(公開日2017/02/09)
※Compathyサイト閉鎖に伴い、同サイトに寄稿した記事を転載したものです
こんにちは、Compathy MagazineライターのMayumiです。
ふと空を見上げると、見たこともないほどふしぎなかたちをした雲に出会ったことはありませんか?
最近では、地震の前触れ、嵐の予兆、気候変動や温暖化の影響など諸説あって、そのメカニズムの多くは未解明のものが少なくありません。今回は、そんな中でも「幻の巨大ロール雲」と呼ばれるオーストラリアの「モーニング・グローリー」をご紹介します。
モーニング・グローリーとは
「モーニング・グローリー(Morning Glory Cloud)」とは巨大なロール状の雲のことで、その長さは最大約1,000km、幅は1kmにも及び、一般的には高度1km上空を最大時速60kmのスピードで移動します。
巨大雲は、進行方向前面で強い上昇気流が発生、さらに後方では下降気流が発生するため、それによって激しく旋回しながら北から南へ移動するのが特徴です。
どこで見られるのか
世界の至るところで観測されているモーニング・グローリーの巨大雲。
なかでもオーストラリアのノーザンテリトリーにあるバークタウンという小さな田舎町は世界でもっとも多く観測され、巨大雲の気流に乗りたいグライダーの憧れの聖地となっています。
そのため、モーニング・グローリーの季節になると世界中からグライダーがバークタウンに詰め掛けます。
いつ発生するのか
バークタウンでは、例年9月から11月初旬までがシーズンで、発生前夜に北東からの湿った海風が強く吹き、かつ湿度が高まった晴れの日の早朝に発生しやすいと言われています。
さらに言えば、週の半ばから週末までの間が比較的発生しやすいとも言われています。巨大雲は時に2~3本、あるいはそれ以上同時に発生することもあります。
頭上にかなり近い上空を轟音を立てながら旋回するモーニング・グローリー。その迫力は想像を絶します。
巨大雲に吸い込まれそうな恐怖感とワクワク感。心震える感動とはこのことかと、ただただ言葉を失ってたたずんでしまいました。
自然は時に、粋な天体ショーを披露してくれます。
おわりに
シーズン中でも、モーニング・グローリーに遭遇できる確率はきわめて低いと言われています。まさに時の運。幻の雲といわれるゆえんです。
このために、ケアンズから遠く離れた片田舎のバークタウンへ訪れるのはなかなか骨が折れますが、それに代えても、死ぬまでに一度はみたいほど、一見の価値があります。
オーストラリアといえばエアーズロックやグレートバリアリーフなどが注目されがちですが、たまにはこんな超自然現象を追い求める旅もいかがでしょうか。
モーニング・グローリーは
9月から10月のある一定の条件がそろった時にしか現れない、奇跡の雲の現象です
それがよく発生する町として有名なオーストラリアのバークタウン
クイーンズランド州の最果てで、まさに辺境、超がつく“ド”田舎でした
わたしに与えられた時間はわずか5日間
宿泊したキャラバンパークのご主人から
「あなたみたいに、モーニング・グローリー目当てで来た日本人の男の子がいたけど
3週間泊まって見れたのは1回だけだったわよ」と言われ、唖然としました
3週間居てたったの1回・・・わたしは5日間しかないのに
果たしてミラクルは起こるのか??
モーニググローリーは早朝から発生するので毎朝5時半起きで
6時には、遮るもののない荒涼とした平原に車を停めて待機
1日目 ×
2日目 ×
3日目 ×
4日目 ×
翌日を最終日に迎えた最後の夜で
たまたま宿で知り合ったグライダーオーナーのご夫妻から
「モーニング・グローリーは週末の木曜日以降に現れることが多いのよ
明日は予報では北東の風が吹くし、湿度も高いから出現率高いわよ!」
と励まされ、高まる期待とともに就寝
5日目の最終日の朝
早朝6時からじっと荒野に車を留めて待機していると
空の彼方にうっすら棒状の塊がポツポツ現れ
ジーっと目を凝らして見ていたらその塊が
どんどんどんどん、一本の巨大な棒の塊になって渦を巻きはじめたのが見えて、全身鳥肌!
誰も見ていないのをいいことに、
巨大なガッツポーズで「ヤッター!」の雄たけびを上げました!
彼方に見えた一本の棒状の雲はだんだんを巨大化してきて
棒状の嵐がじわじわと迫ってくる感覚
気づくと自分の頭上を、ものすごい轟音とともに通過して、あっという間に南下
ふと辺りを見回すと、周りにポツポツと人が出てきていて
近くにいた見知らぬ欧米系の女の子と偶然目が合い、互いに「ヤッタネ!」と親指を立ててたたえ合いました
宿に帰ったら宿のおばちゃんが、
「あなたラッキーだったわね、大きいのが出たわね」と声をかけてくれました
基本的に感情の起伏が少ない方ですが、
THE WAVEの抽選が当たったときと同じぐらいに大興奮した一日でした
終わり
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