<作成日:2018年3月6日|更新日 2024年8月14日>
フィリピン北部の山岳地帯
世界遺産の棚田があるバナウェから3時間離れたところにある小さな山村「サガダ」
サガダと言えば、洞窟探検がメジャー
その一方でハンギング・コフィンの伝統埋葬の風習も有名です
ちょっとオカルトチックな響きですが
実際は厳かな雰囲気で
近寄りがたい神聖な感じもするふしぎな場所です
ハンギング・コフィンの情報をまとめてみました(情報は2018年現在、一部2023年に更新しています)
ハンギングコフィンの所在地 Hanging Coffins location Map
観光案内所からハンギング・コフィンのあるエコーバレーまで片道おおむね徒歩30分
※ルートはかなりざっくりです
クリックしたらGoogle Mapに飛びます
【エコーバレー ハンギング・コフィンのハイキングルート詳細 Echo Valley / Hanging Coffins route map】
1.観光案内所(ガイド同伴)スタート
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2.バスケットコートのある広場から教会方向を歩く
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3.セント・メアリー・ザ・バージン教会を左に見ながら通過
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4.エコーバレー入口到着(営業時間 7:00~17:00):環境税支払レシート提出、入場受付
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5.階段昇って左手、ゲート入口で入場料P10支払
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6.道なりに歩くと教会墓地に到着
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7.墓地を突っ切る
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8.エコーバレーのトレイルに抜ける
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9.舗装道路をひたすら下る
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10.だんだん未舗装、ゴツゴツ岩も現れる
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11.ロッククライミングの岩場が現れる
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12.上からハンギングコフィンのある崖が見える
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13.地上到着、ハンギング・コフィンで記念撮影
(以上、所要時間約30分)
ハンギング・コフィンの概要 Hanging Coffin Basic information
- 歴 史:2000年以上
- 民 族:イゴロット族
- 対 象:自然死した大人のご遺体(事故とか殺人とかは違うらしい)
- 実 施:原則、生前の本人の遺志に基づく
- 木 棺:丸太をくり抜いたものが多い。大きさは1m前後、近代になって2mもある。蓋には平和と富、永遠の象徴「ヤモリ」の彫刻
- 付属品:儀式に使った木製椅子、本人の遺志で十字架などを吊るせる
- 儀 式:①ご遺体を胎児のように小さく丸める→②木製の椅子(サンガジル sangadil、死の椅子ともいう)に藤の蔓でくくりつける→③毛布でくるめる→④正面玄関の前に置く→③煙でいぶす、燻製状態にする(遺体の腐敗の進行速度と腐敗臭を抑えるため)→④5日間置く→⑤(その間、親族・知り合いがお別れの挨拶)→⑥用意した棺を崖に打ち付ける→⑦改めて毛布にくるめる→⑧棺に埋葬→終わり
※入りきらない場合は骨を折ったり切ったりして無理やり詰め込むらしい(近代に入ると止めたらしい) - 生 贄:ハンギング・コフィンをするとき、豚を3頭、ニワトリを2匹殺して捧げる。数がないときは豚1頭、ニワトリ2匹。「5」「3」の奇数に合わせるのがルール
- 理 由:①より高い位置に置くことで先祖の霊に近づける、②土葬の場合、土中に含まれる水分で腐敗が早く進むのがイヤ、③野犬に死体を荒らされないように、④古代に存在した首狩り族から難を逃れるため(トロフィーのように死体の首を刈っては持ち帰ることがあったらしい)
- 死生観:生まれたときは胎児のかたちで生の世界に入り、死ぬときはまた胎児のかたちで生の世界から出ていくという考え方。そうして転生を繰り返す
- 現 在:2010年の女性の棺が最後。以降は廃れてキリスト教による土葬が一般的。ただし、本人の遺志があれば実施は可能とのこと
エコーバレー ハンギング・コフィンに係る費用 Rates of Echo Valley Hanging Coffin
※2023年現在
- 環境税:P50
- 入場料:P10
- ガイド料:(1~10人まで)P300、(11人)P400、(12~20人)P600
ハンギング・コフィンに関するサイト基本情報 Hanging Coffin related websites
※★……おすすめサイト
サガダに関するサイト
- Sagada Municipal Tourist Information Center:Sagada Tourism Facebook ★
┗ もっとも最新情報がアップデートされている - Wikipedia「Sagada」
- Go Baguio「How to Get to Sagada, Philippines」
┗ バギオからサガダまでのアクセス方法紹介。若干情報古いかも - PINOY SOLO BACKPACKER「SAGADA TRAVEL GUIDE2017(Budget & Itinerary)」(2017/8/11公開) ★
┗ サガダへの行き方、見どころ、グルメなど観光ガイドとして詳細
ハンギング・コフィンに関するガイド・旅行ブログ
- ROUGH GUIDE「The hanging coffins of Sagada, Philippines」(2021/6/14更新)(英語)★
┗ ハンギング・コフィンの風習に関する詳細な説明、部族の長老に聞いた話が紹介されている - OUR AWESOME PLANET「SAGADA DEATH RITUALS: On Hanging Coffins, Panag-Apoy and Echoes of Old Igorot Traditions」(2016/11/11公開)(英語)
┗ 世界のハンギング・コフィンにも触れている - Discover the Philippines「Hanging Coffins in Sagada」(2023年12月公開)(英語)★
┗ 非常に詳細 - FILIPIKNOW「Unusual Cemetery: The Hanging Coffins of Sagada」(英語)
┗ 儀式の内容が結構詳しい - Wikipedia Japan「吊るされた棺」
┗ 世界のハンギング・コフィン(中国、インドネシア)の紹介 - 高原都市バギオ。 雲にのって、心のままに……「フィリピンの若い女性が書いた 「サガダのハンギング棺(コフィン)」」(2016/4/14配信)★
┗ ハンギング・コフィンの慣習についてもっとも詳しく参考になる記事 - 心に残る家族葬さん「棺を断崖に吊るすフィリピンの少し変わった葬送「ハンギング・コフィン」」(2009/04配信) ★
┗ こちらも詳しい記事。とても参考になる - Paradise Englishさん「浮いている棺?洞窟?フィリピンの絶景が見れる街「サガダ」」(2017/09/18更新)
┗ サガダ周辺の見どころ紹介の一つとしてハンギング・コフィンを紹介。記述は少ないけれど参考になる - トラベルjp<LINEトラベルjp>遠藤まさみさん「断崖に棺!不思議な埋葬を見にフィリピン「サガダ」に行こう」(2015/06/20配信)★
┗ サガダの見どころを余すことなく端的に紹介。非常に参考になりました
ルミアン洞窟のコフィン(洞窟前に埋葬された棺群)に関するサイト
- Lonely Planet「Lumiang Burial Cave」(英語)
┗ ルミアン洞窟に関する概要説明 - Atlas Obscura「Lumiang Cave」(英語)
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以上、参考になれば幸いです
ご清聴ありがとうございました。