旅行記概要
■ 訪問年月日:2014/10/13~2014/10/15
■ スポット名:キャノ・クリスタレス(Caño Cristales)
■ 訪問国地域:コロンビア、ラ・マカレナ州 La Macarena, Meta, Colombia

※文中の情報は2014年10月現在のものです

 

<キャノ・クリスタレスの所在地>

 

自然保護の観点とゲリラ潜伏危険地帯として長らく封印されていた南米コロンビアの「キャノ・クリスタレス」。
2009年より規制が緩和され一般公開されて以来、1年のわずかの期間だけ五色になるというこの川の噂を聞きつけて、世界中から観光客が訪れてきています。

日本ではまだまだなじみが薄いマイナーなスポットですが、秘境絶景好きには色んな意味で新鮮でオススメかも

 

【キャノ・クリスタレス】まずは小型セスナでラ・マカレナ空港へ移動
まずは小型セスナでラ・マカレナ空港へ移動

 

“世界一美しい川”と称される「キャノ・クリスタレス(Caño Cristales)」
場所は、南米コロンビアの南東部、アマゾンジャングルの奥地に存在します

キャノ・クリスタレスもまた、マニアック過ぎて当時ツアーを取り扱っている日本の旅行代理店があるはずもなく、
現地旅行代理店を探してコンタクトを取り、首都ボゴダから現地ツアーに参加するかたちになりました

麻薬戦争や反政府ゲリラなど、昔から怖い噂が飛び交う首都ボゴダ

とはいえ、それも今は昔で、(表向きは)ほぼ制圧され、
治安は安定したとのことで、町は想像したより至って普通の印象でした

そんなボゴタで宿泊後、
翌朝夜明け前の5時半頃、旅行代理店が手配したタクシーに乗り込み、最寄りの地方空港まで2時間半程度の移動

同じタクシーに乗り合わせたツアー参加の旅行会社経営の米国人男性とはほとんど喋らず…

夜が明けるとともに地方空港から小型セスナに乗り、
キャノ・クリスタレスのある「シエラ・デ・ラ・マカレナ国立自然保護区」へ直行しました

 

【キャノ・クリスタレス】キャノ・クリスタレスの拠点となるラ・マカレナ村にて
キャノ・クリスタレスの拠点となるラ・マカレナ村にて

 

キャノ・クリスタレスの観光拠点となるマカレナ村のラ・マカレナ空港

マカレナ村は、2009年まで反政府ゲリラの潜伏地域として、安全が確保されるまで観光客は一切シャットアウトされてました

が、国のゲリラ討伐が功を奏し、2009年から規制が緩和されて無事一般開放

しかし、なおゲリラの脅威は消えず、
マカレナ村は軍の管理下に敷かれ、空港や村中にくまなく機関銃を装備した軍隊が配備されていました
まるで映画のロケをみているような感覚……現実感がない、けど現実

ちなみに、空港には柵もドアもなく、キヨスクのような商店もありません
ふきっさらしのただの小屋といった感じです

 

【キャノ・クリスタレス】宿泊したホテル
宿泊したホテル

 

こんなジャングル奥地の片田舎に、意外にも民宿が数軒
そして、お土産物屋や通信会社、ネットカフェなどもあって(しかしダイヤル回線)、やはりじわじわ観光地化が進んでいました

しかし、初日の深夜未明、どこからともなく何かの破裂音が聞こえ、直後、軍にたたき起こされ、職務質問を受けてから宿泊客は外に出され、一箇所に集められ待機させられました

何が起こっているかさっぱり分からず、
スペイン語が分かる女性客に事情を聞いてもらうと、ゲリラが周辺に潜伏しているというタレコミがあったとか(ゾッ)

最終的にそれはガセネタだったようで、
しばらくして集められた人たちは各自の自分の部屋へ戻るよう指示がありました

いやはや、初日からスリリングな体験が味わえました

 

【キャノ・クリスタレス】一箇所に集められて、まずは点呼
一箇所に集められて、まずは点呼

 

このときは総勢20名ほどの2泊3日ツアーに参加していて
食事、現地ガイド、宿泊付で1,280ドル(約14万ぐらい)程度

個人参加なので高くつきますが、それでも日本のツアーに参加すると思えば格安

ツアーにはこの自然保護区のネイチャーガイドが専属でつき、保護区内を案内してくれます
わたしたちのガイドは、まだ20代前半の英語が堪能なかわいらしい女性でした

同じツアー客では、オーストラリア、USA、ベネズエラ、メキシコ、ドイツなど世界各方面から集まってきてましたが、日本含めアジアから来ている人は一人もいませんでした…

ツアー初日は、国立自然保護区内を観光するための重要事項のブリーフィング(ガイダンスみたいなもの)をまず受けて、
ボート乗り場へ移動します

 

【キャノ・クリスタレス】おもちゃじゃない、ホンモノの武器が搭載されたボートが!
おもちゃじゃない、ホンモノの機関銃が搭載されたボートが!

 

この地ではいかなるところへ出かけるにも常に軍の許可が必要

ツアーボートに乗り込む前に観光客はまずは本人確認と点呼がありました

ふと川辺をみると、
軍の機関銃が装備されたボートが普通に置いてあって、
それを観光客は普通に写真を撮り、軍も笑って見過ごしてくれるという異様な光景…

 

【キャノ・クリスタレス】銃口向けないで!
銃口向けないで!

 

いかに安全装置がかかっているとはいえ、
ホンモノの機関銃を気前よく触らせてくれる心の広いコロンビアの軍人さんたち

というか、単にゆるいだけなのか…
日本ではありえない光景にヒヤヒヤ

みな珍しがって記念撮影会でしたが、わたしはいいと拒絶してしまいました…

 

【キャノ・クリスタレス】いよいよ念願のキャノ・クリスタレスへ!
いよいよ念願のキャノ・クリスタレスへ!

 

さて、ボート乗り場から遡上すること約1時間
川沿いに生息する野生動物などを観察しながら第一の目的地に到着

と思ったら、まずは伝統工芸品の屋台村へ連れていかれた…
どんなときでも土産物屋はついてまわる…

しばらくして、今度は四駆に乗り込み、さらに1時間ほどジャングルをハイキングしたのち、念願のキャノ・クリスタレスに到着しました!

 

【キャノ・クリスタレス】全長100kmにおよぶ巨大な川・キャノ・クリスタレス
全長100kmにおよぶ巨大な川・キャノ・クリスタレス

 

全長100㎞にも及ぶ壮大なスケールの川・キャノ・クリスタレス

この真紅の光景は1年のうち、乾季と雨季のはざまに当たる8月下旬から11月頃までしか見られないといわれています

その中でも限られた期間、条件が揃ったときだけ「極彩色の五色の川」が見られるんだとか

 

【キャノ・クリスタレス】真紅の絨毯のよう…
真紅の絨毯のよう…

 

現地の方の話によれば、

実際は6~12月ぐらいまで鑑賞できるけれど、カラフルな姿はおおむね9~11月、中でも“極彩色”といわれるタイミングは気象条件等に左右され、毎年バラバラで予測不能とか…

わたしが訪れた10月は、時期的にはベストに近かったものの、その“五色”に変わるタイミングとは違ったみたいで、憧れた理想の姿は見られませんでした…涙

 

【キャノ・クリスタレス】赤い正体の
キャノ・クリスタレスを赤くする正体

 

キャノ・クリスタレスが赤くなるメカニズムは、
要するにこの川に生息する藻が、陽の光を浴びて紅葉するからなのだそうです

藻に届く日照量で藻の色が五色に変化し、運がよいと、五色あるいは七色にまで見えるようになると

 

【キャノ・クリスタレス】藻をすくってみた
赤い藻をすくってみた

 

赤い藻をすくってみるとこんな感じ

水中で触れるとフワフワの綿菓子を触っているような感覚で、気持ち良いんですよ

 

【キャノ・クリスタレス】浅い岩盤を赤い藻が覆っています
赤い藻に覆い尽くされた岩盤

 

川は全体的に浅めで岩盤は赤い藻に覆い尽くされています

やはり浅い方が日照時間が長いからか、赤味が濃く感じますね

 

【キャノ・クリスタレス】川に入るときはノンケミカルで
川に入るときはノンケミカルが鉄則

 

自然保護の観点から、キャノ・クリスタレスでは川遊びの際、ノン・ケミカルが鉄則

つまり、女性は化粧や日焼け止め、男性は整髪料や香水、虫刺されの薬なども絶対NG

植物由来のノンケミカルの日焼け止め等を持参するか、肌が焼ける覚悟で遊びましょう

 

【キャノ・クリスタレス】滝遊び
大きな滝でしばし水遊び

 

トレッキングの途中、こんな壮大な滝に遭遇

ここでしばらく休憩を兼ねた滝遊び開始

わたしは、珍しく自撮りなんかをしていたら、手が滑って携帯水没させました…慣れないことをするもんじゃない…涙

 

【キャノ・クリスタレス】滝の裏側に回り込めます
滝の裏側に回り込めます

 

裏見の滝なので、滝の裏側に回り込めます

みんないい大人が無邪気にびしょ濡れになって大はしゃぎしてました

 

【キャノ・クリスタレス】岩の隙間にいたコウモリたち
岩の隙間に生息するコウモリたち

 

岩の隙間の奥にコウモリを発見

明るいうちは暗がりでスヤスヤとお休み中

このコウモリは吸血ではないそうなので、大丈夫

 

【キャノ・クリスタレス】なんとなくカラフルに見える?
なんとなくカラフルに見える?

 

気持~ち、色に変化が…

 

【キャノ・クリスタレス】潮溜まりのプール(甌穴)
潮溜まりのプール(甌穴)

 

水流で生まれた潮溜まりの円いプール・甌穴

川の水は無色透明なのに、光の加減で黄色や緑色に見える、ちょっとふしぎ…

 

【キャノ・クリスタレス】色がついて見えなくもない
色がついて見えなくもない

 

赤とか黄色とか緑のコントラスト

まぁ、強引にみれば、色んな色が混じって見えなくもない……

 

【キャノ・クリスタレス】これが一番カラフルっぽい
これが一番カラフルっぽい

 

この日は曇り気味というのもあって、光量が圧倒的に足りなかった

カラフルに見えるような…でもどんなに好意的に見ても、五色ではない…(トホホ)

 

【キャノ・クリスタレス】これはこれできれいですが、何だかなぁ
これはこれできれいですが、何だかなぁ

 

これはこれでキレイで絶景……

でも思い描いてたのと違う!!

思わずガイドの女の子に愚痴をこぼしてしまいました

地球の裏側にまで来て目的を達せられなかった、このやりきれなさと虚しさの行き場がない…

 

【キャノ・クリスタレス】もぐらたたきみたいな無数の甌穴
もぐらたたきみたいな無数の甌穴

 

展望台からのキャノ・クリスタルを見下ろす

たくさんの甌穴がもぐらたたきのように広がっていますね

 

【キャノ・クリスタレス】トレッキングしていると、時々訓練中の軍隊に遭遇
トレッキングしていると、時々訓練中の軍隊に遭遇

 

トレッキングをしていると、
時々ジャングルの中で訓練中の軍人さんにバッタリ出くわします

あまりに唐突なのでちょっとビビる

 

【キャノ・クリスタレス】中国の紅海灘風景区みたい
中国の紅海灘風景区みたい

 

中国遼寧省にある紅海灘風景区のような真っ赤な絨毯
あっちはマツナと呼ばれる海藻の一種が紅葉している姿ですが…

見事ですねぇ

 

【キャノ・クリスタレス】グラデーションかかった緑色の藻
グラデーションかかった緑色の藻

 

日が陰っているエリアでは、グラデーションがかかった緑色の藻を発見

この濃淡強弱が、幻の“五色の川”を形成するんですね

 

【キャノ・クリスタレス】緑の川も美しい
緑の川も美しい

 

緑色の川も、これはこれで美しい

 

【キャノ・クリスタレス】おっさんたちは愛しの水遊びタイム
おっさんたちは愛しの水遊びタイム

 

おっさんたちはとにかく水遊びが好き
いや、欧米系の人たちは男女関係なく水遊びが好き

ちなみに、川には小魚もたくさん泳いでいます

水温は比較的ぬるめ

 

【キャノ・クリスタレス】ジャングルの奥地に眠るキャノ・クリスタレス
ジャングルの奥地に眠るキャノ・クリスタレス

 

観光地化してまもないキャノ・クリスタレスは
遊歩道はなく自然のまんまで、ジャングルの道なき道を歩く

ガイドなしでは絶対迷うので、団体にはぐれないように必死でした

 

【キャノ・クリスタレス】徐々に晴れ間が見えてきました
徐々に晴れ間が見えてきました

 

曇っていた空が、後半、ようやく晴れ間が見えてきました

 

【キャノ・クリスタレス】巨大なガマガエル岩
巨大なガマガエル岩

 

道中見つけた、巨大ガマガエルみたいな奇岩

アイーンみたいな受け口になっている……

 

【キャノ・クリスタレス】観葉植物みたいなのがぶら下がってた
観葉植物みたいなのがぶら下がってた

 

マリモのような、観葉植物みたいな緑の物体がぶら下がってた…

 

【キャノ・クリスタレス】赤の絨毯の川もこれで見納め
赤の絨毯の川もこれで見納め

 

いよいよツアーも終盤

キャノ・クリスタレスの赤じゅうたんの川もこれで見納めです

 

【キャノ・クリスタレス】いつかリベンジした!
いつかリベンジした!

 

これはこれで世界に類を見ない、
真っ赤な川だったけれど、本領発揮の“五色の川”が見られなくて本当にショックでした

また機会があれば、リベンジしたいですね

 

【キャノ・クリスタレス】民家に飼われているお猿さん
とある民家で飼われているお猿さん

 

とある民家で飼われていた、やたら人懐っこいお猿さん

彼のGo Rroに興味津々です
違いが分かる猿ですね

 

【キャノ・クリスタレス】WAOキツネザルみたいな猿もいた
WAOキツネザルみたいな猿もいた

 

アライグマみたいな、マダガスカルに生息するWAOキツネザルみたいなしっぽフッサフサのお猿さんもいた

こちらでは猿が普通にペットなのだろうか…

 

————————–

というわけで、
キャノ・クリスタレス訪問機は以上

最後までご覧いただきありがとうございました

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事