【訪問場所 Visited Site】ソコトラ島 Socotra Islands, Yemen
※文中の料金等は2020年3月現在のものです
ソコトラ島訪問マップ Socotra visited Map
キャンプ旅3日目(ソコトラ島滞在4日目)、今回は引き続き島北西部にあるデトワ・ラグーンです
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本日のプログラム
本ページでは、デトワ・ラグーンをご紹介します
- ディクサム台地 Dixam Plateau:再度天の川と日の出鑑賞
- カランシア村 Qalansiyah city:デトワ・ラグーン最寄りの村
- デトワ・ラグーン Detwah Lagoon Ramsar Site:ソコトラ一美しいラグーン、名物の洞窟おじさんがいるビーチ
キャンプ旅3日目の夜は、デトワ・ラグーンのキャンプサイトに滞在しました
洞窟おじさんの棲み処へ
キャンプサイトで一休みしたあと
お次はいよいよラグーンの洞窟に棲むという、デトワ・ラグーン名物の洞窟おじさんのところへ
ランチはそこで振る舞ってくれるそうです

ラグーンづたいに岩山の砂利道を歩く
洞窟まではキャンプサイトからおよそ2kmほどの距離

だんだん道なき道に
波打ち際の岩は波などで侵食されて穴でボコボコ
一部滑りやすく、見た目以上にリスキーなため、慎重に歩きます

およそ30分後、
ようやく洞窟おじさんの棲む洞穴に到着

玄関代わりのボトルツリーとソコトラ固有種のアロエ

表札代わりのイルカの骨格標本

きわめつけは階段がなんとクジラの顎骨
さすがソコトラ島……ここも規格外

奥に座っている方が
いまやソコトラ島の観光には欠かせない重要人物
デトワ・ラグーンの洞穴に棲む洞窟おじさんこと、「アブドラ(Abdullah)さん」
ツアープログラムにはたいてい組み込まれている人気者です

年齢不詳ですが、おそらく30代後半~40代前半
生まれも育ちもこの洞窟で
代々男子がこの洞窟を受け継ぎ生活するそうです
かつては家族全体で暮らしていたそうですが
時代は移り変わり、彼もおそらく観光客相手のこの商売でたくさんの収入を得たのでしょう
今では基本、近隣の村に建てた普通の家で、愛する奥様と6人の子どもたちと暮らし
観光客が訪れるときに洞窟で過ごす二重生活をしているそうです
しかも結構いい四駆乗り回してました…
英語はかなり片言ですが、
屈託ない笑顔とよく喋るおじさんで、実にユニークです
「シーフードをいっぱい食べて性欲満点!
だから僕には奥さんとの間に12人も子どもが生まれたんだ!」と豪語していました
(ただ、そのうち6人は死産あるいは何らかの理由で亡くなったらしいけど)

調理場のかまど
無人島生活みたい

山盛りのムール貝

ホタテなどの貝殻も山盛り

洞窟の最奥部で飼われているのは…

なんとニワトリ
ソコトラ島では珍しい貴重なニワトリがここにいた
発展途上の国では珍しく、ソコトラでは鶏肉は食べない
なので、卵を産ませるために飼っているらしい

朝採れのイカを手際よくさばく
アオリイカとかヤリイカではなく
寸胴で足が短いのでコウイカという種類かもしれない

こちらも目の前のラグーンで採ってきたばかりのムール貝
シンプルに塩茹で

器代わりのでっかいリサイクル帆立貝
なかなかエコ

イカは油で炒めて味付けは塩のみ
木べらの手作り感がワイルドでいいですね

盛り付け

ガイドのサイーズくんは
12時になったので唐突にメッカに祈りを捧げはじめる

そして本日のランチ
茹でたカニとムール貝
カニは身が少なく食べにくいけど、鮮度抜群だし、旨い

さらに炒めたイカと白身の焼き魚
これに主食のサフランライス
とれたて新鮮なシーフード三昧
ぜひ一度、パスタやピザでいただいてみたい!

ムール貝の身は小さいけど
磯の香りが口いっぱいに広がって、まさに採れたて
ちなみに、
ソコトラ島の住民は基本的に魚以外のシーフードはあまり食べない
ムール貝やホタテ、カニ、海老、ロブスター、イカ、タコ、ウニなどなど
日本人が高い金払ってまで食べたい食材が腐るほどあるのに食べつけないらしい
アブドラさん一家はラグーン育ちなので慣れているけど
ガイドのサイーズくんはご飯以外あまり手を付けてませんでした
こんな狭い島でも、ところ変われば食も変わるんですねぇ

この巨大なバケツというかプラスチックの樽は
雨水を溜めておくための容器
これを汲んで、食材を煮たりチャイの水を沸かしていた
恐る恐る中を覗いてみると

見なかったことにしよう、と思った……
でも幸い、お腹は全く壊さなかった(鉄の胃腸だからか、火が通っていたからか…)

ひとしきりシーフードを堪能して
今度はおじさんの庭であるラグーンを案内してくれることになった
サイーズくんはここでお留守番
岩に書いてある文字は、ペルシャ語?で何かの詩らしい

先に降りて待っていたアブドラおじさんの指差す方向には……

岩場に大量の天然岩牡蠣がへばりついていた

表面を石でガンガン潰して、中身をほじくり取り出す

小粒の岩牡蠣
食べごたえはないけど、確かに牡蠣、ほんのり甘くて案外さっぱり
ポン酢か醤油が欲しい!

アブドラおじさん、ラグーンを急に駆け出した

向こうにはもっとたくさんの牡蠣がへばりついていた
食べ放題だけど、ほとんど誰も手を付けないらしい

「このラグーンは僕の庭だから、どこにどんな生き物が生息しているか知り尽くしてる
だから次に採るのはタコ!
どこにタコが潜んでいるかも全部把握してるよ!」
と迷いもなく沖合に向かって進む
お昼のこの時間、ラグーン内は干潮タイム
すっかり潮が引いて歩きやすくなってました
その分、足元に魚やいろんな海の生物が見え隠れします

途中でおじさんが何かを発見

「バルーンフィッシュだよ!」
とパンパンに膨れ上がった2匹のハリセンボンをゲット
ハリセンボンは食べるところがないので逃がします

足首程度の浅瀬なのにハリセンボンが結構泳いでいる
あっちもこっちもハリセンボンだらけ
ちょっとちょっかい出したら、この「やめてぇ~」の顔がたまらない

手のひらに乗せてみた
以外に痛くない
軽いしね

ツンツンちょっかい出してたらいきなりプシューッとしぼんだ!
ちっさ!

もれなくカニもいた
これは別の赤いソコトラカニ
黄色のカニはビーチに生息しているのでラグーン内では見かけませんでした

これはクモヒトデ
軟体動物みたいに柔らかいのかと思ったら意外に硬かった

スポンジみたいな謎の緑のもふもふ海綿体の海…
なんだかふしぎな光景

なまこもいっぱいいた
「外国人でなまこ食べる人もいるよね、僕は食べ方わからないけど」だそうだ
わたしもあまりナマコ酢とか食べないので(酢もないし)これには手を付けなかった

「ここ!」と
おもむろに砂底に手を突っ込むアブドラおじさん
細い棒と手を使ってタコを引きずり出している

足を捕まえた!

5分ほどの格闘の末、見事捕獲
タコは吸盤を使ってもがくもがく

最後の悪あがきに墨を撒き散らすタコ

観念しました
こうしてみると、結構でかい

タコゲットにご満悦
蛸壺も使わず素手でゲットするとは、さすがプロ

ついでにウニもゲット

もういっちょ、ウニをゲット

ウニ2匹とタコ1杯が釣果
ホタテもいたけど「ホタテ、好きな人もいるよねぇ~」と言ってなぜかスルーされた…
食べたかったな

ウニはその場で新鮮なうちにさばく

身は小さいけど
磯の香りとしっかりウニの味がして甘くて旨い
醤油欲しい
アブドラおじさんの奥さんや子どもたちもシーフードは好きだけど、
ウニだけは食べないらしい

別の模様をしたクモヒトデ
アクセサリーみたい

奇妙な物体があちこちで沈んでいた
アブドラおじさんも昔から謎のものらしく、
あとで調べたら、
タマガイという貝が卵を産み付けるときに自身の粘液と卵を混ぜて作る「砂茶碗」とヤツだそうだ
要するにカエルの卵の砂バージョン
海のフシギ…

完全に潮が引いたところには牡蠣がへばりついた岩がゴロゴロ

その裏をめくると、
なにやら透明なプチプチが大量にくっついていた
アブドラおじさん曰く、
これらはイカの卵で
潮が満ちている間にイカが岩に卵を産み付け、
およそ13日間で卵が孵化するとのこと
見たところすでに9日間経っていて、あと4日もすればベビーイカがたくさん誕生するとのこと
イカの卵なんて人生ではじめて見た
ここはまさに海の博物館だなぁ

しょっちゅう見かけた海底に沈む得体のしれないぶにぶにウンチ
あとで調べたら、
「ギボシムシ」という海のミミズが吐き出した、紛れもない「ウンチ」らしい
なるほど~

ラグーン観光はひとまず終了
アブドラおじさんは次に訪れる外国人団体をもてなすため準備に取り掛かる

すでに次のグループは到着していて
さっそく食事の支度
さっき採れたタコは彼らへの土産らしく
わたしはありつけなかった…残念

ラグーン内には毒針を持ったアカエイもうようよ泳いでいるらしいので
足元には十分気をつけましょうとのこと…
洞窟おじさんのラグーン教室は想像以上に楽しかった!
それでは、キャンプサイトに戻ります
続く