■ スポット名:クシュヴィ・ラス(Krzywy Las/Crooked Forest)
■ 訪問国地域:ポーランド西部、グリフィノ
■ 移動手段:レンタカー ※文中の料金等は2019年6月現在のものです
昔々、偶然ネットで見かけた不気味な木の画像
それは、一様に木の根元だけがC字型に湾曲したふしぎな木々で、
調べると、それはポーランドの「クシュヴィ・ラス(Krzywy Las)」という森という
というわけで、さっそくウクライナでレンタカーを借りて、立ち寄ってみました!
百聞は一見にしかず、ぜひお楽しみください
<クシュヴィ・ラスの所在地 Krzywy Las(Crooked Forest) Location Map>
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今回のお目当て、「クシュヴィ・ラス(Krzywy Las)」は
ドイツとの国境に面したポーランドの西の果て、
国境の川「オーデル川」河畔に位置する片田舎の小さな村「グリフィノ(Gryfino)」にあります
「クシュヴィ Krzywy」とはポーランド語で“曲がった”とか“歪んだ”を意味し、「ラス Las」は“木”という意味らしい
なので、英語では「Crooked Forest」と訳されています
(ちなみに、Google Mapでは「Crooked Forest」で登録されている)
さて、いよいよグリフィノに到着
まずは、クシュヴィ・ラスの目印となる巨大な発電所を目指します
この発電所が見えたらもう200mほどで目的地です

001 クシュヴィ・ラスの近くにある巨大な発電所 Mayumi
思わず見逃してしまいそうなほど小さな看板
ポーランド語がわからないから余計にスルーしそう

002 クシュヴィ・ラスと書かれた看板 Mayumi
発電所の配管がゲート代わりで、
小さな緑の看板に、たしかに「Krzywy Lasはこちら」の文字が見えますね

003 ぶっとい配管のゲート Mayumi
ちなみに、配管ゲートのお隣は
北欧風のおしゃれ団地(アパート?)が建っていました
発電所関係者の社員寮でしょうか
ここの駐車場借りようかとも思ったけど
とりあえず入口付近にレンタカーを駐めていざ出発

004 こんな町外れに北欧風のおしゃれ団地地 Mayumi
団地の入口前にあったバス停
どうやらバスでも来られるらしい
(でも英語併記がなかったので乗り方がさっぱりわからなかった…)

005 一応、バス停も Mayumi
いよいよ中へ
すると、わたしの前を女性が颯爽と犬を連れて走り去っていった
どうやら地元の人にはお散歩コースらしい

006 犬のお散歩コース Mayumi
入口から100mも歩くと、再び看板が目の前に出現
案内板に従って、左に進みます

007 クシュヴィ・ラスはこちら Mayumi
そこからさらに歩くこと100m、いよいよ念願のクシュヴィ・ラスに到着!
ふと横の看板を見ると、
なんと、監視カメラで監視されてるようです
(結局、どこに監視カメラが設置されているのかは見つけられず…)

008 いよいよクシュヴィ・ラス到着 Mayumi
一応、立派な案内板が立てられていましたが、ポーランド語の解説のみ
1mmも理解できない
英語併記がないなんて、観光地として怠慢だ!

009 ポーランド語のみの案内板 Mayumi
そしていよいよ………
来た~っ!!これが「曲がった木」かーっ!
ネットで見たまんま、むっちゃ、曲がってます!
感動で鳥肌立つ

010 うぉ~!これが念願の曲がった木・クシュヴィ・ラス! Mayumi
ほんとに木の根元からグニャッと曲がっている
しかもこの木のふしぎなところは
この森林公園自体はテニスコート11個分ぐらいあるのですが
そのうち、半径50mほどの小さなエリアに生えている木だけがグニャッと曲がっているのです
さらにミステリーなのは
皆、一様に北の方角を向いて曲がっているのです
そしてキレイな「C」の字を描いて根元から折れ曲がり、再び真っすぐ生えているのです

011 根元からきれいにCの字描いて曲がってる! Mayumi
樹齢を重ねた木がコブだらけになったり
雨風などの影響で幹や枝が歪むことはありますが
こんなに揃いも揃って同じ方向を向いてふしぎな形で折れ曲がっている木は世界でもここぐらいとか

012 異様なかたち Mayumi
この狭いエリアの中のわずか100本程度の松の木だけが同じかたちで曲がっている
とてつもなく異次元で異様な光景
奥とか周囲とかに目を凝らすと、わかりますかね、確かにほかは真っ直ぐなんですよ

013 この限られたエリアだけ根本が曲がってる Mayumi
一説によると、かつては400本近くあったみたいですが、今回は100本もあったかどうか、だいぶ数は減っていました
周りを見回すと、いくつかの木は意図的にカットされたり、地面に折れていたり、あるいは朽ちていたりしてました
謎

014 折られたのか、自然に折れたのか… Mayumi
念のため、周囲を一周してみた
やはり、周りはまっすぐに伸びた、何の変哲もない松林
クシュヴィ・ラスからほんの数十mしか離れていないのに、ミステリー

015 周囲の木々は至って普通 Mayumi
曲がった木には諸説あり、
1つは、今から75年ほど前、第二次世界大戦以前に住んでいた住民が曲がった木材を必要としていたため、若芽のときから人工的に歪曲させた説
要するに、大戦以前は木造船を製造していたため、その弧を描く船底を作るためあえて曲げて育てていたという説なのですが、大戦後はこの村も壊滅的な被害に遭い、当時を知る人は一人もいないらしく、真実は闇…

016 クシュヴィ・ラスの歪曲には諸説あり Mayumi
これはクシュヴィ・ラスの曲がった木の上部
上だけ見ると、やっぱり普通の松林

017 上を見上げれば普通の林 Mayumi
2つ目の説は、厳しい風雪によりねじ曲がってしまった説
海岸線に生える木々は一様に同じ向きで倒れていることが多いですよね
しかし、そうなると木が倒れていてもおかしくないのに、根元だけ曲がってまたまっすぐ生えるという不自然極まりない姿は説明がつかない

018 座ってくださいと言わんばかりのカーブ Mayumi
3つ目の説は、第二次大戦時にドイツ軍の戦車がこの地を踏み荒らし、まだ若芽だった松にダメージを与えてしまった説
戦車の衝撃が、遺伝子レベルで松の木を変種に変えたのか?
それもまた、無理があるような…

019 腰掛けに使える Mayumi
クシュヴィ・ラスの周りを囲むように発電所の巨大な配管が張り巡らされています
これが何かしらの影響を及ぼしているようにも見えますが、かといってこの発電所自体は歴史は浅そうだし…
松の年数を考えると、ちょっと考えにくいですね

020 クシュヴィ・ラスを取り囲む発電所の配管 Mayumi
もう、見れば見るほどふしぎだし、
いればいるほど鳥肌立つというか、変な磁場働いている気がしてゾッとします

021 木全体の曲がった様子 Mayumi
ちなみに、なぜ歴史的に第二次世界大戦がキーになっているかというと、
松の成長速度から逆算すると、この木の大きさになるにはおよそ75年が必要で
そうなると計算では1930年代に植えられたことになり、若芽が育つちょうど7~10年後に大戦が勃発
ドイツと隣合わせのこの地は激戦区になったらしいので、少なからず生育に影響を与えたのではないか、というのが研究者の見立てのようです

022 ナニコレ、ミステリー… Mayumi
結局、未だ謎は解明されぬまま現在に至る
オカルト的に考えたら、この地には何か異次元な磁場が働いているとか、
あるいは、かつてUFOが降りたった衝撃で曲がったとか考えられそうだけど
そんな非科学的な説は浮上しないんですよねぇ

023 謎は未解明のまま Mayumi
訪れたのは午前10時頃
クシュヴィ・ラスを訪れる者は自分以外おらず、
ずっとひとりでわくわくドキドキ興奮しながら写真撮っていたのですが、
いよいよ40分ほどして団体ツアー御一行がやってきて、たちまち賑やかになりました
どうも地元ポーランドの国内旅行シニアツアーのようです

024 地元ツアーらしきシニアの団体登場 Mayumi
みな、一瞬「なんでアジア人ここに?」という怪訝な視線を投げながら、キャッキャウフフと楽しそうに自撮りに夢中

025 シニアの皆様は自撮りに夢中 Mayumi
スマホカメラを向けたら思わず目が合った可愛いおじいちゃん
カメラ目線ではにかむ笑顔を向けてくれました♪

026 一人のおじいちゃんがカメラ目線くれました Mayumi
みなひとしきり自撮りに疲れたのか、ワラワラと座りだす
まぁ、座るのに丁度いい高さと大きさなんですよ……
ホント、木が自らの意志で「座ってください」と促しているような木のカーブ

027 座りたくなる木のカーブ Mayumi
そろそろわたしは退散
というわけで、見納めにもう一枚
見れば見るほど奇妙キテレツ摩訶不思議なナニコレ珍百景。。。

028 改めて見納め Mayumi
よく見ると足元にたくさんの松ぼっくりが落ちていました
念願果たせておおむね満足したものの、訪れたときは日差しが強すぎて露出オーバー気味の写真ばかり
今度は、早朝か午後遅くの日差しが弱いときに訪れたいと思いました

029 道中には松ぼっくりがたくさん落ちていました Mayumi
というわけで
ナニコレ珍百景ならぬ、何これ珍ミステリーな曲がった木の森「クシュビ・ラス」の訪問記でした
お楽しみいただけたら嬉しいです
長々とご高覧、ご清聴たまわりありがとうございました
終わり