(公開日2025/3/5)

精緻を極めた壮麗なモスク、遥かなる古代文明の遺跡、そしてペルシア絨毯など、文化遺産の都といったイメージが強い中東イラン。
しかし、イランにはそのイメージを覆す、イラン本土とはまったく異質な異世界感あふれる離島があるのをご存じですか?
今回は、ユネスコ世界ジオパークにも認定された自然美あふれるイランの離島「ゲシュム島」をご紹介します。
<ゲシュム島でのオフショット一覧>
日本人にも世界的にもあまりなじみのないゲシュム島ですが、3泊4日滞在したうちのオフショットをご紹介します

ゲシュム島はイラン本土から少し離れたペルシア湾に浮かぶ島
アクセスは、イラン南部の港町バンダル・アッバースからボートで渡航するのが一般的みたいですが、
このときはシラーズの街から長距離バスに乗って移動
途中、バスごと大きな船に乗ってイラン本土からゲシュムまで移動しました
すぐ下は海なので、結構スリリングです

ゲシュム島に到着したときは深夜未明
当時はゲシュムの情報がほとんどなかったし、Booking.comにもゲシュムの宿は無かったので行き当たりばったり
結局、バスの運転手さんに身振り手振りで「宿を紹介して!」と頼み込んで、飛び込みで見つけたホテル
たしか5000円前後で寝室とロビー、キッチンまで付いたプチリッチな部屋でした

島の東端にある島の中心のゲシュムタウンは、想像以上に発展していてビックリ
さすが貿易経済自由特区
時期も時期だし、アジア系はさすがに見かけませんでしたね

港へ行くと、なぜか五輪のマークのモニュメントが
昔、五輪関係で何かあったのでしょうか
港周辺は、ポルトガル植民地だった名残の建物もよく見かけました

訪れたときは9月上旬でまだ真夏日
日中の気温は40度を超え、ひどい時には50度を行く高温乾燥地帯
それでも、ゲシュム島訪問の最大の目的「ナマクダン塩の洞窟」を見なければ……!!と意を決して訪れると、塩の結晶は熱波で溶けて流れ出ていました…
「真夏日に来るところじゃない」と呆れられました
中は真っ暗で一寸先は闇、ほんの入口しか見られませんでした(今はエコツアーとかやってるみたいです)

ジオパークの一角でもある、ゲシュム島屈指の観光名所「チャークー渓谷」
上から見ると十字に裂かれた渓谷で、奥へ行くほど狭まって、挟まりそうです
こんな乾燥した大地に、ふしぎと地下水がコンコンと湧いていて、未だ現役の井戸がいくつも穴が空いててビックリしました

チャークー渓谷の前に掲げられていた、ジオパークの案内板
わたしが訪れた2016年当時は、
2012年に中東で初めてのジオパーク登録だったにもかかわらず、
資金難か何かでジオパークとしての整備が行き届かず、ユネスコから登録抹消された、と聞いてました
でも、今回記事を書くにあたって調べ直したら、2017年に再登録されていました
観光地化を復活させるために、政府が頑張って取り組んだのかもしれないですね

イランは厳格なイスラム教徒(ムスリム)
女性は外国人と言えども必ずヒジャブかスカーフ等で頭を隠す必要があります
で、わたしの服装スタイルはどんなところでも長袖長ズボンなので、
熱波が降り注ぐゲシュムでは毎日熱くて乾いて死にそうでした

涼しい早朝のうちにスターバレーに訪れようと、タクシーで朝6時に訪れたものの
肝心の係員が誰もおらず、ゲートで待ちぼうけ
当時はジオパーク抹消されたあとだったのと、真夏日に訪れる観光客はまれだったので、係員はサボっていたようです
こんなところで何時間も待たされました

なので、思いがけず荘厳な朝日をスターバレーの入口で拝めました
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はじめて訪れた2016年当時、
当時はイランのビザは結構アライバルビザでも取得が面倒臭かったのと
イランビザがパスポートにあると、米国で別室送りになるリスクが高まるので、旅行者は二の足踏みやすかったのですが
まさか、いつのまにかビザフリーになっているとは衝撃的でした(14日間だけですが)
イランはゲシュム島のほかにもペルシア湾にいくつか興味深い島が浮いていて
個人的にも、バケツリストにずっと入っていました
イランは壮麗なモスクやイスラム建築が注目されがちですが、実はものすごくユニークな大自然が本土にも島にも横たわっています
ちょっと物騒なイメージが強いイランですが、イランの人たちはとても親日家でフレンドリーなので、言葉の壁はあるものの、旅行的には結構ハードル低いと思います
ぜひ皆様にもイランを楽しんでもらいたいです
おしまい
<All Photos by Mayumi>
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