【訪問場所 Visited Site】シャー・チェラーグ廟 Shah Cheragh Mosque, Shiraz, Iran
※文中の情報は2016年9月現在のものです
イラン南西部の地方都市シラーズ
かつてネットで見かけた光に満ち溢れた万華鏡の世界
世界一美しいと評されたモスクがこのシラーズにあると聞き
どうしても見たくて、USAを敵に回す覚悟でイランに入国果たしました
【イラン観光時の注意点】
- パスポートにイランの出入国の記録があるとUSAのESTAは無効、大使館で観光ビザの取得が必要です
- USA入国時(トランジット含む)に毎回別室送りにされます(2016年当時)。職質は1時間以上はザラ
- 2011年3月以降に訪れた人も対象
- イランの主要空港にてアライバルビザ取得可能(US$68)時間がかかるので余裕を持ったスケジュールを
- 外国人であっても女性の場合は頭にスカーフ等着用のこと
所在地 Location Map
光の世界・シャー・チェラーグ廟へ
シャー・チェラーグ廟はシラーズの中心地にあり
徒歩でのアクセスが便利
しかも入場料無料なんです!
外国人、特に異教徒の場合は、入場拒否や門前払い、
入場可否はあくまで門番の気分次第などと噂されているのですが
ひとまずわたしの時は、
ゲートで門番に呼び止められるも、日本人であることを伝えると
本部と連絡をとり、英語の話せる女性ガイド(お目付け役?)を招いて、同伴での入場を許可されました
さらに、厳格なムスリムのイランでは、
女性は足のつま先まで隠れるチャドルの着用が義務化されていて
それは入口の所定ブースにて無料で貸し出しされていました
- 入口は男女別
- 入場時に荷物検査とボディチェックあり
- 2011年3月以降に訪れた人も対象
- イランの人々は基本英語話せません、何かあれば英語ガイドに通訳を依頼しましょう
- 英語ガイドはボランティア(チップ不要)
とりあえず、なんとか入場でき、
ガイドに伴われて、いよいよ念願のゲートをくぐります
広い中庭
アジア人観光客は珍しいのか、遠いところからも突き刺さる視線でガン見されます
アジア人は見かけませんでしたが、欧米系の観光客はたまに見かけました
厳格なムスリムの国・イラン
男性はラフな格好が許されても
女性はかなり厳格な規律が課されています
頭の先からつま先まですっぽり隠れる黒のチャドルを身にまとうか、
若い子でも、長袖長ズボンにスカーフ姿で露出は最小限にしなくてはなりません
30℃を超える真夏日で、一見しんどそうですが、
チャドルは意外にも涼しいそうです(シルクなのかな)
モスクに入場する際もまた、男女別に入口が異なります
靴入れ用のビニールをまず受け取り、女性専用の玄関から入場
扉のカーテンを開けた瞬間、もう、言葉を失いました
まばゆすぎて目がくらむとはこのこと
色とりどりの鏡のモザイクが壁から天井まで幾何学的に敷き詰められ
この世のものとは思えない、神々の世界に迷い込んだかのような錯覚を覚えました
ガイドによると、
シャー・チェラーグ廟では原則写真撮影禁止といわれていますが、
ガイドが許可したエリアだけは撮影可能なのだそうです
タブーなのは女性を勝手に撮影すること
基本的に人が写り込まないように建物内部を中心に撮影すればOKとのこと
そう説明されているそばで、
地元イランの方々は自分のスマホで自撮りしたり、孫や子どもを撮りまくってましたが……??
シャー・チェラーグとは、ペルシア語で「光の王」という意味
その由来は、
その時代の王がある日光り輝く墓に出会い、その墓におさめられた遺体にはめられた指輪に「al-‘Izzatu Lillāh, Ahmad bin Mūsā(この誇りは神のもの、ムーサーの子アフマド)」と刻まれていたからだそうです
ムーサーとは、シーア派十二イマーム派の第7代イマーム(指導者)、ムーサー・カーズィムのこと
つまり、この廟に収められているのはそのムーサーの息子たち、ムハンマドとアフマド兄弟といわれています
紀元7世紀頃のお話だそう
「光り輝く墓」という伝説があるものの、
当初は今とはかけ離れた普通のモスクだったそうです
しかし、14世紀頃、自身も敬虔なムスリムであり、かつ芸術をこよなく愛した時の皇太后Tashi Khatunが
巡礼者を癒す施設として現在のかたちに生まれ変わらせたのだとか
足元はゴージャスなペルシアン絨毯、周りは神々しい光の世界に包まれ、現実離れしすぎる空間でただただボーッとしてしまいました
偶像崇拝を禁じているイスラム教
仏教やキリスト教と違って絵で表現することができないため、
アラベスクなどの幾何学模様のデザインが発展したそうです
とはいえ、平面だけでなく、立体的にも優れた技で緻密な意匠を凝らすイスラムのモスク
すごすぎて、開いた口がふさがりません
この光に包まれながら、
人々はコーランを読んだり、祈りをささげたり、
読書をしたり、音楽を聴いたり、
井戸端会議で談笑を楽しんだり、無邪気に子供を遊ばせたり
自撮り写真に夢中だったり撮られたり……
実に皆、思い思いで自由にのびのびと、この光の世界を過ごしていました
この空間はあくまでも女性のエリアなので、男性側は多少異なるかもしれません
(とはいえ、やはり幾何学的にはシンメトリーになってるかな)
万華鏡の世界を抜けると、
お隣の部屋は意外とシンプルな祈りの間
これだけ見ればスゴイなぁと思うのですが、
今までがあまりに現実離れした美しさだったので、かなり地味に見えてしまうのが残念なところ
ここで定期的にコーランの読書会?などが行われるようです
ある程度見学が終わって、ふたたび中庭へ戻ってきました
よく見ると、日陰のある屋根の下では、市民たちがシートを引いてお昼寝してたりします
実に自由ですね
付かず離れず常にそばに控えていたガイドの子に気を取られ
シャー・チェラーグのシンボルである玉ねぎ頭のモスク全体像を撮り損ねて出てきてしまいました
大失態…
そうして見学は終了
出口へ向かいます
下にあるのは、靴用のビニール袋のゴミ箱
前述のとおり、イラン人における外国人、特にアジア人への関心はハンパないです
はじめは遠巻きにガン見されるのですが
誰か一人、話しかけてきた瞬間、ワーッと人垣ができます
写真一緒に撮っての応酬
さながら有名人かスター気分
誰もが一瞬、自分はもてているとか勘違いしてしまうかもしれません
この女の子からは、写真だけでなく突然サインも求められました。
冷静に考えて、無名の人間からサインもらってどうすんだと思うのですが…
そんな彼らですが、特に親日家が多いイランでは
困ったことがあると何かと親切に助けてくれます(英語話せないけど)
余談ですが、イランの女性はスレンダーでスタイルが良く、エキゾチック美人がとても多いです
何気ない天上までも美しいモザイク模様
この色合、日本人好きそうですね
出口到着
ガイドとはここでお別れ
あっさりバイバイでした
そして翌日、
シャー・チェラーグ廟は24時間いつでも入れるので再訪してしまいました
ガイド同伴は初回のみだけのようで
すでにガイドに案内してもらって要領はわかってることを伝えると、門番は静かにそのまま入れてくれました
夢見心地になれる光あふれる万華鏡の世界、是非、いつか皆様も訪れてみてください。
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最後までご覧いただきありがとうございました。