(公開日2017/08/23)
※Compathyサイト閉鎖に伴い、同サイトに寄稿した記事を転載したものです
こんにちは、Compathy MagazineライターのMayumiです。
“フィヨルド”と聞くと、まずノルウェーを思い出しますよね。氷河の浸食によって複雑に入り組んだ断崖の入り江は、実は南半球のニュージーランドでもお目にかかることができるんです。
今回はそんなニュージーランドの美しいフィヨルドを映し出す、明鏡止水の小さな湖「ミラーレイク」についてご紹介します。
ミルフォードサウンドとは
ニュージーランド南島南西部、世界遺産テ・ワヒポウナムの一部である「フィヨルドランド国立公園」。国立公園内に存在する大小14のフィヨルドのうち、最大とされるのが「ミルフォードサウンド」です。
年間降水量6,000mmを超える豊富な水量から繰り出される、最大落差1,000mもの壮大な滝。それらと1,200m以上の切り立ったフィヨルドが織りなす絶景に魅せられ、一日に何千人もの観光客が足を運んでいます。
ミルフォードサウンドの隠れた名所「ミラーレイク」
南部の町テアナウとミルフォードサウンドを結ぶミルフォード・ハイウェイ(テアナウ・ロード)。そこには実は隠れた名所が存在します。
それが「ミラーレイク(Mirror Lake)」。
“ミラー=鏡”という言葉通り、明鏡止水の澄み切った湖面に雪山がくっきりと映し出され、まさに絵ハガキのような光景です。
ミラーレイクのもう1つの楽しみは、湖に設置されたこの看板。
湖面に映ってはじめて「Mirror Lake(ミラーレイク)」と正しく読めよう、逆さ文字にして置かれています。
ユーモアセンスあふれる粋な仕掛けにほっこりしますね。
明鏡止水のごとき澄み切った静謐な湖
明鏡止水の湖の真骨頂はこの湖の中にもあります。
湖底で眠る倒木らが、まるでそこにあるかのごとくくっきりと見えるのです。
この恐ろしいほどの透明度!14,000年という悠久の年月をかけて氷河が生み出した雪解け水から成るこの芸術、すばらしいですね。
中国四川省の九塞溝や北海道の神の子池、青森の青池などでも同じ現象を見ることができますが、ここもまた実に幻想的な世界です。
ベストショットを狙うなら
美しい鏡面の姿を写真に収めたい場合は、次の条件が必要になります。
まずは晴天、次に無風。ちょっとでも波が立つと湖面が歪んで美しい鏡面とはなりません。哀しい事実ですが、実は年間3分の2も雨が降るというこの地域。天を味方に付けなければなりません。
またなるべく早朝の方が光の反射(リフレクション)も少なくておすすめです。
おわりに
ニュージーランドは温かい国のイメージがありますが、実はこうしたフィヨルドのほかに、タスマン氷河やフォックス氷河、フランツジョセフ氷河など数多くの氷河が存在し、観光客は気軽に氷河トレッキングやボートクルーズを楽しむことができます。
氷河というと極寒の北極圏の国まで行く必要にあると勘違いされますが、より気軽に氷河を楽しめるニュージーランドへぜひ足を運んでみてください!
もちろん、運が良ければオーロラも見ることができますよ!
湖底には、なぜか腐らない倒木がいくつも沈んでます
これを見て思ったのが、
この雰囲気に似た場所は世界中にあるな、ということ
思いつくだけで
中国四川省の「九寨溝」
クロアチアの「プリトヴィツェ湖群国立公園」
北海道の「神の子池」
秋田県の「青池(十二湖)」
山形県の「丸池様」
など
もちろんもっとあると思いますが
とにもかくにも、美しい湖や池を眺めていると
心があらわれるというか
心の澱(おり)が溶かされて浄化されるような、
ふしぎな気分になるんですよね
ミラーレイク、おすすめです
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