(公開日2016/12/09)
※Compathyサイト閉鎖に伴い、同サイトに寄稿した記事を転載したものです
イランというと「危険な国」というイメージがつきまといますが、実際は、首都テヘランを含めて主要観光都市の危険レベルは「十分注意」クラス。
そして、イランいえば壮麗なモスクを思い浮かべがちですが、実はイランも自然の宝庫。わたしたちの想像を遥かに超えた大迫力の大自然が存在します。
今回はその中から、ペルシャ湾に浮かぶゲシュム島に生まれた知る人ぞ知る絶景、世界最長の塩の洞窟ナマクダンをご紹介します。
世界最長の塩の洞窟ナマクダン・ケイブとは
イラン南東部、ペルシア湾に浮かぶゲシュム島(Qeshm island)。
この小さな島には、全長約6,580mにも及ぶ世界最長の塩の洞窟「ナマクダン・ケイブ」が存在します。
2006年、チェコの探検隊によって発見・調査され、それまでの世界記録全長5,500m(イスラエルのソドム・ケイブ)を塗り替え、世界第一位に名乗りをあげました。
ただし、観光客が見学できるのは入口からわずか100m程度。
そこから先は天井が低く、塩の川も流れていて危険です。さらに、観光地化が進んでいないため、照明や案内板もなく、真っ暗闇の中、ヘッドライトは必携です。
世界ジオパークに登録されていたゲシュム島
「世界ジオパーク」とは、美しい自然景観や学術的価値を持つ自然遺産への教育、観光活動を通じて地域の活性化を図ることを目的とした自然公園。
国際連合教育科学文化機関(ユネスコ UNESCO)が支援する国際非営利組織「世界ジオパークネットワーク協会 (Global Geoparks Network=GGN)」が認定を行っています。
ゲシュム島は2006年、中東としてはじめて世界ジオパークに認定されたのですが、その後、必要なインフラの整備が進まなかったことから2012年、リストから除外されてしまいました。
ゲシュム島に行くには
通常、外国人観光客がイランを訪れる際にはビザが必要ですが、ゲシュム島だけは自由貿易経済特区に指定されているため、実はイランの中でも珍しく、ビザ無し入国が可能な地域です。
また、ドバイからゲシュム島へ1日数便の国際便が就航しており、わずか45分のフライトで渡航できることから、ドバイ経由での訪問が多いようです。
もちろん、近隣都市のシラーズなどイラン本土からバスや飛行機などでアクセスも可能です。現地は宿が少ないため、事前のホテル予約をおすすめします。
おわりに
ゲシュム島には、ナマクダン洞窟のほか、カッパドキアのような奇岩地帯「星の谷(Star Valley)」、ペトラのような「チャークーフ峡谷(Chahkooh Gorge)」、ペルシア湾でのイルカウォッチングやマングローブ群生林など、イラン本土からは想像もつかないほど自然に恵まれた絶景の宝庫。
ただし、極度の乾燥地帯で、夏場は50度近くになることもあるため、訪問シーズンは秋から春がおすすめです。
<All Photos other than Wikimedia by Mayumi>