ソコトラ島の現地で気づいたこと、教わったことなどをまとめてみました
※事実と異なる点があるかもしれませんが、ご了承ください
1男性の一般的な腰巻スタイル「マワズ」

男性の伝統的なファッションスタイルは
ターバンに腰巻("マァワズ"というらしい)
腰巻は1枚布で品質とデザインに応じて値段が変わり
腰巻の下にはちゃんと短パン着用
腰には皮ベルトでしっかり固定

なので、暑いと裾上げまくる
ソコトラ島の男子はやせ型が多く、カモシカのような細い脚をのぞかせる
ちなみに、上はTシャツでもワイシャツでも何でもOK
しかし、腰巻もターバンも着用は厳格ではなくあくまでも気分次第で決めてよい
そのため、若者は今時風のラフな格好の子もいる
ターバン(スカーフ)は平均6,000レアル(約1,300円前後)~
腰巻は平均1,800レアル(約4,000円前後)~
ハディボ・シティでお土産に購入可能
2女性の一般的なスタイル「ニカブ」「アバヤ」

一転、ソコトラ島の女性は厳格なムスリム
ほとんどの女性は目だけしか出さない黒のかぶり物「ニカブ」と
つま先まですっぽり覆う黒装束「アバヤ」を着用
この女性たちを許可なく撮影するのはタブー
(と言いつつ、遠くから隠し撮り)

女性たちのささやかなおしゃれは
微妙に異なるアバヤの袖元の白刺しゅうだったり
手足のヘナタトゥーだったり
サンダルや小物グッズだったりする

しかし、島の西側の村には
ニカブではなく、顔を見せる「ヒジャブ」をまとい
カラフルな衣装の女の子も多かったので
もしかするとイエメン以外からの移住者かもしれません
3男女間の社会的分断

特に小学校から高校ぐらいまで
あらゆる環境で男女に分けられるソコトラ島
教育、祈りの場、飲食店…
公衆の場で女性が男性と場を共有することはまずない
しかし、大学になると男女共学になるそう(ただし本土)

宗教的な理由かと思ったら
ソコトラ島では単に人数的な問題だと言っていた
施設の収容人数に限りがあるので
男女別に分けた方が都合がいいそうだ
真偽はともかく
飲食店では女性は一切見かけない
4男性同士の挨拶の仕方

実際の写真は撮れなかったけど
親しい間柄の仲間とは、
キスやハグの代わりに鼻と鼻を触れ合わせるのがソコトラ流
次にハグ、シェイクハンドとボディタッチが激しい
外国人であってもはじめて会うときは
握手は求められるので快く応じましょう
5犯罪率が低い

島民曰く、
ソコトラ島にはスリ、泥棒、殺人、どんな犯罪も起こらないそうだ
正確には
万が一喧嘩や言い争いが起こっても
腹を割っての話し合いで何とか解決する風土が深く根付いているらしい
島民のほとんどが顔見知りで顔がわれているので
悪事が働けないというのもあるらしい
互助精神がすばらしく
誰かが困っていれば助け合うのが当たり前
そのせいか、極端な貧富の差はない様子

決して裕福ではないけれど
飢えに苦しむストリートチルドレンはいないとのこと
そもそも「ストリートチルドレン」の定義も意味も分からないらしい
イエメン本土とは真逆の島
「われわれの島はホントに平和だよ」と誇らしげに語っていました
6イエメン本土とソコトラ島との行政分離

これだけ平和なソコトラ島
四方を海に囲まれ海の幸による食糧は豊富
当然、内戦で疲弊したイエメン本土の人間からすれば
移住を試みたいと思うのは当然の流れだけれど
イエメン本土との取り決めで
そう簡単には移住できない仕組みらしい
イエメン本土とソコトラ島は実質行政を二分していて互いに不干渉
いわゆる、一国二制度みたいな感じ
ソコトラ島の移住希望者は
もともと出身がソコトラ島か親戚が島民などの血縁関係がいないと難しいらしい
そのため、
イエメン本土の人間は仕事を理由に長期滞在するか
漁船等を使って観光に来るしか方法がないらしい
7ソ連軍が残した軍事遺構

1990年、南北統一によりイエメン共和国が誕生
それ以前は、1967年から1990年までは南イエメンに属していたソコトラ島
南イエメン(=イエメン人民民主共和国)は社会主義国家で
冷戦終結までソ連と親密な関係だったことから
置き去りにされた戦車はソ連軍が駐留していた名残といわれている
現在はサビサビで全く使い物にならないただのポンコツ
見た限り、島内には2か所あって、
軍施設に近い戦車は近寄って撮影できないが
西側のカランシア町近辺の戦車は近寄づける(と思う)
(とりあえず島民は関心がない)
8ソコトラ島民の礼拝スタイル

ソコトラ島のムスリムたちは
朝4時頃、昼12時、午後3時頃、午後5時半頃、午後7時半頃の1日5回の礼拝を欠かせない
(季節によって多少時間はズレる)
その時間になったら
とりあえず場所とか構わずメッカに向かって祈りを捧げる
ハディボでは早朝からけたたましくコーランの町内放送が流れる
また、特に午後3時頃はお祈りタイムでお店というお店はお休み
30分~1時間ほどしないと店を開けないので要注意
9ムスリムの1週間の定義

ムスリムの人なら当然かもしれませんが、
ムスリムの文化にとって金曜日が礼拝日
したがって
平日は日曜~木曜日
休日は金曜~土曜日
そのため、学校や役所などのスタートは日曜日から
土日がお休みという常識は、欧米のキリスト教由来なんですね
10男性たちの伝統的な体育座り

ソコトラ島の男性が地べたに座るとき
スカーフや適当な布でからだごと膝を縛って
体育座りが一般的
この姿勢が一番疲れないらしい
確かに合理的です
113つしかない島のホテル

ソコトラ島には2020年3月現在、3軒しかホテルがない
ほぼ外国人観光客向けで収容数はかなり限定的
(まぁ週1便しかフライトがないし、ほぼキャンプに出掛けてしまうので間に合っている様子)
今後、観光業が活発化すれば増設が期待されている
とはいえ、建築技術と資材が貧弱なので
設備関係は期待しない方が賢明です
(ホットシャワーと空調、WiFiは常に壊れ気味)
12外国人への強烈な興味関心

ソコトラ島の人間は外国人に興味津々
観光客向けのホテル周辺以外は
基本外国人がうろつくことは少ないので
市内散策しているとガン見の猛攻撃に遭います
日本人にはかなり好意的ですが
アジアの区別ができない子どもたちは
割と無邪気に「チャイナ!」と言い放ってきます
それでも基本悪気はないので笑顔で返すと「一緒に写真撮って」と大方なります
これは厳格なムスリムの女性も同様で
彼女たちは自分らが撮られることをひどく嫌がるのに
外国人とのセルフィーは積極的にお願いされたりします
矛盾…
また、男性にとっては白い肌が美の基準のようで
特に国籍関係なく女性は「美しい」と褒められやすいです
13表札代わりのオーダーメイド門扉

ソコトラ島、というか
中東における一般家庭のご自宅は
日干しレンガに石積みの土色一色が多く
どれも似たりよったりであまり特徴がない
そんな中、唯一カラーが出せるのが門扉
ソコトラ島のご家庭の門扉は一つとして同じものがなく
すべて一点物のオーダーメードという

ソコトラ島にとって家の門扉は
日本でいう表札や家紋に等しいらしい
デザインは実に自由で
幾何学模様の個性的なものもあれば
りんごや果物など子どもが喜びそうな絵柄もあったりとさまざまです
14犬のいない島

万国共通、
野良猫や野良犬はどこにでもいるもんだと思っていましたが
驚いたことに、ソコトラ島には犬が一匹もいない
その理由は、島の固有種や生態系を脅かさないためなのだそうだ
はるか昔、大陸が分断して生まれた島なので
その頃から犬がいなかったのか
それ以降、誰一人この島にたまたま持ち込まなかったのか
とはいえ、少なくとも猫はいる
数は数えるほどだけど

ソコトラ島の人口はおよそ5万人
それ以上に数を増やし続けるヤギたち
そこらじゅうにたむろっている

彼らは
ときにペットであり
ときに家畜であり
ときに食材でもある
そして、彼らにはそれだけでない重要な役割がある
それが「掃除機代わり」
15掃除機代わりのヤギ

ソコトラ島の首都ハディボのまちは
お世辞にもきれいとは言えない
とにかく、街角にはゴミがおそろしいほど溢れている
しかし住民はいう
「これらはゴミではない、ヤギたちの大事な食糧だ
彼らが全部片付けてくれる
だから紙ゴミはそのへんに捨てていい」
つまり、ソコトラ島の人間にとって
プラスチック製のものがゴミらしい
プラゴミはさすがにヤギも食べられない

ヤギって本当に紙を食べるんだって
ソコトラ島に来てはじめて知りました
そうはいってもプラゴミも含めて
盛大に街角にゴミがあふれています…世界遺産の島なのに
16移動手段はヒッチハイク

ソコトラ島には公共交通機関はないらしい
確かに空港にはタクシーの客引きもバスも見かけなかった
誰もが車を持っているわけではないので
必然、住民の移動はヒッチハイクが主流となる
住民の多くは顔見知りなので
信頼に値する人たちとして
スペースさえ空いていれば気軽に載せてあげるらしい
(ツアー用の四駆にはさすがに載せない)

公共交通機関はないって聞いていたのに
ハディボのまちに今にも崩れそうなワゴンが停まっていた
どうやら隣町まで走るらしい
何だ、あるじゃないか
とはいえ、旅行者向けではないのでおすすめできません
17車のナンバープレートも龍血樹

日本でも最近導入されているご当地ナンバープレート
例にもれずソコトラ島のナンバープレートも龍血樹
これはアラビア数字で数字が読めない

こちらはわかりやすい
ちなみに
もちろん絵柄のないシンプルなナンバープレートもあります
18主食はホブスと米、魚

中東ではポピュラーな平たいパン「ホブズ」
ソコトラ島のホブズはクレープのように薄く平たく
パリッパリに焼けて香ばしい
小麦の甘さも感じられて、焼き立てはこのままでも旨い
これにカレーや野菜卵炒め、ダル(豆スープ)などをつけていただく
ちなみに肉料理は基本ヤギで
牛やチキンはほぼ出回らない

四方を海に囲まれたソコトラ島
もう一つの主食はご飯に魚料理
お米はインドからの輸入米らしいですが
魚は掃いて捨てるほど海で捕れるので
ご飯のおともにはたいてい食卓に並ぶ
魚は基本的に揚げるか焼くものであって
煮たり蒸したり、ましていかに新鮮でも生では食べない
「日本人は刺し身が大好きで、世界的に寿司が流行ってるんだヨ!」
と話したら怪訝な顔をされた
それぐらい、彼らにとっては想像もつかない異次元な食べ物らしい
調味料にまず醤油がないもんな…

デトワ・ラグーンでは
洞窟おじさんが自慢の海鮮料理を旅行者にもてなしてくれるのですが
採れたての新鮮なイカもタコも
ウニも帆立も牡蠣もムール貝もカニも海老も
焼いた魚以外はおじさん以外ほとんど関心示さなかった
ちなみに、
小さい頃から魚介類を豊富に食べている洞窟おじさんは
12人の子どもを持ってしても未だ性欲満点!と自慢してました
19チャイとデーツ大好き

中東ではおなじみのドライフルーツ「デーツ(ナツメヤシ)」
ソコトラ島では
チャイ(紅茶)のお供は必ずデーツ
そしてご飯のときでも
デーツと交互に食べたりしてとにかくデーツ大好き
そしてチャイは事あるごとに用意される
そしてこのおもちゃのような見た目のポットは
いつでもアツアツが出てくる、実はなかなか優秀なポットです
20寿司を握るように食べる米

ムスリムやヒンディーらは
基本食事は素手でいただくのがマナーですが
ソコトラ島の場合、
すし飯を握るようにして
具材と一緒に一旦手のひらでギュッとまとめてから口に放り込む
インド米はポソポソしててまとまりにくいので
ポロポロ床に大胆に散らかる
でも最後はちゃんとボールに水を入れて手を洗います
21通信と電気のおそろしい脆弱性

旅慣れた人にとっては
現地SIMの入手は重要課題ですが
ソコトラ島の場合、通信会社が島になく
SIMの調達は基本、イエメン本土かドバイ(UAE)に行く必要があるらしい
つまり、通常は島の人間が本土へ行く際に
ついでに買ってきてもらったりするそうだ
そんなわけなので、
旅行者が現地SIMを入手するのは極めて難しい
(余ってたら売ってくれるかも、だそう)
ただし、ドバイのSIMならつながることもあるそうです
そして肝心なホテルWiFiは絶望的に遅い
テキストメッセージしか送れない
画像、動画のアップロードなんてもってのほか
しかし、実はまちなかに1軒だけネットカフェがあるという噂を耳にした
でも未確認
加えて致命的なのは日中よく停電するのでスマホやカメラの充電には要注意
(モバイルバッテリーと車の充電用ソケット重要)
22参考物価

以下は、主な物価一覧
※イエメンレアル(YER)の実質レートは市場レートの約半分
- ミネラルウォーター500ml Mineral water: 150(約30円)
- チャイ1杯 Chai: 100(約20円)
- 一般的な朝食(2~3人前)Breakfast: 3500(約750円)
- ホテル1泊 Hotel per night: 15,000(約3200円)
- りんご1個 Apple: 150(約30円)
- オレンジ1個 Orange: 150(約30円)
- ティッシュ1箱 Tissue: 1050(約230円)
- アイスクリーム1カップ Ice cream: 300(約65円)
- 男性のターバン(スカーフ)1枚の平均 Scarf: 6000(約1300円)
- 腰巻き布1枚の平均 Mawaz: 18000(約3900円)
- ガソリン20L Petrol: 8,000(約1800円)
※地元ガイドに聞き取りしたものです、目安程度にお考えください
23平均年収
大体1世帯あたり平均年収US$200ぐらいだそうです
安い…
24ソコトラ語ミニ会話
※アラビア語も混じってるかもしれません
イレブック オ(ン)ラ ありがとう Thank you
ブスッウィットミッラ お願いします Please
アレイコムサラーム こんにちは、おはようございます Hello/Good morning
マヌアッグラァ (男性1人に対して)こんにちは Hello
ブッスミーラ (ご飯の前に)いただきます
エイィック (男性へ)お茶どうですか? Would you like some drink?
エイイックシェイ (女性へ)お茶どうですか? Would you like some drink?
シケールベ(ン)ネ とても良い、美味しい very good
シェバーク(men)/シェバーシュ(women) お腹いっぱいです Are you full or enough
シェーェット とても暑い It's hot
ヤバン 日本 Japan
ヤバーニ 日本人 Japanese
アッタヘーロ 行きましょう Let's go
以上、お楽しみいただけたら幸いです