【訪問場所 Visited Site】苔の回廊 Koke-no-Kairo(The Moss Corridor), Lakeside Shikotsu-ko, Hokkaido, Japan
※文中の料金等は2018年7月現在のものです
北海道の苔の名所といえば支笏湖畔の「苔の洞門」が割と有名
しかし、苔の洞門は、2001年の土砂崩れ、さらに2014年の大雨被害で展望台が崩落、
復旧の見通しが立たず長らく閉業されていましたが、
2020年2月、ついに、正式に閉鎖が決まったそうです
一度も訪れたないまま閉鎖となってしまい、非常に残念
そうした中、登山者の間で人知れず発掘されていたのが、「第二の苔の洞門」といわれる「苔の回廊」
風不死岳(ふっぷしだけ)と樽前山(たるまえやま)をトレッキングする登山者の間ではひそかな立ち寄りポイントとしてブームになっていたらしく、SNSやブログを通じていつしか注目されることに
というわけで、はじめて訪問した2018年7月当時の様子をご紹介します
「苔の回廊」の所在地 Location Map
苫小牧市内から支笏湖方面へ約27km、車で約30分
まずは国道453号線の「紋別橋」へ
苫小牧市内から支笏湖方面へ車を走らせおよそ30分
位置的には、例の「苔の洞門」と支笏湖湖畔にあるモーラップ樽前荘の間に「苔の回廊」が存在します
目印はこの「紋別橋」
地図にも載っていないほど目立たない小さな橋なので、見逃さないようにしましょう
紋別橋を見つけたら、次は駐車スペースの確保
安全に駐めるなら、モーラップ樽前荘の駐車場(紋別橋からおよそ2km)か、風不死岳登山口の駐車スペース(およそ1.5km)あたり
ただし、極力、橋の近くに駐めたい……となると、数は限られますが、路側帯に駐められるスペースが多少あります
国道453号線は、思った以上に大型トラックや自衛隊の軍用車が走っているので、駐めるときは前後特に気をつけましょう
紋別橋の半径1km圏内には、こうした一台程度の空きスペース・駐車ポケットが2~3ヶ所存在します
林野庁の調査関連で出入りするゲートみたいですが、これまで使われているの一度も見たことない(たまたま運がいいのかもしれないですが)
まぁ1~2時間なので、もし運良く空いていたら、ちょっとお借りしましょう
いざ、「苔の回廊」へ
橋の下の涸沢へ降りるポイントは、
ニセコ方面へ向かう左車線側の紋別橋の欄干終わり、この「楓沢」プレートが目印
ガードレールの裏手には下へ降りる踏み跡が残っています
季節によっては草が生い茂っていることもあるので足元注意で降りましょう
涸沢に降り立ったら、今度は支笏湖、紋別橋を背にして、山側へ涸沢に沿って進んでいきます
こんなふうになぎ倒された木が目印
しばらくは平坦な広い砂利道が続きます
回廊の入口までは徒歩20分程度なのですが、しかし、この砂利道が地味に疲れる
そして、過去の台風の影響か、想像以上に倒木が激しい
くぐったり跨いだり避けたりと、とにかく忙しい
ときどき、倒木にクマの爪痕みたいなのが残ってて、ゾッとすることも
ここも熊出没地域なので気をつけて……(少なくとも早朝は鹿にあったりします)
道は割と単純なので迷いにくいと思いますが、
万が一迷いそうになったら、人の靴跡を探してたどりましょう
ヤマケイやYAMAPのようなオフライン地図も利用できますが、まぁ距離的に短いので踏み跡をたどるのが手っ取り早いと思われます
なんやかんやと歩いて20分
ようやく「苔の回廊」の入口が現れてきました!
「苔の回廊」に到着!
いよいよここから苔の回廊スタートです!
ちなみに、苔の回廊は、正確に言うと2つ存在します
今、たどり着いたのは「第一の回廊」、そしてさらにその先に「第二の回廊」が潜んでます
とりあえず、まずは「第一の回廊」
入口付近はまだ道幅が広く、歩きやすい
ネットで見かけたクネクネ細い回廊はまだ先です
とはいえ、すでにすごい
まさに緑に包まれた渓谷!
ここまでびっちり隙間なく苔に覆われた渓谷を観るのははじめてです
だんだんと狭くなっていき、倒木の量も増えていきます
想像以上に大きな倒木が行く手を阻んで、よじ登ったりくぐったりと、なかなか骨が折れます
さらに回廊の幅が狭くなってきました
ついに来ました!
これぞ、わたしが夢にまで見た、緑のベースに包まれた「苔の回廊」!
まさに苔の回廊のハイライトに突入です
さらに道幅は狭くなり、ウネウネ感がいい感じになってきました
もう言葉を失う
ただでさえ狭い道が大きな倒木で塞がれています
よじ登ること数回
もはや、芸術の域に達している、緑の絶景「苔の回廊」
あまりの感動と神秘的な美しさに、思わず言葉を失いました
これほどまでの見事な苔の絶景は他に類を見ません
ホント、自然は粋なものを創造してくださる
「苔の洞門」は訪れたことがないので比較しようがないですが、
とはいえ、ネットに上がっている写真を見た印象からすると、こちらの方がスゴイのでは…
第一の回廊の終わりに差し掛かる頃には、人ひとり入れるかどうかのホントに細い道幅になります
第一の回廊終了と第二の回廊の入口
入口からおよそ100~200m程度で目の前を崩落した巨岩が道を塞ぎます
また、進入禁止を示すロープが張られているので、第一の回廊はここまで
さらに「第二の回廊」を目指す場合は、行き止まりを正面に左手奥、傾斜の向こう側にピンクテープが続いています
それをたどって行きます
ちなみに、雨が降った後は傾斜がとても滑りやすいので気をつけて……
坂をよじ登っていくと、平坦な道に出ます
しばらく真っすぐ進むと、右手斜面にピンクテープがぶら下がっていて、さらに1本の細いロープが垂れ下がっています
つまりその先が、第二の回廊の入口
写真で見るとそうでもないですが、実際はかなりの急勾配です
そして、足元の土は、脆く崩れやすく、そして滑りやすい
ロープを懸命にたぐりよせつつなんとか上まで登り切るも、最後の最後で、てっぺんへ上がるための斜面が深くえぐれて、難関が立ちはだかります
無理やりよじ登ろうとすると、からだが一瞬のけぞるような格好になり、運が悪ければ滑落
上から引き上げてくれる人がいればなんとかなりそうでしたが、一人の場合は自分の腕力だけでよじ登るしか方法がありません
このときは一か八かのリスクを恐れて、結局、第二の回廊は断念して引き返しました……
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そして一年後、再び苔の回廊を訪れて、第二の回廊のリベンジ果たしました!
その模様はまた今度
終わり
参考情報
- 休暇村支笏湖ブログ「苔の回廊への行き方、伝授します!」(2020/09/02登録)