(公開日2016/07/08)
※Compathyサイト閉鎖に伴い、同サイトに寄稿した記事を転載したものです

こんにちは、Compathy MagazineライターのMayumiです。
皆さんは、世界でもっとも危険な場所にある絶景ってどこをイメージしますか?
今回ご紹介するその絶景は、インドネシアのジャワ島にある「カワイジェン火山」。
青き炎が彩る妖しくも美しいその絶景について回る、命知らずなハイキングをご紹介します。
カワイジェン火山とは?

今回ご紹介する「カワイジェン火山(イジェン火山、Kawah Ijen)」は、インドネシアの東ジャワに位置する標高2,799 mの活火山。その頂はクレーターになっており、火口には直径800mほどのエメラルドグリーンのカルデラ湖が存在しています。
この一見美しいカルデラ湖は、実は世界有数の高酸性火口湖として知られ、生物のまったく住めない「死の湖」と言われています。アルミ缶をも溶かすという、超高濃度の硫酸の湖は、ジブリ作品『風の谷のナウシカ』に登場する腐海の酸の海を彷彿とさせます。

火口付近はおびただしい硫黄に覆われ、あちこちから硫化水素の有毒ガスが噴出しています。この有毒ガスは吸い過ぎると呼吸困難に陥り、最悪の場合、死に至ることも。強風吹き荒れる火口付近では、風向き次第であっというまに有毒ガスに巻かれ、かなり危険な状態です。

そのため、訪問の際にはガスマスクがもっとも有効です。花粉症対策のマスクやハンカチではほぼ意味がありません。
マスクが必要な方は、事前に用意していくか、現地で有料で貸し出しているツアーもありました。
なぜ青い炎(ブルーファイア)なのか?

この青い炎は地元では「ブルーファイア」で知られています。
この青い炎の正体は、火口の隙間から噴出する600度以上もの高温ガスが空気に触れて自然発火したもの。その熱さは、ガスバーナーの火を想像してもらえば分かりやすいと思います。
この青い炎が、一部液体化し、燃えながら流れ出す姿が異次元な光景として人気を集めているのです。
硫黄を生活の糧にする現地の人々

火口付近では、硫黄の岩石を採掘し、何十キロものカゴを背中に抱えながら運搬する地元の労働者とよくすれ違います。
一般的な労働に比べ収入がいいとのことで、彼らは危険と隣り合わせを承知でこの仕事を選び、生活の糧としています。

また、道すがら、切り出した硫黄の岩石をさまざまなかたちに彫刻し、原価ゼロの土産物として売り出す商魂たくましい方々もいます。仏像からハローキティーのようなキャラクターまで実に器用に彫刻されています。
ただし、相当硫黄臭いので、帰国時などには十分ご注意を。
おわりに
ブルーファイアを見るためにはツアーが一般的で、現地申込みがお得です。
また、ガスマスクのほかヘッドライト、足元が滑りにくいゴム底のシューズが必需品。
ぜひ、バリ島だけではない、インドネシアの新たな魅力を発見してみてはいかがですか。
このカワイジェン山は、
“世界一危険な場所”と評価されるだけあって、
日本語での旅行記はそう多くはありません
そうしたわずかな情報の中で、
ガスマスクを持って行った方が絶対いいと強く薦める方がいたので、
半分ネタも込めてAmazonで業務用簡易マスクを購入していったのですが……
これが結論、持って行って大正解でした
大袈裟ではなく、本当に死ぬかと思うぐらい、ハンパない有毒ガスが充満しています
火口に着いたときは真っ暗闇なのでどこから有毒ガスが襲ってくるか分かりません
一度ガスに巻かれると一寸先も見えず、
その中でまともに息をすれば喉が焼けつくように痛み、目も痛い
ただただ、身をかがめて過ぎ去るのを待つしかないのです
夜が明けて辺りが見えてくると、異様な光景が広がっていました
それは、
なめてかかって訪れた観光客らが、ハンカチ片手にうずくまっている姿
ガスマスクの自分ですらギリギリ耐えているのに信じられない光景が広がっています
わたしがここを訪れた当時、
ちょうど御岳山噴火によって多数の被害者が出た年でした
衝撃映像を見た直後だったので、
まさにこんな感じだったんじゃないかと心底ゾッとしました
とはいえ、
こんな命がけのハイキングでも、自然の神秘ブルーファイアは絶対見る価値ありです
終わり
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