旅行記概要
■ 訪問年月日:2013/10/14~2013/10/16
■ スポット名:ウスチュルト台地(Ustyurt Plateau)、ボスジラ(Boszhira)
■ 訪問国地域:カザフスタン、マンギスタウ州 Mangystau, Kazakhstan

※文中の情報は2013年10月現在のものです

 

<ウスチュルト台地の所在地>

 

中央アジア、カスピ海に面した国・カザフスタン

日本人には割と馴染みが薄い国ですが、
飛行機ではソウル経由で7時間程度と、欧米に行くよりも意外と近い

そして、カザフスタンはカスピ海が埋蔵する石油や天然ガスの資源国家なので
実はかなり裕福で、街は高層ビルが立ち並び、道もゴミなくキレイに整備され、治安も比較的安全

とはいえ、広大なカザフスタンはそのほとんどが荒涼とした大地

 

今回訪れたウスチュルト台地はカザフスタン西部にあるマンギスタウ州に位置し、
その拠点は、アルマトイからさらに西へ、カスピ海沿岸の地方都市アクタウにあります

アクタウは小さな田舎まちで、カスピ海で釣りする意外に何もありません
旅行代理店なんてのもないので要注意(2013年現在)

わたしの場合は、アルマトイや首都アスタナ(現ヌルスルタン)に拠点を置く現地旅行代理店にコンタクトを取り、個人ツアーを組んでもらってガイドとアクタウで待ち合わせしました

※ちなみに、現在でも日本からウスチュルト台地を扱っているのは秘境系S遊旅行社ぐらいのよう

 

ウスチュルト台地(カザフスタン)Ustyurt Plateau in Kazakhstan

白亜の大地!ウスチュルト台地

 

ウスチュルト台地の存在を知ったのは、
例にもれず、TBS「世界ふしぎ発見!」

ミステリーハンターが古代テチス海で生まれた圧巻の白亜の大地を紹介していました

それにすっかり魅了され、何としてでも訪れたいと
慣れない海外コンタクトを取りながらツアーをアレンジしてもらい、夢が実現

この地に降り立ったときは感無量でした

 

古代テチス海が海底隆起した白亜の大地

古代テチス海が海底隆起した白亜の大地

 

ウスチュルト台地は、
大陸が一つだったゴンドワナ大陸の時代に生まれた古代テチス海が海底隆起したもの

約5000万年という気が遠くなるような年月をかけて生み出された、米国グランドキャニオンに匹敵する壮大なスケールの大地です

 

石灰石のミルフィーユ地層が広がります

石灰石のミルフィーユ地層が広がります

 

地層の白さの正体はチョークの主原料である石灰石
鉄分を含む茶色やグレーの地層とミルフィーユ状に重なったマーブル模様が特徴です

 

中央にガイドが立っています

中央にガイドが立っています

 

画面に小さく、ガイドが写り込んでいますね

ウスチュルト台地は観光地化が全くされていないので(2013年当時)、手すりや看板など一切ありません

 

実は考古学者の先生のガイドさん

実は考古学者の先生のガイドさん

 

実は今回の個人ツアーのガイドは、カザフスタンで数少ないこの地を研究する考古学者という贅沢なツアー

しかしながら、この先生、学者ながらに英語がさっぱり話せず、コミュニケーションは片言の英語とロシア語のみ

ツアーはこの先生と二人っきりで2泊3日のキャンプ生活…なかなか過酷でした(苦笑)

とはいえ、この先生はかつてNHKの「グレートネイチャー」の特集で撮影協力したらしく、移動中の車内で当時のVTRを誇らしげに見せてくれました(笑)

 

移動は四駆で

移動は四駆で

 

移動はもちろんオフロードに強い四駆

道なき道、カーナビやGPSもないので、先生の長年の知識と経験と勘に頼るという、実にスリリングな体験

でも、ウユニ塩湖でもそんな感じだったから、この地に住む民には外国人にはわからない、独特の目印や体内アンテナがあるんでしょうね

 

カザフスタンの放牧らくだ

カザフスタンの放牧らくだ

 

こちらは麓で放牧されているラクダたち

カザフスタンのラクダたちは、厳寒の冬を越すためか、筋骨隆々で毛並みが超モッフモフ

また、からだには家畜用の識別番号がきちんと刈り込まれてますね

 

 騎馬民族のカザフスタンならではの馬の放牧

騎馬民族のカザフスタンならではの馬の放牧

 

騎馬民族の国・カザフスタンならでは

もちろん馬もたくさん放牧されてます

 

天然のゲルテントのようなかたちのシェルカラ・マウンテン

天然のゲルテントのようなかたちのシェルカラ・マウンテン

 

こちらは「シェルカラ・マウンテン」

まるで天然のゲルテントのような、ふしぎな形をしています

こうしてみると小さく見えますが、実際はかなり巨大なんですよ

 

シェルカラ・マウンテンを下から

シェルカラ・マウンテンを下から

 

シェルカラ・マウンテンの足元にて

近づくと結構な大きさの台座がそびえ立っていました
とてもよじ登れません

 

晴れ間が見えてスケール感が増す

晴れ間が見えてスケール感が増す

 

訪れたときは曇っていたのですが、わずかな瞬間、晴れ間が現れました

スケール感が増して、その壮大さにため息です

 

ウスチュルト台地(カザフスタン)Ustyurt Plateau in Kazakhstan

ウスチュルト台地(カザフスタン)Ustyurt Plateau in Kazakhstan

 

何だか上空から雲の上を眺めているような不思議な感覚

 

真っ白な海を見ているよう…

真っ白な海を見ているよう…

 

真っ白な世界がどこまでも果てしなく続きます

真っ白な海か白砂漠を見ているような、ふしぎな気分

ウユニ塩湖ともちょっと違う、ウスチュルト台地の塩湖の姿です

 

どこまでも白い大地が広がります

どこまでも白い大地が広がります

 

一面の銀世界にも見えますね

実に神々しい…

 

ウスチュルト台地(カザフスタン)Ustyurt Plateau in Kazakhstan

ウスチュルト台地(カザフスタン)Ustyurt Plateau in Kazakhstan

 

茶色の台地も入り混じってます

 

天然の白亜の宮殿のよう

天然の白亜の宮殿のよう

 

侵食された白亜の地層をクローズアップ

何がどうしてこうなったのか、自然界はときに粋なものを造形しますよね

天然の白亜の宮殿のようです

 

果てしなく宮殿が続きます

果てしなく宮殿が続きます

 

引きで見ると、凄すぎてゾクゾクしますね

 

もう言葉が出ません

もう言葉が出ません

 

もう何というか、これまで見たどんな絶景よりもスゴすぎて言葉になりません

地球の神秘にただただ驚愕するばかりです

 

 かつて海底であった証拠を示すサメの歯の化石がたくさん落ちてます

かつて海底であった証拠を示すサメの歯の化石がたくさん落ちてます

 

モニュメントのようなこの奇岩

この周辺では特に、この地がかつて海底であったことを示すサメの歯の化石がたくさん転がっていました

 

何万年も前の古代のサメの化石がいともたやすく手に入る

何万年も前の古代のサメの化石がいともたやすく手に入る

 

何万年、何千年も前の古代サメの歯の化石

あまりにも普通にそのへんに転がっているのでありがたみもだんだん薄れてきます(苦笑)

サメの歯の化石は、地域によってはお守りにされるほど希少価値の高い重要アイテムのはずですが…

ガイドの先生は、「お土産に持って帰っていいよ」とたくさん拾ってくれました

 

白亜の宮殿近くでキャンプできるところを探します

白亜の宮殿近くでキャンプできるところを探します

 

塩湖まで降り立って、今宵のキャンプ泊ができる場所を探します

こんな白亜の宮殿の前で星空キャンプなんて、贅沢というか、スケールでかすぎ

 

宮殿の谷間で野営テント泊

宮殿の谷間で野営テント泊

 

なんともシュールな光景

ひとまず、わたしはテント泊で、ガイドの先生は車中泊
手持ちのバーベキューコンロで調理をしてくれます

「お手洗いは、、、」と尋ねたら「Anyware!(どこでも)」と言われたのが衝撃的

遮るものがほぼ荒野の中、岩場の陰を必死で探しました・汗
(まぁ、先生しか人間はいないのですが…)

 

焚き火用の枯れ草

焚き火用の枯れ草

 

枯れ木や薪などはもちろん落ちていないので
基本燃料はそのへんの枯草

朝晩は冷え込むので、わたしも必死にかき集めました

 

ウスチュルト台地の塩湖「ドズバエル塩湖」

ウスチュルト台地の塩湖「ドズバエル塩湖」

 

食事の前に周辺を散策

ウスチュルト台地に広がる、白亜のドズバエル塩湖

ウユニ塩湖ほどの規模ではないですが、水が張って美しい鏡面が広がります

とはいえ、時期的なものと空が曇っていたので微妙でした…

 

干上がった塩の結晶の湖面

干上がった塩の結晶の湖面

 

ウユニ塩湖のような塩の結晶

ここの岩塩は辛味や渋みがなく、まろやかで甘みがあり、とてもおいしい岩塩でした

 

キツネか何かの死骸

キツネか何かの死骸

 

水が張っていたときに溺れたのか、キツネか何かの小動物が悲しい姿でミイラ化していました

他にもイナゴや虫などが結晶化したような姿で転がっていて、なかなか興味深い光景

しかし、その姿すらどこか神々しいですね……

 

ウスチュルト台地のハイライト「ボスジラ」

ウスチュルト台地のハイライト「ボスジラ」

 

翌日に訪れた、ウスチュルト台地のハイライトとも言える、「ボスジラ」

白亜のモニュメント・バレーのような光景です

 

モニュメント・バレーのような光景

モニュメント・バレーのような光景

 

ここは、ほんとに米国アリゾナ州にある奇岩地帯が真っ白になったような世界が広がります

 

ロッククライミングも可能

ロッククライミングも可能

 

左の岩場は高さ200mぐらいあり、ちょっとした山状態
下から見上げたらその巨大さに舌を巻きました

ここは実はロッククライミングも可能だそうで、欧米客が好きでそうですね

 

ウスチュルト台地のもう一つの目玉「ラウンドロック」

ウスチュルト台地のもう一つの目玉「ラウンドロック」

 

ウスチュルト台地のもう一つの目玉、「ラウンドロック」

驚くほど球体に近い円岩で、大きさは2~3mに近いものもありました

なぜこんなまんまるになるのかは、考古学的にも未だに解明されていないそうです

まるで異世界に紛れ込んだような、異次元な風景に入り込めますよ

 

アンモナイトや貝の化石がそこかしこに

アンモナイトや貝の化石がそこかしこに

 

サメの歯の化石同様、こちらにもそこかしこに見つけられる貝の化石やアンモナイト
岩の切れ目をコンと割ると、アンモナイトが普通に出てくるから驚き
恐ろしく手軽な天然の博物館です…

持ち帰っていいみたいでしたが、こちらはかさばるのでやめました
今思えば、いい土産になったかも知れないですね…

 

何だか美味しそうなローズマウンテン

何だか美味しそうなローズマウンテン

ウスチュルト台地の最後を飾ったのは、「ローズマウンテン」(正式名称不明)

何だか見た目ケーキみたいで美味しそう
これも結構でかいんですけどね…

 

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というわけで、
カザフスタンの秘境「ウスチュルト台地」訪問記でした

ウスチュルト台地は、実はウズベキスタンとトルクメニスタンの国境にまたがっており、それぞれの国からアプローチできるようです(国境は越えられませんが)

ウズベキスタン側には訪問できたので(2018年当時)またいつか紹介します

最後までご覧いただきありがとうございました

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