■ スポット名:トロルトゥンガ(トロルの舌)(Trolltunga/ the tongue of Troll)
■ 訪問国地域:ノルウェー、オッダ Odda, Norway ※文中の情報は2016年9月現在のものです
<トロルトゥンガ(トロルの舌)の所在地>
約700mの高さの断崖絶壁から突き出た岩盤が、まるでノルウェーの伝説の妖精トロルの舌のように見えることから、この名がついています
あまりの高さに気絶しそうなほどの恐怖ですが、それ以上に絶景フィヨルドで心が震えます!
ノルウェー南西部にあるハダンゲルフィヨルド
そこには、「世界一怖ろしい高所」の一つ、「トロルトゥンガ」、通称「トロルの舌」があります
トロルの舌へは本格的なトレッキングをしなければなりません
その拠点となるのが地方都市Odda(オッダ)
オッダから約13km離れた、「Skjeggedal(シェッゲダル)」が登山口になります
ノルウェーはベルゲン入りからスタート
レンタカーを借りてまずはオッダへ向かい、翌朝、夜明け前の朝6時にはホテルを出発して登山口には6時半過ぎに到着しました
それほど広くない駐車場はすぐ埋まってしまうという噂を聞いていたので気合い入れて来ましたが、シーズンオフだったからか、朝イチだったからか、思った以上に車はまばら
駐車場はもちろん有料
朝早いのでビジターセンターみたいなのは閉まっていますが、
案内板近くに機械にて料金を支払います
北欧は特にキャッシュレス決済が基本なので、クレジットカード払い
半日で20ユーロ(約2,600円)
さすが世界一物価の高いノルウェー、日本のタイムズだって1日最大1800円ぐらいだよなぁ
ウォーミングアップして朝7時には出発
過去のトロルの舌トレッキングレポートによると、
スタートラインにあるスカイラダー、つまり登山用の階段がほぼ垂直でやたら長く、ここが一番の難所と書かれていたのですが、
工事中だったのか何なのか、なぜかこのときは閉鎖されていました
そんなわけで迂回ルートの登山道に向かいます
迂回ルートは普通の登山道で、はじめの30分ほどは急勾配の岩場の坂が延々と続きます
ここでだいぶ体力奪われますね
その30分を乗り越えると、あとは比較的平坦な登山道となります
ここまで来れば、もうあとはもう体力勝負
トロルの舌トレッキングは、片道11㎞、標準時間は往復8~11時間
なので、朝10時前には出発しなければならない厳格なルールがあります
ノルウェーは夜が長いので(20時半ぐらいまで明るい)油断しがちですが、薄暗くなると山では一気に方向感覚失うので危険
ここは標高およそ1,000m
標高自体は思ったほど高くないのですが、いかんせんフィヨルドの上なので、汗が引くと一気にからだが冷えます
防寒対策は重要です
日本の登山道にある道標のピンクテープ(ピンテ)に代わる目印が、この岩に書かれた赤字の「T」文字
あと、ときどきケルン(石積み)が置かれています
ひたすらこれを探して歩き続ければいいのですが、案外分かりにくいところにあったりして見失いがち
見逃した瞬間、遭難のリスクを感じてヒヤっとします
それで何度引き返したことか…
人の少ない時間帯のソロ登山は特に慎重を期します
ちなみに、当然携帯の電波はつながらないのでオフラインマップを持っていきましたが、
当時はまだGPSの精度が悪くてほとんど当てになりませんでした(涙)
ガーミンとか本格的な登山用無線持ってる人は安心ですね
1㎞ごとに置かれた標識
左下のぶきみなキャラクターは妖精トロル
これで現在地を把握できます
9月はちょうど紅葉のシーズン
ちなみに、ベストシーズンは6月中旬から9月中旬までで、9月下旬以降は積雪がはじまり、原則入山禁止となります
(でもガイド付きなら冬登山ツアーあった気がしますが)
早朝からスタートしたせいか、登山客がほんとにまばら
たまに見かける登山客は、わたしのようにぼっち登山派もちらほらいましたが、ほとんどはグループ
個人で登るのが不安な方は、オッダの町のゲストハウスやホテル等でツアーも組んでいたので、それに参加すると良いかも
見えてきました、明鏡止水の北欧フィヨルド!
登った人だけが味わえる贅沢な北欧の絶景!
草木の紅葉とのコントラストがまばゆい、息を呑む絶景です!(興奮)
氷河の溶け出した水が、長い長い年月をかけて岩を削りだした自然の芸術
紺碧のフィヨルド湖と湖面に映り込む空と雲、まさに絵画におさめたくなるような絶景
あいにく曇っていたのが残念でした
晴れ渡る空をバックに撮りたかった…
見晴らしの良い登山道では常にお手洗いが問題
とにかく隠れるところがほとんどない
岩陰だと思っても、意外と後ろからも前からも丸見え
登山道を外れるにしても、巨大な岩盤が立ちはだかったり、岩が巨大過ぎて回り込めなかったり、とにかく大変
個人的には、体力的なものよりトイレ問題が一番しんどかったです
こういうとき、ソロ登山の女性は不利だなぁと思ってしまいますね
スタートしてから約3時間半、ようやくトロルの舌のポイントに到着しました!
標準では4~5時間なのですが、思った以上に早く到着
ここはトロルの舌の手前にあった池で、ここでキャンプをしている人たちが複数いました
原則宿泊を伴うキャンプは禁止されてるのですが、ガイド付きならOKの様子
とはいえ、夕暮れや朝日を見るために、無許可でキャンプする人も結構いそう
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 念願のトロルの舌!!(興奮MAX)
なるほど、確かに舌のように突き出ています!!
それが妖精トロルかどうかは外国人には不明ですが
早めに到着したのもあり、拍子抜けするぐらい登山客はまばら
ほとんど混んでいませんでした
トロルの舌先に座って撮るのは、ここでは鉄板の記念ショット!
トロルの舌から地表までの高さはおよそ700m
見てのとおり、防護柵も手すりもないので、命知らずな高所スポット
バランスを崩したら一巻の終わり、見てるこっちもハラハラドキドキです
トロルの舌の撮影待ち行列は、ピーク時は1~2時間になるそうですが、このときは運よく10分程度でした
この撮影ためのだけにわざわざコスプレして撮影するカップル
そのほかにも、ジャンプルする人、逆立ちする人、踊る人などなど…危険なポーズで撮影する人続出
実際2015年に、はじめて滑落死者が出たそうで、その後も自撮り夢中で滑落した人、後をたたないとか…
救助も大変な場所なので、無茶はしないでとハラハラ見守ってしまいます
一段高い崖の上からトロルの舌を観察
人々はあのように順番待ちしています
意外と、岩盤に降りるのも一苦労なんですよ
ちなみに反対側から見ると、「アレッ?」って感じの全く印象の異なる形してます
このジャンプしているアジア系の女の子、ジャンプしたり踊ってみたり、何度も何度も撮り直していました
貪欲だなぁ
偶然にも、同じ一人登山の日本人の男性とバッタリ遭遇し
互いに撮影し合いました
わたしも勇気を出して岩の先端に座ったり、立ち上がったところを撮ってもらったり
岩の先端に這いつくばって下を覗いたりして楽しみました
憧れだったこの絶景が目の前にある感動、感無量ですね
こちらはもう一つのトロルの舌
トロルの舌より一段低めの、向こう側にちょこんとありました
こちらは不人気であまり人がいませんでした
欧米の登山では、わんこを連れて登る人が結構いるのがささやかにカルチャーショック
ちょっとお散歩というには片道4~5時間、犬にしたってなかなかハードな気がしますが、身軽なワンコにとっては大したことないかな
でもフンの後始末とか大変だよね
ゴールデンレトリバーもいたし
ちょっと見ただけで3匹ぐらいいた
欧米の犬は、大型でもおとなしくて、しつけが行き届いているいい感じ
日本のわんこだったら、キャンキャン鳴いて、走り回って、挙げ句、滑落しそう
トロルの舌には1時間ほど滞在して下山
帰りはそこで知り合った日本人男性と一緒に下山
やはり一人より二人が心強い(しかも英語ペラペラ)
トレランが趣味の方だったので、早いピッチに合わせたおかげか、予定時刻を大幅に上回る午後14時40分頃に駐車場に到着
(16時ぐらいを想定していた)
その後は、日本での再会を約束してお別れしました
下山後は、足に合っていなかったトレッキングシューズで両足の指すべてが水膨れで腫れてしまい、ひどい状態に
最後の最後でシューズ選びは一番大事と痛感した、トロルの舌絶景トレッキングでした
終わり
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最後までご覧いただきありがとうございました
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