【訪問場所 Visited Site】愛のトンネル Tunnel of Love, Rivne, Ukraine
※文中の料金等は2019年6月現在のものです
「死ぬまでに一度は見たい絶景」としてよく選ばれるのが、ウクライナにある恋人たちの聖地「愛のトンネル(Tunnel of Love)」
どこまでも続くような明るい緑のトンネルはたしかに絶景です
2022年2月に勃発したロシア軍によるウクライナ侵攻、「愛のトンネル」のあるリウネはウクライナ西部の都市リヴィウに比較的近いため、その被害や影響度合いはよくわかりませんが、仮に被害がなくても、少なくとも今後そう簡単訪れることは難しいかもしれません
というわけで、またいつか普通に観光できるときのために、改めて「愛のトンネル」訪問記を整理しました
「愛のトンネル」の所在地 Tunnel of Love Location Map
「愛のトンネル」のあるリウネ(Rivne)は、首都キーウ(キエフ)中心から西へ約360km、車で約5~6時間は軽くかかります
fa-arrow-circle-o-down地図をクリックしたらGoogle Mapに飛びますウクライナの国土は日本の本州とほぼ同じ
約360kmといったら東京-大阪間と大して変わらないので、どんだけ離れているか想像できるかと思います
キエフ国際空港からレンタカーで出発
ウクライナの首都・キエフ国際空港に到着後、Budgetレンタカーで手続きをして、そのまますぐにレンタカーでスタート
ウクライナでのレンタカーは、借りるまでがいろいろ面倒くさいですが、国際免許証でもちろん借りられます!
今回用意されたのはフォルクスワーゲンのポロ
欲を言えば、日本車の方が燃費が良くてよかったのですが、仕方ない
しかも、できるだけ小さいコンパクトカーでとお願いしたのに、結局、普通のセダン
(大きな車を運転するのが苦手)
まぁ、日本に比べて道が広いからいいんですが…
というわけで、フォルクスワーゲンを相棒に、西部の地方都市リウネにある「愛のトンネル」を一路目指しました!
「愛のトンネル」訪問
「愛のトンネル」の拠点、リウネに到着
まず向かったのは、「愛のトンネル」の拠点となるウクライナ北西部の地方都市・リウネ(Rivne、ウクライナ語ではРівне)
さらに「愛のトンネル」はリウネ郊外のクレーヴェン(ウクライナ語ではКлевань)という小さな田舎町に存在します
ウクライナ語はわからないので、書かれてあることの意味は不明ですが、それにしてもこの絵の微妙なセンス…
もうちょっとあるだろ、と突っ込んでしまいました
ここ近年に設置されたようです
これは、昔から掛けられた住民お手製の案内板(「ここから約1.3km」と書かれている)
風雪にさらされて年季入ってる感じ
この閑静な住宅地の道を抜けていきます
まさかこの先に、かの有名な「愛のトンネル」が存在するとはにわかには信じがたい
曲がりなりにも世界的に有名になった場所
お土産屋やレストランなどがひしめき合ってもいいもんですが、とにかく何もなく閑散
商売っ気を発揮しないウクライナ人の控えめな国民気質が伺えます
(中国人だったらおそらく1ヶ月もしないで見違えるような観光地になると思われます)
「愛のトンネル」に到着
ようやく駐車場に到着
駐車場は結構広くて、意外にもキレイに整備されていました
ゲートなどはないので駐車無料です
ちなみに、道中よく野良犬を見かけました
ここを訪れた方々の旅行記を見ると、以前はトンネル内に棲み着いてたらしいのですが、観光客に迷惑がかかるからと住民が追い出したのかもしれないですね
入口付近にはこんなベタなブリキのオブジェが設置されてました
小さな案内板は、残念ながらすべてウクライナ語とロシア語のみ
これだけ有名になっても英語併記を作り直さないとは……
トンネル入口前には、カフェ兼土産ショップ(おそらく宿泊も可能)ができてました
以前は何もなかったそうです
周りに公衆トイレらしきものはなく、トイレの際にはここのを借りるしかないようです
隣接して売店がありました
少しずつ観光地として整備が進められているようです
「愛のトンネル」に潜入
売店の前からトンネルがスタートします
線路脇にパラソルを立てて、物売りのおばちゃんが手作り雑貨を披露
「愛のトンネル」の四季折々の表情をプリントしたマグネットや冷えたドリンクなど
おばちゃんはもちろん英語は話せませんが、にこやかに接してはくれます
ちなみに2019年6月現在、「愛のトンネル」はまだ入場無料
観光地化が進めば、環境保全協力金などの名目で徴収される日も来るかもしれませんね
なぜかピクニックエリア
そのまま線路上を歩いても行けますが、駐車場前の林の中からも道はつながってます
林の中にはなぜか東屋などピクニックエリアが整備されてました
地元の方が遠足にでも来るのかな
残念なことに、地面には大量のゴミが散乱してました
環境意識が低いのだろうか
恋人たちに用意されたフォトスポット
さすがにこれに一人で座る勇気はありませんでした
大量の蚊の猛攻に遭遇
ピクニックエリアを抜け、いよいよトンネルの核心部へ!
そして、トンネルに足を踏み入れた瞬間、おびただしい蚊の猛攻がスタート
しかも、蚊の一匹一匹がとてつもなくデカい
顔や体中にバシバシ当たってくるのが、服の上からでもわかるほど
噂には聞いてましたが、これほどとは…!
特に初夏から夏にかけてがもっともひどいらしく、まさに蚊にとっては今が繁殖期
虫除けスプレーかけまくって、虫除けリングに長袖長ズボンと万全策を講じていても、お構い無しに服の上から刺そうとする強者もいて心が折れそうになります
そんな恐怖の様子を写真でお伝えできなくて誠に遺憾
とはいえ、うろたえているのはわたしぐらいで、他の欧米客やインド系の観光客は気にせずスタスタ歩いてました
しかも半袖短パンにサンダルという強者もいる
いつも思うけど、彼らの肌感覚はどうなっているのか…
林の中には小さな水たまりがいくつもあって、きっとそれが蚊の温床なのでしょう
環境保全協力金でも何でも払うから、なんとかして欲しい、ホント
願掛けの布たち
線路の両脇には、木の枝にくくられた色とりどりの細いリボンが目立つ
よく見ると名前とか文字が書かれていて、願いごとをしたためているらしい
どなたかのブログによると、近所のおじちゃんがお金になるかもと近年はじめたサービスとか
まぁ、トンネルの入口付近だけで奥に行くほどなくなっていきます
「愛のトンネル」の様子
入口付近はまだ普通の林で、スカスカしてる感じ
200~300mも進むと、だんだんそれっぽくなってきます
500mも進むと、いい感じに仕上がってきました
貨物列車通過!
時刻は朝9時半過ぎ
トンネルの奥の方から列車の警笛が聞こえてきました
これが噂の一日3回通るか通らないかという、幻の貨物列車!
ちなみに、恋人たちが列車を見ると願いが叶うとか幸せになるというジンクスがあるらしいです
偶然居合わせた珍しい光景につい興奮して、線路に乗り出して撮影
すると、遠くからけたたましい警笛で車掌が威嚇(注意)してきます
いったん線路から離れるも、なお写真を撮ろうと近づくと
目の前スレスレを列車がかすめて通過していきました
思っていた以上に列車の幅があって、あと数10cmで衝突しそうな距離に
血の気が引いた
すれ違いざまけたたましい音量の警笛を鳴らしながら、鬼の形相で車掌さんからにらまれ、なにやら大声で叫ばれた
おそらく「死にたいのか!この大馬鹿野郎!」的な雰囲気でしょう
そりゃ怒りますよね、迷惑行為してしまいました…
心から猛省
よいこの皆さんは決して真似しないように
ふたたび散策開始
しかし、思いのほか観光客が少ない
平日の午前中という時間帯もあるかも知れないけど、家族連れや学生グループ、老夫婦カップル程度
勝手に期待していた、いかにも「愛のトンネルで絵になるカップル」には出会えず
トンネルはこんなふうに空が抜けている箇所もあります
一応、ゴミ箱らしきものは設置されてたのですが、ないよりマシ程度のお粗末さ
ちなみに、これが全体の引き画像
実は、手前側の木は結構スカスカしてます
要するに、「愛のトンネル」を「愛のトンネル」たらしめる写真にするにはズームレンズ(あるいはトリミング)が必要ということ
その衝撃事実を知り、やはり百聞は一見にしかず…と思いました
そしてその代償には蚊の猛攻に耐えるという苦痛も伴います
「愛のトンネル」併設のカフェへ
いったんトンネル入口に戻ってきました
トイレに行きたかったのでカフェに立ち寄ります
階段には、ご丁寧に「WC(TOIET)」の表記が
トイレを使用したいと身振り手振りで伝えると、使用料を要求されました(たぶん40円ぐらい)
建物の裏手に回って、トイレへ
とても広くて新しめで清潔でした
トイレから戻って、のどが渇いていたのでキンキンに冷えた瓶コーラ(15フリブニャ=約65円)を購入
ウクライナは6月といえど日中は気温30度を超える猛暑日
マグネット土産とか物色していたら、店主のおじさんに「それよりこの宝石はどうだい?」とショーケースを案内された
かつてここリウネの地は琥珀(こはく)の産地だったらしい
でも宝石に興味なかったのでスルーしました
ふたたび「愛のトンネル」へ引き返す
気づいたら、今度は若いおねえさんが露店を開いていた
ハンドメイドのガラス細工やら食器やら…
一旦駐車場に戻ったものの、たまたまスマホで検索すると、線路の枕木すら覆い尽くす圧倒的な緑の「愛のトンネル」の画像を発見
この風景はまだ撮っていない!と焦って、結局、二度手間になってしまいましたが引き返すことに
後悔先に立たずですからね、またいつウクライナに来るかわからないし
線路の全長は6.5km、先程は500mほど進んでその風景はなかったので、今度は2kmほど進んでみることにします
線路の枕木にラブラブな落書き発見
「O+B=LOVE」…相合い傘的なものだろうか
1kmほど歩いたら、さっきより緑が詰まってきました!
まさに思い描く圧倒的な緑のトンネル
線路の枕木をも飲み込んでます
戻ってきてよかった…
ちなみに、1kmより先はあまり代わり映えせず、また2kmも歩くと逆に木々がスカスカになって見栄え良くないかも
というわけで、個人的な結論としては、1km圏内で撮影すればほぼ完璧な緑のトンネルが撮影できると思います(他の季節は不明)
13時頃、再び列車の警笛が轟く
2度も拝めるなんてツイてる!
今度は怒られないように線路から5m以上離れて待機
「愛のトンネル」散策終了
2kmの道のりを引き返し、再び駐車場へ
ようやく蚊の巣窟から解放されました…ホントに地獄のようだった
駐車場には大きなツアーバスが停まっていて、地元かロシア系のシニアの団体客っぽかった
駐車場の一角に「i(インフォメーション)」と書かれた観光案内所らしきものを発見
一応、覗いてみた
案内所の中には女性がひとり立っていて、勇気を出して話しかけてみたけど、その女性は英語が通じず、残念
しかし、お土産物はここが一番充実していて、愛のトンネルのグッズだけでなくリウネの特産品なども多数売られていた
なので、お土産買うときはこちらをおすすめします
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正味3時間滞在して写真撮りまくりましたが、真夏日の午前中は光のコントラストが強すぎてイマイチ
早朝か、逆に午後からの方が光が落ち着いてきれいに撮影できるかもしれません
愛のトンネルは、秋の黄葉、雪景色もそれは美しい景色だそうです
今度は別の表情を撮ってみたいですね
というわけで、ウクライナ「愛のトンネル」のレポートでした
お楽しみいただけたら嬉しいです
終わり