■ スポット名:レンソイス・マラニャンセス(Lençóis Maranhenses)
■ 訪問国地域:ブラジル、マニャラン州 Maranhão, Brazil ※文中の情報は2009年9月現在のものです
<レンソイス・マラニャンセスの所在地>
石英が結晶化してできた白亜の砂漠は、6~9月の雨季のシーズンだけ、無数のエメラルドグリーンのオアシスが突如姿を現します。その奇跡の絶景は、衛星写真(Google Earth)からもわかるほど!
2009年に訪れた記録ですが、現在もそれほど内容変わってないようなので、ご参考下さい。
世界中の旅行者が憧れる白と紺碧の絶景、「レンソイス・マラニャンセス国立公園」
その玄関口となるのは、ブラジル北東部にあるマラニョン州サン・ルイス
サンパウロから飛行機でサンルイス空港に到着したのは深夜02:30頃
当時はまだそれほどネット社会ではなく、日本で手に入る情報も少なめで、誰かの旅行記を頼りに行き当たりばったりで赴いたのですが
辛うじて開いていたインフォメーションの女性に尋ねると、なんと彼女は英語が話せずポルトガル語オンリー、、、
“観光案内所の人間は最低限英語は話せる”
なんていう日本の甘い常識を打ち砕かれ、とりあえず身振り手振りで応戦
このときは、レンソイスの拠点バヘリーニャスへ向かうバスがどこから出発しているか事前に確認したかったのです
結局、インフォメーションの女性は言葉の壁を越えてとても親切だったので
身振り手振りで何とか意思の疎通を図り、結果、バヘリーニャスへ向かうミニバスの手配をしてもらえました…ホッ
そうして、バスがやってくる時間まで空港内で夜を明かす事になりました
空港内にあった巨大な壁画
移民時代を表現しているのでしょうか
ちなみに、サンルイスは田舎の空港ですが、こじんまりとしつつも併設のカフェは24時間OPEN
清掃も行き届き、清潔感あふれた空港です
カフェのテーブスと椅子を拝借して仮眠をとり、朝5時起きで身支度を整え、所定の場所でバスを待機
早朝05:45、ほぼスケジュール通りにピックアップ
片道BRL35(2009年当時、約1750円、後払い)
バヘリーニャスまでは4時間ほどのドライブです
2時間ぐらい走ったところで食事休憩のためドライブインで立ち寄り
ランチタイムは約30分
ドライブインのレストランはブッフェスタイルでBRL8.00(約400円)
ハムやチーズ、パン、パウンドケーキ、サラダ、フルーツetc…と見た目はとても美味しそうでした
わたしはついケチッて隣接の商店でアイスクリームだけオーダー(BRL3=約150円)
ちなみに、このドライブインにはパソコンが2台設置されていてネットが無料で使えました
通信速度は遅いですが、一応、日本語サイトの閲覧は可能でした(2009年当時)
レンソイス・マラニャンセスのおかげで観光開発が進んでいるとはいえ、バヘリーニャスは未だ発展途上の港町
例にもれず、宿を決めていなかったので、
バスのドライバーに旅行代理店まで送ってもらい、そこで今日と明日の日帰りツアーと宿(Pousada、ポウサーダ)をアレンジしてもらいました
代理店は親切で、予算に応じたホテルを案内
で、こちらが今回の旅で泊まった宿
このとき泊まった宿は、中心地から徒歩10分程度のところにある「Pousada Sao Jose(ポウサーダ・サオ・ジョセ)」
当然「◯◯の歩き方」には未掲載の小さな小さな現地宿
1泊BRL50(約2,500円)で朝食ブッフェ付
部屋はシャワー・トイレ付きですが、シンプルで無駄が一切ない…当然、空調エアコンもない(扇風機はあった)
まぁ昼間はほぼ出かけているので寝られれば全然良いのですが、ベッドにアリンコが出たのがちょっと難ありでした…
宿のオーナーはポルトガル語オンリーでしたが、とても気さくで朗らかで親切なおっちゃんでした
バヘリーニャスは風のまちでもあるので、画像ではわかりにくいですが、常に突風が吹き荒れています
目と鼻の先に砂丘があるので、砂混じりの風が吹き荒れていて、建物や道路はご覧の通り砂だらけ
何だか桜島噴火後の灰が積もった鹿児島市街みたい……
しかし、コンタクトの人は、まず眼が死にます・汗
ついでに精密機械もやられます
くれぐれも持ち運び、取り扱いには注意しましょう…
ツアーは翌日なので、とりあえず初日は街を散策
バヘリーニャスの目抜き通り、ベイラ・リオ通り(Av. Beira Rio)
ここだけ妙にきれいに整備され、小洒落たレストランや高級ホテルが立ち並んでいました(といっても数軒程度)
ちなみに、この近くに一応インターネットカフェもありました ※2009年当時はまだガラケーの時代(汗
翌日参加した現地ツアーは3人×3列がけの大きなサファリジープで移動
参加客は、現地ブラジル人か欧米人ばかりで、アジア人はわたし独り…
(ただし、別ツアーに一人の日本人観光客を見かけましたが)
そして、ツアーガイドのお兄ちゃんはポルトガル語のみ
乗客はポルトガル語、スペイン語、時にイタリア語まで飛び交っちゃって、もはやちんぷんかんぷん
そうこうするうちに、バヘリーニャスとレンソイスにまたがるプレグィシャス川の渡し船乗り場に到着
乗客は一旦車から降ります
重厚なジープが数台載っても問題ない頑丈な渡し船
見た目は一見ボロくてお世辞にも安心感はないですが、意外に頼もしい
ものの数分で対岸に渡ります
道なき道、壮絶な悪路で死にそうになりながらジープに揺られること30~40分
いよいよレンソイス・マラニャンセスに到着!
ここからは徒歩、裸足になって移動します!
(砂が細かすぎて、裸足になったほうがラク)
砂丘を登った先には、、、憧れの白と紺碧の絶景・レンソイス!!
レンソイス・マラニャンセスは純白の砂丘で、その大きさは沖縄本島ほど
Google Earthの衛星写真で白い姿が目視できるほどです
太平洋に面しているため潮風が強く、砂混じりの突風で目潰しをくらう
そして何より、砂がサラサラ過ぎて前に進むのも一苦労
「レンソイス」とは、ポルトガル語で「シーツ」、
「マラニャンセス」というのは「マラニョン州の」という意味
風によって刻まれた白の風紋が真っ白なシーツを広げたように見えることから名づけられたそう
そして、レンソイスの白い砂はほぼ100%石英の結晶でできており、数万年という長い年月をかけて細かく砕かれ磨き上げられた微粒子なのです
レンソイスに訪れる雨季(1~6月頃)に伴い突如出現するミステリーな砂漠のオアシス
地質学的には、雨季になると、石英の砂の層の下に溜まっていた地下水が雨によって水位が増し、砂丘の谷間に湧き出るのだそう
そして9月、10月から徐々にオアシスは消え、乾季には普通の白砂漠に戻ります
特にベストシーズンは5~6月頃といわれ、セスナなどで上空から見ると白砂漠に無数に点在する紺碧のオアシスの絶景が広がるんです
珍しく自分を撮ってもらいました(撮るのは好きだけど自分が撮られるの嫌い)
浮かれてますね
ツアー仲間で水遊びタイム
わたしは水着を持ってなかったので写真ばかり撮ってました…
ちなみに、オアシスは地下水と雨水による淡水池なので全然しょっぱくありません
塩分がないなら、水から上がってもベタベタしなくていいですね
それにしても、水中になぜか小魚がウヨウヨ泳いでいます
現在分かっているだけでも10種類以上の魚が生息し、
乾季の間どうしているのかというと、地下水が存在する砂の下にもぐり、ジッと雨季が来るのを耐えて待っている…と言われていますが、その真相は未だ謎
ベストシーズンの5~6月以降ももちろんオアシスはしばらく残っていますが、8月以降になると藻が繁殖し、エメラルドグリーン色が強くなります
さらに9月以降からだんだん干上がり、11月頃になると縮小しすぎて見応えがない、とのことでした
池の深さは思ったほどではないですね
とはいえ、背の高い欧米人が頭まで浸かっているのを見ると、中央付近はそこそこ深いようです
水温はぬるいというか、あたたかい感じ
この白砂、美しいからといって油断すると痛い目に遭います
粒子が恐ろしく細かいので、隙間という隙間に侵入してきます
要するに、目鼻耳口など人間に存在する穴という穴に侵入し、かつ衣服のポケットやリュック等の縫製部分、カメラや携帯の接合部分、あらゆるところに侵入し、精密機械は特にすべて殺られます(冗談抜きで)
現地で壊れたデジカメや携帯に嘆く愚かな観光客を何人も見ました
大げさだと思わずに、現地行かれる方は隙間という隙間は養生テープ等で防御していきましょう
パッと見る限りでは、ビーチにいるようですよね
でも砂漠のオアシスなんです
そういえば、ここで日本人らしき人に出会いました
2009年当時はまだそれほどレンソイスの認知度は高くなかったですが、日本人の中でも絶景アンテナに敏感な方は意外といるんですね
砂漠には、当然、脱衣所や身を隠す場所もほぼないので、あらかじめ水着を着て行きます
もちろんトイレもないので注意が必要
それと、砂漠は広大で分かりにくいので、自分が参加するツアーメンバーやガイドを見失わないように…でないとジープへ戻れなくなります
個人的には、米国ホワイトサンズ国定公園を想起させる風景
とはいえ、あそこは単なる白砂丘で、オアシスはないですが(規模もぜんぜん違う)
ふしぎな風紋……
ちなみに、
毎日催行されるツアーにはLagoa Peixie(ラゴーア・ペイシェ=魚の池)とLagoa Azul(ラゴーア・アズール=青い池)がありますが、
実はさらに離れたところに「Lagoa Bonita(ラゴーア・ボニータ)」という池があり、ここが別格の美しさだそうです
めちゃくちゃ行きたかったのですが、このときはタイムオーバーで行けませんでした
水遊びを終え一休みしたら、今度は見晴らしの丘へ移動
観光客みんなでサンセットを待ちます
うっすら写ってますが、強風で砂が舞っています
顔にバシバシ当たって痛い
だんだん日没に近づきます
どこまでも広がる白い砂丘で暮れゆく太陽……ロマンチック
なんて思いにふける余裕を与えないほど、すさまじい風で目が開けていられません
サングラスも必携です
見晴らしの丘の目印の旗
そうして、いよいよサンセット
苦労してここまで訪れて、念願のレンソイスをこの目で見られて、胸中にこみ上げるものがあります・・・
上空から見られなかったことと、ベストシーズンでなかったのが心残りですが…
そんな感慨にふけりながら、日が暮れた後は再びジープに乗り込み、もと来た壮絶な悪路を悲鳴を上げながら帰りました
現在は、あの悪路はもう少し整備されていることを祈ります……
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というわけで、
レンソイス・マラニャンセス訪問記は以上でした
最後までご覧いただきありがとうございました