【訪問場所 Visited Site】シラフラ(滝瀬海岸) Shirafura in Takise coast, Hokkaido, Japan
※文中の料金等は2018年7月現在のものです
イギリス南部にある景勝地「セブンシスターズ」
海に面して、どこまでも続く真っ白な断崖絶壁
一度本格的に行く予定を立てるも日程の都合でキャンセル、以来、なかなか腰が上がらないまま、今日に至ります
そんなとき、函館からほど近い道南の乙部町に、似たような真っ白な絶壁海岸が存在するというじゃないですか
というわけで、さっそく訪れてきました!
「滝瀬海岸(シラフラ)」の所在地 Location Map
函館から国道227号を北上、約70km、車で約1時間20分
<行き方 Access>- 車の場合、函館から国道227号線を北上し約80km、所要1時間40分程度
- JRとバスを利用する場合、JR札幌駅からはJR八雲駅で下車、江差バスターミナル行のバスに乗り換えて「滝瀬」停留所下車、全体所要は約4時間半
- JR函館駅からはJR新函館北斗駅で下車、江差バスターミナル行のバスに乗り換えて「枕崎」停留所下車、次に熊石行に乗り換えて「滝瀬」停留所下車、全体所要は約2時間15分
滝瀬海岸(シラフラ)への入口
函館から出発
国道227号をひたすら北上、まずは日本海を目指します
湾岸線である国道229号・日本海追分ソーランラインに突き当たったら右折してさらに北上
乙部町に入ってしばらくすると、道路沿いにこんな案内標識が見えてきました
あまり目ただないので、見逃さないように!
道なりに坂を下っていくとやがて行き止まりに
そこには車3台分ほどのスペースがあって、ここが駐車場になっているようです
まだそれほどの知名度がないからか、はたまた平日と曇天・小雨という悪天候も重なって、想像以上に駐車場はガラガラ
とりあえず、ここからは徒歩になります
このとき偶然、電気点検工事の方々に遭遇
「なんでこんなところに女性が一人?」というギョギョッとした顔されました……
くぐり岩と軍艦岩
案内標識にしたがって坂を下っていくと、ものの5分でビーチに出ます
すると、目の前に突然、巨大な軍艦岩が登場!
石川県珠洲市にある見附島の軍艦島みたいな、なかなかかっこいいバトルシップフォルム
こんなにインパクトがあるビジュアルなのに無名とは…
そして、そのすぐ横には、かつてこの地で栄えたニシン漁のために人工的にくり抜かれた「くぐり岩」がそびえ立っています
この岩をくり抜く胆力もスゴイけれど、岩自体が実に個性的というか芸術的
まるで城壁ですね
くぐり岩の穴と軍艦岩を重ねてみました
インスタ映えを狙いましたが、おもったより地味だった
なんだか、くぐり岩と軍艦岩がシンクロしている
かつては一つの岩だったのかな
干潟のような遠浅の海が広がり、足元に突然、どんぶらこと得体の知れない物が漂着しました
よく見ると、発泡スチロールにのった海藻?!
誰が?何のために??
シラフラへの道のり
とりあえずシラフラを目指しましょう
くぐり岩を背にして、今度は海沿いに南へ下っていきます
浜辺には巨大な流木がそこかしこに漂着していました
くぐり岩からシラフラまではおよそ600m
普通の道路でも600mといえば徒歩7~8分かかりますが、雨が降ったあとの砂浜の上では想像以上に足を取られ体力消耗、案外時間がかかりました
それにしても、地球の歴史を刻んだこの断崖の景観は迫力ありますね
ついにシラフラが見えてきました!
あともう一歩、というところで、最後の難関にぶち当たる
目の前には、生い茂る草木とグッチャグチャにぬかるんだ泥
長靴を持っていたらたやすく解決するレベルでしたが、普通の靴なので、そうも行かない
雨の後だったので余計に泥がぬかるんでて、足を突っ込もうものなら埋まりそう
靴を脱ぐか、行くのを諦めるか、本気で悩んでいたら、偶然通りがかった地元のおじさんが登場
「ねえちゃん、俺がしょってやるけ、遠慮せんと背中乗りなさい!」
と、初対面で得体の知れない自分に唐突にそう申し出てくれるおじさんのハートフルな神対応に感激しつつも、いやでもおじさん、わたしと背丈ほぼ同じで、見るからにわたしより華奢……
絶対押しつぶされるだろうと思い、丁重にお断りし続けたら、
最後は業を煮やして、ゴム手袋をはめた手で泥をかき分け、道を作ってくれました
靴は多少汚れたけど、無事、ぬかるみにハマることなく渡ることができました…
そのおじさんとは、
「どこから来たの?」「何、写真撮る人なの?」「いい写真撮れるかね」などとほのぼのとした会話を少ししてお別れしました
ついにシラフラに到着!
いよいよ目の前に現れました、東洋のセブンシスターズ!「シラフラ」
「シラフラ」とはアイヌ語で「白い傾斜地」という意味らしい
その名にふさわしく、高さ15mのホワイトクリフが500mにも連なっています
当然、本家セブンシスターズに比べたらショボイレベルかもしれませんが、東洋で考えたら、これほどの見事な純白の断崖絶壁は見たことがありません
近寄って眺めてみたところ
この断崖は、約500年前の噴火で貝殻や珪藻類が海底に堆積、やがて隆起とて侵食され、今に至るらしい
石灰石ではないため、セブンシスターズのような真っ白さというより、ベージュ色
しかもよくよく表面を見ると、大小の石や貝類が堆積した砂礫岩でボコボコして、脆く崩れやすい
とはいえ、なかなかフォトジェニックです
海岸に沿って500mも伸びていれば、ドライブしながら目に入ってきそうですが、
いかんせん車道とビーチの間には住宅地および木々などの物陰に隠れて全く見えません
なので、わざわざビーチまで降りないと見られない絶景なのです
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そして帰り
今度は大きめの流木や板を拾ってきていたので、ぬかるんだ泥に渡して、今度は自力で渡りきることができました
すると、助けてくれたおじさんが心配だったのか、まだそばにいて
「いい写真撮れたかね」
とやさしく声をかけてくれました
人情にも触れることができたシラフラでした
「道の駅ルート229元和」に立ち寄り
駐車場に戻り、からだが冷えて急にもよおしてきたので、近くの道の駅へ急行
滝瀬海岸(シラフラ)には当然(?)公衆トイレはありません
もっとも近い公衆トイレは、「道の駅ルート229元和」
シラフラからおよそ8km北上したところにあって、この周辺は檜山道立国立自然公園の指定されています
北海道の道の駅にしては、かなり小ぶりの店構え
駅構内のキオスクレベルです
しかも、担当者が外出中とかで扉が施錠され、入れませんでした…
名物ソフトクリームを食べてみたかったな
ちなみに、道の駅の裏手には地元で人気の無料海水浴場・元和台海浜公園『海のプール』があります
海水を引いた天然プールがウリで、夏季にはマリンフェスティバルなどもあって、子ども向けのウニ・ツブ・ホタテの手づかみ体験などが楽しめるとか
夏は狙い目ですね
そして、ここの道の駅の女子トイレにはぜひ言及しておきたい
というのも、3つ程度ある個室一つ一つが無駄にゴージャスなのです!
全体の基調はショッキングピンクで、しかも個室それぞれに洗面台やおむつ台が付いている
トイレの外にはパンパースのおむつ自販機まで設置されています
お子様のいる女性にやさしいトイレを目指したのでしょうか
こうなってくると男性トイレはどうなのか気になるところですが、
ひとまず、乳幼児をお連れのファミリー旅の方にはありがたいのかもしれないですねぇ
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というわけで、「東洋のセブンシスターズ」もとい、滝瀬海岸のシラフラでした
ぜひ今度は青空バックに白さが映えるシラフラをカメラに収めたいです
そして、願わくば近い将来、本家セブンシスターズにも訪れて、ぜひ比べてみたいと思いました
終わり
参考情報
- 乙部町公式HP「滝瀬海岸」