【訪問場所 Visited Site】ジープ島 JEEP Island, Chuuk, Micronesia
※文中の情報は2016年4月現在のものです
かつてフジテレビ系特集「世界の絶景100選」の頂点に選ばれた、ミクロネシアの孤島「ジープ島」
徒歩3分で回れるほどの極小の島は、津波や台風から守られた、直径60㎞に及ぶトラック(チューク)環礁内に位置します
美しいハウスリーフに囲まれ、海ではシュノーケリングやダイビング三昧、沈船ウォッチング、陸ではハンモックに揺られながらのんびり読書や昼寝、夜は星空ベッドで天の川と流れ星を眺めながらさざ波をBGMに眠りにつくという、現代社会が忘れがちな「何もない贅沢」を味わえる斬新な旅が体験できます
所在地 Location Map
いざ、ジープ島へ
当時は、たまたまグアムで友人の結婚式があった関係で、グアムからジープ島へ直行
ユナイテッド航空でわずか1時間半、あっという間にミクロネシア連邦のチューク国際空港に到着
チュークのイミグレは、田舎の空港にありがちな驚くほど簡素でアナログな入国審査で、
審査官が一人ひとり、それはゆっくりと入国審査が行われる
そして、入国の際にはパスポートとともに帰りのチケット(写し、携帯画面でも可)の提示も必要なので、あらかじめ手元に持っておく必要があります
バゲッジクレーム、というか単なる荷物置き場から荷物を受け取ると、到着ゲートで依頼済みのツアースタッフによるお出迎えがありました
チュークの町並みは、南の島にありがちな、実に素朴で質素
道はずっと工事中らしく(チュークの人たちはとにかく働かないので工期が遅れている)、ほとんど未舗装の激しい悪路
車に揺られること30分、拠点となるBlue Lagoon Resort(ブルー・ラグーン・リゾート)に到着
ここにはジープ島ツアーデスクが併設されています
ジープ島の管理者である吉田さんと合流し、そこで水着に着替えて、本日のランチを港で購入し、早速ボートへ
港から30分ほどかかるそうです
かなり揺れるので酔いやすい人は要注意
運が良ければ、途中、イルカの群れに出会えるらしい
空は青く澄んで、海はどこまでもキラキラ輝いていました
ボートに揺られること30分、いよいよジープ島が見えてきました!
絵に書いたような小さな無人島!
トム・ソーヤーの冒険とか未来少年コナンを彷彿とさせますね!
フジテレビの「世界の絶景100選」のNo1に選ばれていたジープ島
それ以来、ずっと夢見ていた島にとうとう上陸します!
ジープ島の周囲は浅瀬なので離れたところにボートを接岸
濡れながら、荷物を抱えて入島します
ワンちゃんがお出迎え
徒歩3分で周りきれるという、小さな小さなジープ島
持ち主である現地の方から見込まれ、管理を任されて以来、
日本人の吉田さんが手塩にかけて育てたヤシの木たちとサンゴ礁のハウスリーフ
島にはすべて手作りの大小の宿泊小屋が2棟、日本人ガイドインストラクターの寝泊まりする小屋、そして現地人の雇われスタッフの家族が住む小屋の計4棟が存在します
それと、共用ダイニングと水洗洋式トイレ1個(←最近できた)、からだを洗うための小屋がそれぞれある程度
元は何もなかった小さな無人島
よくこれだけ整えたなぁと感心します
ビーチベッドは好きな時に自由に使えます
何だったら、ブランケットや敷布団を部屋から持ち出しても平気
サンゴ礁の欠片で埋め尽くされたビーチ
素足で歩くには痛いので、ビーチサンダルが必携です
サンゴ礁でできたこの島は水はけがいいため、蚊が発生しないそうです
蚊で煩わされない生活は嬉しいですね!
ただし、こんな絶海の孤島にまでヤツ(G)は出ました…(泣)
なんて生命力強い生き物なんだ…
サンゴ礁で造られた島の石垣
すべて手作り、すごいですねぇ
石垣の隙間にはおびただしい数のカニが棲んでいます
彼らは食糧ではなく、れっきとしたこの島の住人です
右手の白い大きな入れ物が雨水を貯める貯水タンク
ジープ島はチューク環礁に囲まれているため、台風や津波の危険は少ないのですが、スコールだけは割とよく頻繁に発生
なので、その雨水を貯めて、生活用水はこれですべてまかないます
基本、シャワーや洗濯、炊事、水洗トイレはすべて雨水使用
ただし、飲料水と調理用の水だけはチュークから運んできたミネラルウォーターを使用します
共用ダイニング兼リビング
フリードリンクも用意され、管理者吉田さんの著書も置かれています
シュノーケリングやダイビングはツアー代とは別途必要
機材を持参すれば、島の周辺のハウスリーフをシュノーケリングするだけならタダですが、少し離れた沈船ウォッチング、キミシマ環礁ダイブ、イルカウォッチングなどは別料金
ウェットスーツ、マスク、フィンなどの機材もレンタル可能
レンタルやアクティビティは当日判断でOKなので、事前申込みは不要
シュノーケリングは人生で2度目(はじめては御蔵島のドルフィンスイム)
まだまだ慣れないので、日本人インストラクターの柴崎さんから手取り足取り丁寧に教えてもらいました
島内にはハンモックが2つ吊るされています
優雅な島生活の象徴って感じでイイですよね
午前はひとしきり泳いで、午後はのんびりハンモックに揺られながら読書や音楽環礁、昼寝…
夜は満天の星空を見上げながらハンモックで寝たりしました
毎日一人バケツ一杯分、雨水が支給されます
これで水着などの洗濯、シャンプー、からだ洗いのすべてをこなさなければなりません
はじめは「え?!」と動揺しますが、意外とすぐにこなせるようになります
人間は順応する生き物
今まで無駄に水を垂れ流していたことに気付かされますね
ジープ島には基本的に電気がないので、日が暮れる前に洗濯等行います
ちなみに、洗剤は環境汚染防止のため、植物由来を使用するルール
もちろん、日焼け止め等も同様です
空気が乾燥しているので、洗ってす干しておけばすぐにカラッカラに乾きます
ちなみに、電気は自家発電で賄っていますが、基本的に日が暮れる18時頃~22時頃まで使用可(カメラやPC等の充電のみ)
時間は厳密ではなくて、電源のON/OFF管理は現地スタッフの体内時計にかかっています(彼らは時計を使わない)
ジープ島の住人、ジープ君
とても人懐っこい犬で、アグレッシブに泳ぎます ※2015年現在、この後亡くなったそうです
島の住人・ビキニちゃん
ただ、ビキニちゃんはわたしの滞在期間中、病気で亡くなってしまいました…
海で暮らした犬らしく、海へ葬ってあげたそうです
その後、新たなビキニちゃんを迎えたとのことでした
ジープ島では、先代が亡くなれば、新たなジープくんとビキニちゃんを迎え入れることになっているようです
そして衝撃なのは、チュークの現地人は犬を食べる習慣があるらしく、通常はかわいがってる犬でも、弱ったり死んでしまうと食べてしまうそう
なので、ビキニちゃんが亡くなったときも虎視眈々と狙われていて、早々に葬ったとおっしゃっていました
島の住人・やどかり
ヤドカリと言うには結構でかい
ヤシガニに近い
人間が寝静まると、夜大量に湧き出てきます
トイレ行く時に地面をたくさん動いてて一瞬ビビる
ここはジープ島から少し離れた竹島(太平洋戦争の名残で日本名!)
島の人たちにとって、この島は栄養を補給する大事な天然の食料庫
陸ではパンノキ、タロイモ、野生のパイナップル、バナナ、キャッサバ、ココナッツなどが豊富に実り、
海では豊富に魚がいる(時にはウミガメも食べる)
食べたい時に食べる分だけ自然の恵みをいただく
人は空腹の心配がなくなると物欲が減っていくそうです
なので、食糧に困ることがないチュークの人たちは、地位や名誉、物欲にも乏しく、盗みなどの犯罪も少ないそう
また、のんびりしているので労働意欲や争い事も少ないそうです
高級デジカメもスマホもノートパソコンも彼らにとっては無関心
ただし、USドルの現金だけは気をつけて、といつもガイドに預けていました
なんでも、お酒が好きなので現金を手にするとつい買いに行ってしまうそうです
ジープ島は異国にあって、日本人だけが訪れることができる、世界でも珍しい島
客が日本人だけなので、もてなす料理は基本日本のメニュー、味付けにされています
作るのは現地スタッフですが、そのように調理スキルを訓練したそうです
こんな遠い異国の絶海の孤島で、3食ほとんど日本食メニュー
これは嬉しいサービスですね
ちなみに、到着した当日の夕飯はハンバークと日本のカレーライス
ハンバーグには「Welcome」のケチャップ文字が!
洋食屋さんのハンバーグとりんごとハチミツが恋をした純和風のカレーライス
お米はさすがに現地の米ですが、炊き方なのか、美味しいです
ちなみに、調理する現地スタッフの家族は日本のメニューには全く興味がないそうです
次の日の夕飯には、照焼チキンと中華春雨の惣菜、マカロニサラダなどが登場
ホント、どれも本格的な日本のメニューで美味しいんです!
3日目には、なんと、ふりかけ入のおむすびとそうめんが出ました
ここまで来るとホント日本ですね
夜が更けて、消灯22時を回った頃、宿泊客はワラワラとビーチに移動
ビーチベッドとブランケットを持ち込んで、星空の下で眠るのはジープ島の風物詩
実に贅沢…
海のさざ波をBGMに、空には360度満天星のプラネタリウム、プライスレスの体験ですね
しかし、突如スコールが発生することもあるので注意が必要
光害とは無縁のジープ島では、肉眼でも天の川がくっきり、南十字星も北斗七星もオリオン座もはっきり見えました
あいにく三脚忘れたのでこれが限界
月明りが波間を照らして、これまたロマンチックなんです
そして夜明け
日の出の光景が幻想的
スコールが頻繁に発生するジープ島
雨上がりは運が良ければダブルレインボー、更に運が良ければトリプルレインボーが見られるそうですよ!
この光景、「世界の絶景100選」に登場していましたね!
続いて、沈船ウォッチング
旧日本軍がチュークを植民地化していた太平洋戦争時代、
アメリカ軍に追われた旧日本軍は、保有していた船という船をすべて沈めてしまったそうです
なので、沈船の多くは撃墜されたわけではなく、意図的に沈められたもの
映画『タイタニック』の撮影で使用された富士川丸もその一つ
沈船は、シュノーケリングレベルで見られるものとダイビングでしか見られないものがあり、これはシュノーケリングで見られる比較的浅瀬の沈船
(事情が違うけど、)タイタニックのテーマが流れてきそう
これは水深4mぐらいのスポット
わたしはまだまだ潜れなくてプカプカ上で見ているだけでしたが、
インストラクターの方や泳ぎが得意な方たちは深く潜って水中カメラで撮影していました
いいなぁ
これは、ジープ島周辺のハウスリーフの様子
魚の大群が泳いでいます
驚くほど透明度の高い海で、光に反射して銀や青にきらめく魚たちは本当に息をのむ美しさでした
ちなみに、ジープ島を訪れるダイバーに人気なのはキミシマ環礁
ダイバー垂涎の憧れの地らしく、その透明度は80mを超すとか
これは別の場所に遺された沈船
船の形がきれいに残っているため、撃墜ではなくやはり意図的沈められたのだろうとのことでした
ダイビングだと船の中まで入れるのでもっと楽しめます
これは、水深約7mの海底に沈む太平洋戦争時代の日本の戦闘機ゼロ戦
分かりにくいですが仰向けに沈んでいます
これも割ときれいな形で沈んでいるので、おそらく製造不良か何かの理由で沈められたのではないか、といわれているそう
泳ぎの上手い人は素潜りでかなり接近して撮影していました
羨ましい…
深海との境界線
吸いこまれそうな青で、逆に怖くなりました
ハウスリーフの中でも、サメやウミガメ、タコ、魚の大群、熱帯魚などさまざまな海洋生物を見ることができます
ちなみに、ジープ島から少し離れたところにイルカの群生地があり、午後の方は遭遇しやすいそうですよ
左手は小魚の大群、右下の岩と岩の間にサメがいます
最後はサメの群れ
彼らは普段はおとなしいので襲ってきません
正直、ジープ島に来るまでは海の世界についてはさほど興味がなかったのですが
このシュノーケリングの体験を機に、離島に行くとたいてい体験するようになりました
海の世界は奥が深い……
「何もない贅沢」、人間として豊かな時間が過ごせた3泊4日の滞在でした。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
終わり