【訪問場所 Visited Site】京極ふきだし公園 Kyogoku Fukidashi Park, Kyogoku-cho, Hokkaido, Japan
※文中の料金等は2018年7月現在のものです
至るところで名水の里のある北海道
ニセコエリアにそびえ立つ羊蹄山の伏流水もまたその一つ
蝦夷富士として知られる羊蹄山は日本百名山の一つに数えられ、
かつてアイヌの間では「マチネシリ(女の山)」として、その“気”を浴びれば女性はたちまち(?)エレガントになると信じられたそう……
というわけで、羊蹄山の伏流水が手軽に味わえる「京極町ふきだし公園」を訪れました
「京極町ふきだし公園」の所在地 Location Map
場所は、羊蹄山麓の東側、札幌から西へおよそ80km、車では約1時間半~2時間
「道の駅 京極町名水プラザ」にて
ニセコにある羊蹄山の東山麓に位置する「京極町ふきだし公園」
ふきだし公園には「道の駅京極町名水プラザ」が併設され、さらに日帰り温泉「京極温泉」まで目と鼻の先にあって、車中泊者にはありがたいスポットです
園内の芝生には、楽しげなお子様向け遊具がいっぱい
そのほか、敷地内にはバーベキューエリアやイベント用の三角ステージ、キャンプ場やゴルフ場までいろんな遊び場が完備
羊蹄山の展望台へもアクセスできるようです
こうしてみると、意外に広い園内
天気が良ければ美しい羊蹄山を一望できたようですが、あいにく曇天でお姿を現してくれませんでした……
名水の里「京極町ふきだし公園」
道の駅とふきだし公園をつなぐ吊り橋を渡ると、広い池に出ます
想像していたよりも園内は広く、遊歩道も完備されているので、お散歩にはちょうどよいサイズです
この日は目が早く覚めて、早朝5時過ぎには行動開始
池に降りると、辺り一面、もやに包まれていました
なんとも幻想的
異世界に迷い込みそうです
けれど、世代的に「朝もやに煙ってる~♪(by 南野陽子「はいからさんが通る」)」と思わず口ずさんじゃいますね
ふきだし湧水口へ
湧水口の場所は若干わかりにくく、とりあえず、道の駅からは吊り橋渡って右へ右へ、突き当りまで進みます
徒歩6~7分程度で到着
ちなみに、
もしあまり歩きたくなければアプローチが短い「湧水口駐車場」を利用すると良いです
「ふきだし公園鳥瞰図」でいうところの、池を回り込んで左上に置かれた「P」マーク
この日はとにかく朝もやがすごくて、温泉みたいな状況になってますね
少しモヤが晴れてきて、ふきだし湧水の全体像が鮮明になってきました
まさに、わたし好みのモフモフ苔の絶景が広がってます!
湧水口の脇には、昭和60年に環境庁から認定された「名水百選認定書」が設置されています
水環境の保全状況が極めて優良とのこと
そういえば、朝8時頃、地域の方が源流部分を掃除されていました
地域の方々に大事に守られ、ありがたいことです
流しそうめんみたいな、送水用のパイプ
正直、はじめてネットで見たときより、実際は規模が小さいなぁという印象
とはいえ、美しいに違いはなく、この神々しさに立ちすくんでしまいました
横には水汲み場が設置されています
朝7時も過ぎてくると、ポリタンクをいくつも積んだ台車を押してくる人、ペットボトルを複数抱えてやってくる人など、ちらほら人が集まってきました
ふきだし湧水エリアの目の前に威風堂々と立つ、巨大な苔玉みたいな苔モフ岩
岩の隙間から湧き水が噴き出しています
このたたずまい、ただならぬパワー感じます
「ふきだし湧水のはなし」に書かれた要点をまとめると、以下の通り
・羊蹄山からの伏流水でミネラルを適度に含む
・1日の湧水量約8万トン(約30万人分の生活用水に匹敵)
・1年中水温は約6.5℃を保持
・名水百選(1985年)、北海道遺産(2001年)に認定
・硬度は23mg/L前後(=硬度13)の軟水
・美味しい生水だけど念の為煮沸しましょう
“硬度23mg/L”が分かりにくいので調べてみると、
・アサヒ「おいしい水 富士山のバナジウム天然水」:硬度19
・サントリー「南アルプス天然水」:硬度30
・クリスタルガイザー:硬度38
・ボルヴィック:硬度62
・エビアン:硬度304
(出典元:「水広場」硬度別一覧)
比べてみると、ふきだし湧水がいかにまろやかな超軟水なのかがわかりますね
以前、知り合った地元の方が「ここの湧き水でご飯を炊くのが一番美味しいのよ!」って絶賛していました
地元の方がそこまで言わせるってことは、ホントに最上級なんでしょうね
こんなおいしい水飲んで暮らしていたら、東京の水道水なんて飲めないだろうなぁ……
ふきだし公園の守護神・お不動様
水汲み場の裏に、人知れずひっそりと祀られているお不動様
この縁起によると、
この不動明王御尊像だけは何があっても、過去一度もこの場から離れたことなく、「ご鎮守様」として地域住民から親しまれれているとのこと
不動明王は大日如来の化身であり、
左手に、煩悩に溺れる人を縄で捉える羂索(けんさく)
右手に、迷いを断ち切る剣を持ち
己にまとう火炎は人々の煩悩を焼き尽くし
憤怒の形相は人々を惑わす悪魔に立ち向かう形相
とのことです
湧き水を汲むついでに、ぜひお参りしていきましょう
「三十三番観音」霊場
ふきだし湧水口近くの広場に配置されている54体の石造りの観音像
これは、「三十三番観音」という霊場をあらわしているようです
ありがたい仏様のはずですが、ただならぬ空気を発していて、ちょっと夜は避けたいですね……
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ひとしきり写真を撮ったあとは、名水ふきだし湧水で淹れたコーヒーと、インスタントの味噌汁で朝食を取りました
女性らしさはちょっと手に入れられなかったですが(←ひとりで車中泊してる時点でNG)、他の女性には御利益あるかも知れません
まぁ、女性男性に関係なく、とにかくホントに美味しい名水なので、ぜひ一度お試しください
終わり