【訪問場所 Visited Site】亜青寺 Yaqing temple, Baiyu, Ganzi, Sichuan, China
※文中の料金等は2018年10月現在のものです
甘孜 Ganzi ガンズ
天葬 Tianzhan ティエンザン
所在地と位置関係 Location Map
<亜青寺所在地 by Google Map>
地図では3時間とありますが、実際は甘孜市内からタクシーで所要約2時間
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天葬台は亜青寺から離れた、反対方向にあります
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亜青寺 後編
門をくぐったら大きな広場に出ました
澄み切った青空に赤い建物が実に映える
カシミール山羊様一行は
堂々とゴミを漁ってらっしゃる…
住人は見事にそれらをスルー
共存の精神なのか神聖な生きものなんだろうか
赤い建物には高僧の巨大パネルが
ダライ・ラマ14世かな?
市場があった
主に衣服、文房具類が無造作に売られている
カシミールの毛皮がとてもあったかそうだった
マーケットを過ぎて少し歩くと
いよいよ尼僧だけの島に渡る橋が見えてきた
橋の欄干は赤・青・緑・朱色の4色に彩られていた
そしてその隙間をマントラが刻まれた石版が埋めている
どんな意味があるんだろう
この川が女性エリアと男性エリアを隔てている境界を為している
何かを紐で縛って、水にさらしている
はじめ人か動物かと思ってビビったよ
橋を渡りきったところ
この横断歩道を渡ったところからは男子禁制
男性は外周を周ることは許されているけれど中に入るのは許されない
宗教色の強い場所では女人禁制はよく見かけるけれど男子禁制は珍しい
男性陣とはここで一旦お別れ、ささやかな優越感だね
ここから女性だけのエリア
というか一応目抜き通りなのに道がデコボコ過ぎてヒドイ
これから舗装工事でもするんだろうか
女性だけだからできないのか?
道行くおばあちゃんに
「ターシデレー(こんにちは~)」と手を合わせて声をかけたら
ニコッと笑って写真撮らせてくれた
尼僧は基本的にシャイで写真に写りたがらないのですが
年配に行くほど案外気さくで撮らせてくれる
何より「ターシデレー」の声掛けがいいようだ
家が傾いている…
それを補強するためか
若い尼さんが大工仕事をしている
女性しかいないから力仕事も全部女性でこなすしか無い
何だかすごい光景
全部赤いバラック
冷静に見ればスラム街にも匹敵するれど
この赤と青のコントラストの神聖さが貧しさをカバーしているよね
街角では共同水道で洗濯をしていた
洗濯機なんて文明の利器は不要なんだね
島の中には1万2000人の尼さんが暮らしているそうなので
バラックもそれぐらいあるってことだよな
台風とか来たら一瞬で吹き飛ばされそうだけどね
小さな2階があるのは
そこを瞑想小部屋にしているらしい
雑然として無計画なように見えて
実はちゃんと区画整理がなされている
住所もあるから郵便物も届くよね
ちょっと高台から眺めてみた
いや、すごい!壮観!
屋根には芝あるいは土を積んでいる
家の保温のための生活の知恵かな?
ビニールシートではなく布でぐるぐる巻き
これも保温のためか
単に材料不足か
それとも宗教的な意味合いか…
一応ちゃんと路地があるんだね
島内にもコンビニがありました
中華まん屋さんもある
ここは島の外周沿いにあるので
店の主人は男性だった
よく話しかけてくれた中国人の女の子に
中華まんごちそうになってしまった
ありがとう…
肉汁が染みる…
タルチョがスゴイ!
しかしその横ではまたしてもカシミール山羊がゴミを貪る
あの丘の上から島を眺めてたの、さっきまで
太陽が近く空気も乾燥して強風吹き荒れるので
毎日が洗濯日和
というわけで布団も洗濯物も公道に干す
ここは物干し竿の代わりにもなっているようだ
一周して、待ちわびていた男子チームと合流
再び橋を渡って戻る
欄干の上に置かれたマントラを刻んだ石版
再び市場を横切って戻る
今回は中国人の御一行に混じっていたからか
全く話しかけられず尼僧さんらと交流持てなかった
運がいいと家に招かれるよ、とホステルオーナーに言われていたのだけど…
残念
再び大きな広場到着
よく見ると、壁にはチベットの神々や仏教画が色鮮やかに描かれていた
チベット寺院の門って中国に比べてシンプルなんだけど配色が抜群にかっこいいよね、やっぱり
青空に映えるな~
そうして再びの天葬台到着
今度は13時の回を狙って待機
11時台よりハゲワシが明らかに増えている
彼らは死の臭いを嗅ぎ分けてきているのだろう
みんな期待が高まる(←ある意味、不謹慎)
観光客も増える増える
こんなに大量のハゲワシ、人生ではじめて見た
彼らの血と肉は人間の死肉でできている
何だかゾクッとした
四方からハゲワシが集まってきた
いよいよなのか?!
一羽、また一羽と所定の位置に降り立ってくる
彼らはすでにそこが自分たちの定位置だと学んでいる
身を寄せ合い、しずかにエサを待つ
心なしか、周囲にヤクも集まってきた
なぜ?
しかし待てど暮らせどまた御遺体は来ない
観光客はしびれを切らせて帰る人も出てきた
すると彼方からローカルの団体御一行が現れて
「いよいよか!?」と思ったら
彼らは一人、また一人と天葬台にうつ伏せになり何かの祈りを捧げていた
故人を偲んでいるのか何なのか
いずれにしてもあの異臭漂う骨片が散らばった天葬台にうつ伏せになるとは…
文化の違いに衝撃を受けつつ、フライングにがっかり(←不謹慎)
彼らに聞いても「わたしらは儀式があるか知らない」と言って去ってしまった
あまりにもすることがないので天葬台を散策
ハゲワシには怖くて近づけないので
周りと見渡すと何故か丘の斜面に造花の仏花が備えられていた
何故、造花?
ハゲワシも絶対今日あると自信を持っているもんだから(たぶん)
おびただしい数が丘の斜面に結集
もうかれこれ2時間が過ぎる
彼らも蛇の生殺しみたいで少し気の毒だな
トイレに行きたくなって一旦その場を離れた
ゴミ捨て場に群がるヤクたちはのんき
トイレから戻ってしばらく待っても始まる気配は1mmもない
すでに2時間半が経過していた
みんな日帰り組なのでこの日を逃すと見れないとあってずいぶん粘ったけど
さすがにもう本日はないんだと諦めて帰りはじめた、そのときに
一台のトラックが彼方からやってくる
時間は3時半だった
トラックは1つの棺桶を載せていた
「やった!いよいよ天葬だ!」
固唾を飲んで見守る中で、
トラックに乗っていた人たちは棺桶の中にある
布でぐるぐる巻きにされた人らしきモノを
大の男3人がかりで一旦天葬台に運び出した
いよいよ布をはずすのかと思ったら
何故かまた棺桶に戻し、棺桶をトラックに積み始める
一緒に居た中国人男性がその一人に「天葬は行われないのか」と尋ねると
「この御遺体は色达(セダ)に持っていくんだ」
と言ってトラックは立ち去ってしまった
色达(セダ)は外国人規制がかかっているあのラルンガルンゴンパ
ここから約350kmも離れているのに
みな茫然自失
いよいよかと思ったのに、この落胆感(←不謹慎)
遺族がそう望んだのか
本人が死ぬ前にそう望んだのか
はたまた業者的にセダの方がニーズがあったのか不明ですが
(セダの方が圧倒的に中国人聴衆が多いから)
とりあえず、結局天葬は見られませんでした
★チベットの天葬がどういうものか気になる方は閲覧注意でこちらを御覧ください⇒【Wikipedia Sky Burial】
そうしてまた黄金のパゴダに戻り
パゴダ内の仏像にお参りしたり
マニ車を回してみたりと最後の散策をしたあと
甘孜にまた2時間掛けて戻りました
というわけで
結局、今回の旅では縁なく2回とも天葬は見られませんでしたが
ホステルで超グロッキ-な動画見せてもらったので
自分的には案外残念感は少なかった
本当に生を見ていたらトラウマになったかも(汗)
それよりも亜青寺のあの絶景を眺められて最高でした
人によっては、ラルンガルゴンパよりいい!と太鼓判押す人もいます
とりあえず東チベットの世界を少しでもお届けできていたら幸いです
ご清聴ありがとうございました
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