(公開日2016/06/21)
※Compathyサイト閉鎖に伴い、同サイトに寄稿した記事を転載したものです
こんにちは、Compathy MagazineライターのMayumiです。
荒波や川の流れにもまれて丸みをおびたガラス玉や石ころ……。
その姿は、思わずお土産に持ち帰りたくなるほどかわいらしいですよね。
しかし、その丸石が1m超ともなると、もはやかわいいを通り越して異次元から送り込まれたもののように見えてきます。
今回はニュージーランドにある、そんなミステリーな奇岩たちをご紹介します。
ニュージーランド南島にある「モエラキ・ボールダーズ」
ニュージーランド南島の中心都市クライストチャーチから南へさらに約290㎞、
太平洋岸に面した小さな街がモエラキ(Moeraki)です。
閑静なビーチの波打ち際を何気なく見渡すと、そこには明らかに異質な物体が横たわっています。
それが、巨大な球体状の奇岩群「モエラキ・ボールダーズ(Moeraki Boulders)」です。
岩は小さいもので直径およそ50cm、大きいものは2mを上回るものもあり、重さは数トンといいます。
雪見だいふくのような丸いシルエットのものもあれば、長い年月に寄る浸食で激しく崩れているものもあります。
また一方で、真珠の核のように今まさに丸い石が生まれている様子もうかがえます。
なぜこんなにも丸くなったのか~その1・科学的根拠
なぜ、このような円い球体状の奇岩が形成されたのか。
科学者たちの研究によれば、約6,500万年前に形成された亀甲石凝固説が有力視されています。
つまり、真珠の形成と似ていて、貝殻などの炭酸カルシムが核となり、400万年の時をかけて大きな球体状の丸石に成長します。さらに約1,500万年前の海底隆起で地上の砂浜に打ち上げられ、やがて風雨にさらされ浸食されると、泥の柔らかい部分だけが洗い流されて固い部分だけが残り、今のかたちに至ると仕組みです。
なぜこんなにも丸くなったのか~その2・マオリ伝説
次の説は、ニュージーランドの原住民マオリが残す古い伝説です。
その伝説によると、約1,000年前にニュージーランド沿岸で大型カヌー船アライテウル号が座礁。その際、“ヒョウタン型のウナギを入れる篭”が波で打ち寄せられ、石化したのだと考えられています。
さらにマオリは、モエラキから南に位置するシャング・ポイントまでの岩礁のかたちは、その沈没船が石化したものとも考えています。
科学に基づく理由と夢のある伝説、どちらを信じるかはあなた次第ですが、いずれにしても、この異質で異次元な光景は疑いようがありません。
異世界感漂うベストショットを狙うなら
上記画像のような異世界感漂う美しいショットを収めたければ、やはり早朝の朝焼けか日没直前の夕暮れ時を狙うのがベスト。
宇宙人が現れてもおかしくない、ゾクゾクするような異次元な光景です。
ただし、満潮時には海の底に沈んでしまうため、干潮時をねらって訪れましょう。
おわりに
実はニュージーランド南島にはこのモエラキ以外にも球体奇岩のスポットが2ヵ所存在します。
それがオークランド郊外にあるコウツ(Koutu)とカティキ(Katiki)。
それらは、モエラキほど世間からは知られていないものの、モエラキよりも大きな丸い奇岩があったり個性的な奇岩があったりと、知る人ぞ知るスポットとなっています。
ニュージーランドはどちらかというとアウトドアや自然美、緑が美しい牧歌的な風景に目が行きがちですが、世界で類を見ないこの異次元な奇岩絶景もぜひ訪れてみてはいかがですか。
<All Photos other than flickr images by Mayumi>
<関連記事>