(公開日2024/12/18)

仕事、生活、人間関係……忙しない日々を送るなかで、将来の不安や焦り、悩みの種はそうそう尽きないもの。コロナ禍が明けてもなお、こころに不調を抱える人が増えている現状です。
そうした現代のストレス社会において今、「マインドフルネス」という考え方が注目されているのをご存じですか?
今回は、そのマインドフルネスを取り入れた特別な体験プランを提供するOtonamiと京都の古刹・実相院での取り組みをご紹介します。
<京都実相院門跡でのオフショットご紹介>
本編では紹介できなかった京都実相院門跡でのオフショットをご紹介します

実相院門跡の正門を抜けた入口近くの風景
風情がありますよね

Otonamiの体験では、通常は立入禁止の書院で行座体験と喫茶体験ができます
書院ではこんな感じで座布団が敷かれて、行座(いわゆる座禅)体験を行います
※実相院は天台宗由来で禅寺ではないため、“座禅”とはあえて言わず、“行座”と呼ぶのだそうです

その書院から眺める中庭の山水庭園
額縁効果で天然の屏風絵みたいになってます
実に美しい

まずは喫茶(茶道)体験
とはいえ、かなりラフなスタイルだったので、茶道の心得が無くても大丈夫でした(ホッ)
表千家を師事されている門主
強い茶道愛ゆえに、流派の違いを参加者にどうしても知って欲しいのだそうです
所作とか道具とか、いろいろ違いを教えてもらいました
へぇ~という感じ

実相院御用達の和菓子屋さん「紫野源水(むらさきのげんすい)」が、このためにこしらえた「初雪」という和菓子
初雪の粉雪に見立てて白の餡を散らした上品な和菓子なのですが、
上品過ぎて、正直、若干食べにくかった印象(苦笑)
味はもちろん美味しいです

門主の指導により、足を組んで姿勢を伸ばし、目を閉じて深く深呼吸し、呼吸することだけに集中します
今回は15回数えて終了
なかなか新鮮な体験でした

手のひらサイズの小さな小さなお釈迦様
立て膝をついて座るのは、仏教では如意輪観音が有名なので、このスタイルの釈迦像は本当に珍しいそうです(いくら調べても出てこなかった)
宝物台帳に描かれているだけで、誰が作ったとかどんな素材で作られたとかも一切分からないそう
そんな貴重な釈迦像を門主は結構大胆に素手で触ってました(笑)

中庭にある山水庭園
もう一つの石庭と違ってこちらは野趣あふれるスタイル
紅葉が見事

こちらは、いわゆる枯山水の石庭「こころの庭」
外国人観光客が一生懸命写真撮っていたのが印象的
美しいと思う心は国も言葉も越えますよねぇ

こころの庭には縁側や桟敷席も用意されているので、(座布団が空いていたら)のんびり鑑賞できます
実相院は小さな寺院なので見られる範囲は少ないですが、一つ一つが美しいので見ごたえ充分でした
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実相院は檀家を持たない門跡寺院だそうです
檀家を持たない、ということは拝観料やご祈祷、お守りや御朱印などの販売で運営費を賄うしかないとか
それがコロナ禍で一気に観光客が断たれ、窮地に陥ったと、クラウドファンディングのページで知りました
珍しい寺宝も素晴らしい襖絵の数々も、修復費用が莫大なため、そうそう表に出したり、修復に出したりできないそうです
すばらしい文化財が永続的に受け継がれるためにも、今回のOtonamiの取り組みがその一助になればいいなぁと、改めて思いました
紅葉は終わっちゃいましたが、冬は冬で、雪が降れば「床銀華」が楽しめるそうです
ぜひ、京都旅行の際には、洛北の実相院にも足を運んでみてください
おしまい
<All Photos by Mayumi>
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