■ スポット名:カワイジェン火山(Kawah Ijen Volcano)
■ 訪問国地域:インドネシアの東ジャワ島(East Jawa of Indonesia) ※文中の情報は2015年5月現在のものです
<カワイジェン火山の所在地>
闇夜に燃える蒼い神秘の炎・ブルーファイアは、東ジャワの人気スポットです。
有毒ガスが蔓延している火口湖でのブルーファイアはガスマスクが必携……まさに命がけのトレッキング
しかし、三脚忘れたのでピンボケ写真ばかりです。迫力に欠けてスミマセン
インドネシアのジャワ島東部にあるカワ・イジェン(Kawah Ijen、「Kwah(カワ)」はインドネシア語で「山」の意味、なのでイジェン火山)。
未だ活火山として活動を続けるカワ・イジェンでは、火口付近で燃え続ける青い炎(ブルーファイア)を見学するツアーがとても人気
わたしの場合はネットを通じて現地旅行代理店へ事前予約していきましたが、それでおよそ2万円(これでも値切った)
しかし、現地で申し込めばその半分、1万円程度で参加できたようでした…… ※2015年当時
ちょっと失敗した…
それはともかく、
実際訪れてみると、日本人の多さにビックリ!
少なくとも20人近くいる大所帯のツアー中、日本人は最低5名はいた
マニアックだと思っていたけど、やはり集まるところに集まるもんですね
送迎バスが来て、深夜3時にホテルを出発
イジェン火山の登山口付近には観光客が多数たむろっています
想像以上に整備された登山道は電灯が少ないため、ヘッドライトや手元のライトが頼り
ブルーファイアのある山頂までは片道およそ1時間半の行程です
いったん登りきった山を、今度はゴツゴツ急斜面の岩場を下っていきます
電灯はなくなり、足元が滑りやすく、かなり要注意(軍手があっても良かった
火口から流れ込む有毒ガスとすさまじい煙で喉が息苦しくなってきます
”山頂はシャレにならないぐらい厳しいのでガスマスクおすすめ”、という噂を聞いていたので、Amazonで事前に購入(2,000円程度の塗装工事用)していったものの、それつけても喉が焼け付くように苦しく、イタイ
欧米系の観光客の中には、かなり本格的な、頭まですっぽりかぶるガスマスクをしている人もいました
かと思えば、完全に甘く見て何も持ってきていない人、花粉症マスクで対応する人、ハンカチで口を覆うだけの命知らずな可型も多数いてビックリ
(その人達は終始死にそうになってた)
ガスマスクは現地でも貸し出ししていましたが、結構高そうだし、人の使いまわしはちょっと怖いですね
苦労してようやくたどり着いた憧れのブルーファイア!
火山の岩の隙間から有毒な硫化水素が噴き出し、それが高温で燃え続けているのだそうです
この青さ、ガズバーナーを想像していただければ分かりますよね
もっとも高温の部分が青く輝いているのです
なのでちょっとふれただけで火傷どころではすみません
そして、ここは火口でもあるので風が吹き溜まって煙がグルグル舞っています
体中が有毒ガスと煙に巻かれ、ゲホゲホ死にそうになりながらも、その想像以上に妖しく美しい蒼い炎に魅せられていきました
ブルーファイアの近くでは、現地の人がマスクもつけずに黙々と硫黄の固まりを採掘しています
運びやすいかたちに砕いて麓まで運び、それをまちの工場で売ればかなりの稼ぎになるそうです
平均賃金の安いインドネシア
家族のため、寿命を縮めてまでこの仕事に携わる人が多いとか……まさに命がけの職業
硫黄のかたまりを加工して、道中で売っている人もいました
ブルーファイアのエリアはそれほど広くないのですが、とにかくこの日は風が強く硫黄の煙が充満しすぎて、肝心の蒼い炎が見え隠れしてよく見えない
それにしても、三脚忘れたため、ブレブレです(泣)
ブルーファイアを至近距離で撮影しようと、岩壁をよじ登っていく命知らずな観光客がちらほらいましたが、あまりの有毒ガスに舌を巻いて逃げ降りる人続出でした
ブルーファイアのお隣にたたずむエメラルドグリーンの火口湖
光を当てて湖があることに気づきました
現地の人は、竹籠に木を渡しただけの、こんなアナログな運搬方法で80kgほどもある硫黄の塊を麓まで運びます
いいお金になるとはいえ、過酷すぎる労働です
こんな感じで、4㎞もある岩場の登りと、山道を下っていかねばなりません
生活のためとはいえ、ほんと、頭が下がりますね
巨大な硫黄の岩塊
右に人が立っているので、大きさが一目瞭然
硫黄の臭気が、日本の硫黄温泉の何十倍もあって鼻が曲がりそうです
夜が明けたらブルーファイアは見えなくなります
束の間の炎の宴
ホント、ここまで来て三脚忘れるなんて、どうかしてます(泣)
まぁ、あったとしてもこの強風でどっちにしてもブレるか…
ちなみに、ブルーファイアには立入禁止等の防護柵はありません
すべて自己責任の行動……
ガラスが溶けてしまうぐらいの激しい高温、うっかり転んで火に触れたらと思うとゾクッとしますね
強風と煙で、足場の確保が大変です
もし三脚があってもかなりしっかりしたものでないと倒れますね…
いよいよ夜明け
薄暗くて見えなかった火口湖がだんだんと見えてきました
夜が明けて、はじめてここがどんなところだったのかを知ってゾッとする
なるほど、一面硫黄に覆われ、凄まじい煙と、岩の隙間から蒼い炎が揺らめいています
エメラルドグリーンの火口湖の全容が見えてきました
なんとも息をのむ美しい光景
しかし、実はこの火口湖、別名「死の湖」と呼ばれ、アルミ缶をも溶かす強酸性の水なんだそうです
生き物が落ちれば間違いなく骨まで溶けます
風の谷のナウシカの腐海の水みたい……
陸に上がれば有毒ガスと高温の炎、下に降りれば骨をも溶かす死の海……絶対過去誰か死んでる
安全策もほとんど取られていない、こんなスーパーデンジャラスなスポットが観光地として成り立っているインドネシアがある意味すごい
こんだけ煙に巻かれてれば、そりゃ息苦しいに決まっている
改めて、こんなところに身をおいていたと思うとゾッとします
風向きが変わると悲惨
黄色の有毒ガスに猛烈に襲われます
風向きが変わる前
風向きが変わった後
ほんの一瞬で、視界不良になります
1m先もよく見えません
怖ろしいですね
不謹慎ながら、近年日本を襲った御嶽山の悲劇はこんな感じだったのだろうかと、身をもって体験した感じでした
有毒な煙で目が痛くて目も開けられない、息もできない、前も見えない、動けない……
本能的に身を低くして過ぎ去るのを待つ
自然の猛威に人間はなすすべが有りません…
夜が明けたので、登山道まで引き返します
安全を確保された展望台からの眺めは実に美しい
上まで戻ってきても、たちのぼる煙がすさまじく、まだマスクは手放せません
真っ暗で気づきませんでしたが、明るくなって改めてみると、むき出しの岩場がすごい迫力ですね
さすが火口
これはこれで美しい眺めですが、やはりイジェン火山の魅力は夜のブルーファイアですね
道中、切り出した硫黄を使って彫刻をほどこした、ありがちな民芸品
仏像的なものやキャラクター的なものまでさまざま
値段は不明
しかし、硫黄臭い
山の稜線に沿って麓まで戻ります
ツアーからはぐれてしまい、同じツアーの日本人の方たちと自力でふもとまで戻りました
こういうときは一人より二人、二人より三人が心強いですね
焦げたイスで休憩?
山は普通に素晴らしい眺めなんですよねぇ
朝7時、ようやく無事下山しました
ツアーの車を見つけ、わたしはそのままバリ島へ移動
命がけではあったけど、極上のスリルと興奮を味わえた絶景旅でした
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最後までご覧いただきありがとうございました。
終わり