橋の袂には稲城亜丁のマスコットキャラがお出迎え
なかなかかわいい
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_005_China_DaochengYading_c.jpg)
専用シャトルバス乗り場もまたこの長蛇の列。。。
中国でこの整列用ポール、
13億の人口をさばくには不可欠のアイテム
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_006_China_DaochengYading_c.jpg)
蓮をあしらった亜丁のシンボルマーク
なかなかクール
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_008_China_DaochengYading_c.jpg)
この長蛇の列を監視するのは機関銃を持った軍のお方
日本では見かけない光景にいささか震えるけど
まぁ中国らしい
風景区へより近い位置にある亜丁村へ向かう観光客も一緒なので
大荷物の人も結構いる
とにかくすごい人ではぐれないようにするのが大変
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_009_China_DaochengYading_c.jpg)
1台40名程度しか乗れない専用シャトルバス
この人数をさばくには何十台も何回も回転しなければならない
こんなところも中国スケール
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_010_China_DaochengYading_c.jpg)
40分ぐらい並んでようやく乗車
これから風景区の入口までさらに約50分のバス移動
フクヒくんから「左側に絶対座って!景色がいいから!」と念を押され
全員バラバラに左側の席をゲット
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_011_China_DaochengYading_c.jpg)
たしかにスゴイ絶景がひらすら続く
左の座席で大正解、右は山肌が続いて眺めが悪い
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_012_China_DaochengYading_c.jpg)
風景区からもっとも近い村・亜丁村に到着
ここで宿泊客を降ろしたり
逆に入れ替えで乗せたりする
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_013_China_DaochengYading_c.jpg)
本来的にはこの村の方がアクセスにとても便利
たけど中国人からしてもイチイチ高いようで
しかもこの秋のベストシーズンはどこも予約でいっぱいで宿を探すのは至難の業らしい
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_014_China_DaochengYading_c.jpg)
ようやく亜丁総合服務站、いわゆる総合サービスセンターに到着
(画像ではYou are hereの位置が違います、ゴメンナサイ)
ここにはちょっとした売店やお土産物屋があります
さて、稲城亜丁には2つのルートがあって、
まず1つは最高峰・仙乃日峰を眺めながらの珍珠海(チベット語では卓瑪拉措(ヅォオマラ湖))へハイキング
もう1つは往復約12km(全部徒歩なら20km)標高4,500mの天空の湖「牛奶海(ニウナイハイ)」と「五色海(ウースーハイ)」へのトレッキング
先にどっちを選んでも良いのですが
高度に慣れるためにも往復4km程度で標高も“若干”低めの卓瑪拉措(ヅォオマラ湖)ハイキングを先に選ぶのがおすすめ
なんたって、スタート地点で3,900m
体調次第ではこの時点で高山病発症します
高山病対策は確実にしていきましょう
(わたしはバファリンかロキソニン服用でOK)
なめてかかると絶対泣きを見ます
高山病に一旦かかると、もう降りるしか手段がないのでどうしようもなくなります
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_015_China_DaochengYading_c.jpg)
稲城亜丁は中国人にはメジャーな観光スポット
なんたって中国国家のお墨付き国家4AAAAを取得している景勝地
なので遊歩道もかなり整備されていて歩きやすく
案内板もいたるところに設置されて分かりやすい
まずは卓瑪拉措(ヅォオマラ湖)の途中にある
冲古寺(チョングース)を目指します
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_016_China_DaochengYading_c.jpg)
紅葉シーズン真っ盛り
標高4,000m級は空も近く限りなく澄んで
渓流も清々しくマイナスイオンすごい
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_017_China_DaochengYading_c.jpg)
渓流の岩壁に描かれたチベット密教仏画
こんな流れの速い川の中でどうやって描いたのか…
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_020_China_DaochengYading_c.jpg)
色鮮やかな曼荼羅の神様たちが
川の岩壁のあちらこちらに描かれている
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_025_China_DaochengYading_c.jpg)
遊歩道の脇にも…
実に美しい
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_024_China_DaochengYading_c.jpg)
チベット仏教といえば経文が印刷された五色のタルチョ(正式には「ルンタ」)
そして白く長い布の「カター」
祈りを込め、たくさんの布が木々に巻かれている
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_026_China_DaochengYading_c.jpg)
中国の黄葉は日本の銀杏よりもより黄色が輝いて
まさに黄金
いや、空の青さがそう見させるのか
ちなみに銀杏じゃないです
種類はわからないけど、タワシみたいな葉先をしている
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_021_China_DaochengYading_c.jpg)
稲城亜丁で2番めに高い
標高5,985mの央邁勇(ヤンマイヨン Yang mai yong)が見えてきた!
パキスタンで見たレディーフィンガーに似て
鋭く尖った山頂が特徴
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_028_China_DaochengYading_c.jpg)
しかし、紅葉がキレイ
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_029_China_DaochengYading_c.jpg)
木々にはかわいいリスも現れるよ!
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_037_China_DaochengYading_c.jpg)
冲古寺(チョングース)が右手に見えてきた
スタート地点からちょうど1kmぐらい歩いて
ここが中間地点の冲古寺(チョングース)服務站、いわゆるサービスセンター
たった1kmなのにすでにみんなバテている
標高の高さと空気の薄さでダメージが大きい
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_031_China_DaochengYading_c.jpg)
マントラ(真言)が書かれた石版が山積みに
白や黄色のカターがおびただしく巻かれている
チベット仏教には明るくないけど
東チベットでもかなりの確率でこの石積みを見かける
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_033_China_DaochengYading_c.jpg)
ここは休憩所とトイレ(卫生间)、待ち合わせ場所を兼ねていて
結構広い広場になっている
お手洗いの数は10個ぐらいあるけど
いつも混んでる
トイレットペーパーは持参した方がいい
ちなみに、お手洗いは意外なほどあちこちに設置されているので
あまり心配しなくてもいいかも
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_034_China_DaochengYading_c.jpg)
第2日目の牛奶海(ニウナイハイ)へ徒歩で行く人はこちらを通る
眺めは最高らしいよ
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_035_China_DaochengYading_c.jpg)
卓瑪拉措(ヅォオマラ湖)まであと1km!
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_036_China_DaochengYading_c.jpg)
冲古寺(チョングース)が見えてきた
いかにもチベットの寺院的な白壁に黄金と屋根、朱色の張りが特徴
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_038_China_DaochengYading_c.jpg)
ありがたいお寺でしたが、
今回は時間がなく(あるいは体力的にみんなの興味がなかったので)
スルー
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_039_China_DaochengYading_c.jpg)
突如みんな立ち止まって
「明日のためにここでセルフィー撮っておこう!」といわれる
というのも、
2日間有効パスが事実有効になるには
前日に間違いなく稲城亜丁にいたという
確たる証拠写真を窓口に提出する必要があるのだそうだ
そのために稲城亜丁を象徴するものを背景に入れないといけない
そのわかりやすい例が冲古寺だと
不正を防ぐための苦肉のなのかは不明だけど
そういうシステムなら仕方ない
不慣れで大嫌いな自撮りを撮る
早く顔認証システムを導入して。。。
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_023_China_DaochengYading_c.jpg)
ちょっとブレイクタイム
たかが1km、されど1km
標高4,000mの場所では平地の3分の1ぐらいの酸素量だそうです
ってことは、同じ運動でもそれだけからだに大きな負荷がかかり
ちょっとの動きでもだいぶしんどい
急性高山病にかかる人続出してるので
ゆっくりゆっくり登らないといかんのです
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_041_China_DaochengYading_c.jpg)
中国人の高山病対策は、
高山病用の薬の服用とエナジードリンク「レッドブル」の飲用
さらにブドウ糖など甘いモノの補給
ついでに携帯用酸素スプレー缶を買っている
でもこれは本当に気休めで値段高い割に効かない
から個人的にはあまりおすすめできない
今回はロキソニンとレッドブル飲んでトライしたら
息は切れたけど案外大丈夫だった
レッドブル、侮れんな
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_022_China_DaochengYading_c.jpg)
休憩所は狭いので
あぶれた人はお構いなしに通路の階段に座って休憩とる
まぁ、自由だよね
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_042_China_DaochengYading_c.jpg)
上に行くほどやっぱり黄葉がキレイ
ヤンマイヨンが見える
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_043_China_DaochengYading_c.jpg)
あっちこっちにタルチョやカターが結ばれている
聖域なんだね
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_045_China_DaochengYading_c.jpg)
ヒーハーヒーハー登っている間に
稲城亜丁の最高峰にして
チベット族が神の山として崇める
標高6,032mの雪山・仙乃日(シャンナイリーXian nai ri)が見えてきた!
![中国 稲城亜丁 Daocheng Yading](https://blog.tabinomori.com/wp-content/uploads/2018/12/20181018_044_China_DaochengYading_c.jpg)
この続きは第1日目後編で!
All Photos by Mayumi ※無断転載禁止
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