【訪問場所 Visited Site】スピシュ城 Spis Castle(Spissky hrad), Zehra, Slovakia
※文中の料金等は2019年6月現在のものです
大のジブリファンであり
大のラピュタ好きとしては
世界に転がっている「ジブリっぽい」とか「ラピュタっぽい」スポットはどうしても押さえておきたいわけで
スロバキアに行くまで実は知らなかった
世界遺産の中世古城「スピシュ城」
日本語としての情報は結構少ないのですが
すでに訪れた日本人の方々のブログなどを頼りに
レンタカーで訪れてみました!
所在地マップ Location Map
fa-arrow-circle-o-down Google Map動かせます。適当に拡大縮小してください
スピシュ城へのアクセス How To Get
スピシュ城へのアクセスは2通り
- 車で舗装道路を行き、正門から入るパターン
- 徒歩で最寄り町「スピーシュキェー・ポドフラドニェ(Spisske Podhradie)」から南門へ行くパターン
おそらく、レンタカーなど足がない場合は
通常「2.」のパターンが一般的
とはいえ、通常のGoogle Mapで見てしまうと
最寄り町からの道は見当たらないので
Google Earthに切り替えると未舗装の細い道が現れます
ただし、今回はレンタカーなので
「1.」のルートでお話を進めます
fa-arrow-circle-o-down 画像クリックしたらGoogle Earthに飛びます
いざ、スピシュ城へ
チェコから早朝よりレンタカーを飛ばして
北部にある避暑地シュトゥルブスケープレソ(Strabske Pleso)という湖を経由し
約390km走ったあとにようやく、ようやく見えてきたスピシュ城!
本当に丘の上に建っている!カッコイイ!
ポツンと一軒家、ならぬポツンと一中世の古城
と実は感動に浸ってもいられない
なぜなら、この時すでに17:30を回っており
最終入場時間18:00に迫っていた
気持ち、アクセル強めに踏んでしまう…
お城の標識
標識無くても、もう一目瞭然だけどね
標識からものの数分で駐車場到着
駐車場は9:00~19:00オープン
ここからは歩き
ほんの2~3台だけ駐まっていた
ま、閉店間際だしね
地図アプリ「Maps.me」では、この奥にお手洗いマークが表示されていたのだけど
どうやら情報が古くて、施設は潰れていた
結局、ここでも公衆トイレがない悲惨な結果に
(東欧は観光地でもトイレが見つけにくことが多い!)
ひとまず、トイレは後回しで、念願の天空の城へ!
最終入場18時まであと10分、果たして間に合うか?!
左の、ショートカットだけど未舗装の獣道を行くか
右の、若干遠回りだけど舗装の車道をゆくかの分岐に差し掛かる
未舗装の獣道は距離は短いけど勾配がきつい
というわけで、とりあえず行きは車道をゆくことにした
閉館時間間際とはいえ、誰も降りてこない
静まり返っている
というか、
ここから見た田園風景が息を呑むほど美しかった
チェコのモラヴィアわざわざ行かなくても良かったんじゃないかと思うぐらい
緑のカーペットとパッチワークの田畑が広がっていた
5分も歩いたら、古城に近づいてきた
あぁ、この廃れた感じ、カッコイイ!
このとき、正門に向かう一台の車とすれ違い
ドライバーのおっちゃんに何やら話しかけられたけど
面倒臭くてスルーしてしまった
そうこうするうちに、いよいよ入口に到着!
この古城の朽ち果てた感
塔の崩落ぶり
哀愁漂う廃城の雰囲気がいい
18世紀後半の火災焼失までは
数奇な運命たどりつつも
一国の王宮として繁栄したスピシュ城
今は一部復元されて当時の面影が蘇ってるけど
この全体的な退廃感、廃城マニア垂涎でしょう、きっと
天空の城ラピュタの庭園にありそうな感じ
正面ゲート到着
この駐車場は関係者用なので一般は駐めちゃダメ
あ~、やはり時すでに遅し
のんびり写真撮ってる場合じゃなかった
18時をちょっと回ってしまった…
門横のUNESCOマークが切ない
ここまで来て無念
しかたないので城門周辺を散策
スロバキア語と英語併記の解説板
さすが世界遺産は英語でもあるよね
これ以外にもこのお城の中で催されるイベントポスターなんかもあった
う~ん、カッコイイねぇ
中入って見てみかった
城砦に開けられた窓
単なる監視用か、それとも砲台か
穴からは駐車場が見える
すると背後から、
さっき声をかけてきたおっちゃんが
「こっちおいで、入れてあげるから!」という
どうやら城のスタッフ、しかも責任者的な人だったらしい
すでに閉じられた門が開き、特別に中に通してくれた!
なんてラッキー!普通にいい人だった!神!
おじさん、さっきは無視してごめんなさい、猛省
「この周辺を撮るだけならいいよ、どうぞご自由に」と促される
そばにいた他のスタッフにも「この子に写真撮らせてあげるから」と
伝えてくれているみたいだった
あぁ、マジでいい人!
こんな言葉もわからないあやしいアジアの女なのに!
お言葉に甘えて城の周辺を散策
もちろん、城には入れないけれど
(どっちにしても城の中の博物館は閉まってるし)
当然、入口近くに並ぶカフェなどのお店は店じまい
閑散
うぉ~、天空の城ラピュタ、もといスピシュ城!
ここでだれが滅びのまじない「バルス」を唱えたんだ!
城の中にはこんな簡単な軽食カフェしかないそうです
もし、訪れる場合はなにか食べるものを持参したほうがよさそうですね
しかし、スタッフは帰り支度してとっとと帰りたそう
さっきのおじさんが中庭へ手招きしてくれて
「ここも撮っていいよ」と
なんだここ!手入れが行き届いた芝の中庭!
通常は園内でピクニックもできるそうです
ウェディングフォトなんかの撮影にも使われるとか
石積みの城砦がカッコイイ
城砦に沿って、南門からずっと遊歩道が渡されてますね
街の方から歩いて上がってきた人は
南門(中庭の先端)にたどり着くようです
芝生をちょこまか動く小動物がいると思ったら
リスが3匹ぐらいいいた
かわいい、ほっこり
最後にもう一回見納め
あわよくば、雲の上に頭をのぞかせる城の姿を見てみたかったけど
まぁ、それは欲張りなお願い
入れないはずだった城内に入れただけでも満足
おじさんにお礼を言う際に
夜間のライトアップについて尋ねてみた
「確かに、暗くなったら夜間ライトアップするよ
でもね、この城は朝の方が最高に美しいよ!」
と熱く語ってくれた
日の出か…
でもそんなに熱く語られたら、ここまで来て見ないで去るのは女がすたる
そんなわけで、ここの駐車場で車中泊することに決めた
帰りは獣道で降りてみた
結構勾配がきつい
けど、思ったほど土は滑らないので歩きやすい
振り向くと、やっぱりカッコイイ
駐車場脇にあった物置小屋らしきもの
これがトイレだったら…
今度は駐車場側にある小高い丘に登ってみた
おそらくお城が正面に見えるはず
なんと、丘にはかわいらしい野の花が咲き乱れていた
どこまでもラピュタモードで攻めて(?)くる
テンション上げ上げだね!
5分も登ったら丘の上に到着
美しい芝のビロードが広がっていた
これだけでも美しいのですが…
かわいらしい白い花が咲いていたり
もうホントにラピュタの庭園そっくりで
思わずヒタキの巣が隠れていないか、探してしまいましたよ
なかったけど
想像通り、スピシュ城を正面に拝めて絶好のポジションだった
ここから夜間ライトアップを見よう!
しかし、ここからの田園風景も最高だった
いや、ホントにモラヴィア並か、それ以上に美しい
ため息漏れる
6月の東欧は日が暮れるのが遅い
ようやく日が暮れかかったのは22時過ぎ
やっと夜間ライトアップされてきた
派手さはないけど、夜空に浮かび上がって幻想的!
丘の上に三脚持って登ったら
さっきまで張ってなかった小さなテントがあって
中で欧米系カップルがいちゃいちゃ、おしゃべりしていた
一瞬目が合って気まずい空気が流れつつも
すぐにカップルが気にせずいちゃつきはじめたので
わたしも無視して撮影にいそしむことに
うとうとと車の中で寝ていたら
気づいたら駐車場には自分の車は一台だけ
さらに、夜中の3時に目が覚めて夜空を見上げたら
満天の星!雲が晴れていた
あいにく天の川は見えなかったけど
開放値の高いレンズとレリーズ持ってなかったので
まったくうまく撮れなかったけど
実物はもっと美しい星空です
そして朝の5時近く
6月の東欧は、日が沈むのが遅ければ夜明けは結構早い
日が短いのです
5時にはすでに日はだいぶ昇っていた
スピシュ城のおじさんが熱く語っていた「朝日が絶景」を確かめに
急いで駐車場の丘の上に向かう
そしたら、テント張ってたカップルはいつの間にかいなくなっていた
誰もいない丘の上で
朝日に包まれていく美しきスピシュ城を独り占め
おぉ~絵画みたい
というか、
正直、スピシュ城よりも
放射熱なのか朝靄か、霞がかかった対岸の田が最高だった
背後から光輝く朝日が差し込んで
思わず手を合わせたくなる神々しさ
神様、今日もありがとう
スピシュ城の夜も次第に明けていく
彼方にある
スピシュ城の城下町スピーシュキェー・ポドフラドニェ上空には
雲海がたなびいていた
あれが全体に広がれば、まさに天空の城になるんだけどなぁ。。。
いや、そっちの景色よりも
やっぱりこちらの田園風景に終始釘付けだった
神が降臨してきそうなこの世のものとは思えない神々しさ…
シシ神降臨する?
見納めに再びスピシュ城城門へ向かってみた
時間はすでに6時近く
さすがに人はいないだろうと車で向かって関係者駐車場に駐めていたら
なんと6時半頃に早くも第一スタッフ出勤
お互いビックリ
一瞬、ギョッとされつつ
「すみません、すぐ車どきます」と身振りで挨拶して最後の一枚を撮った
結局、期待した雲海の広がりは見られなかったけど
もう十分満足
というわけで、
ラピュタに登場しそうな「天空の城スピシュ城」でした
ジブリファンが世界で見つけた
「ここラピュタっぽい!」というスポットはあまたありますが
ここは、その哀しい歴史もビジュアルもラピュタの世界観とマッチして
ラピュタファンなら納得満足できるスポットだと思います
とりあえず、お手洗いがないことぐらいがネックなだけで(汗)
そうして、このあとはスロバキア南部にあるドブシンスカ氷穴へ向かいました
では、今回も長々とご覧、ご清聴いただきありがとうございました
終わり