【訪問場所 Visited Site】亜青寺 Yaqing temple, Baiyu, Ganzi, Sichuan, China
※文中の料金等は2018年10月現在のものです
日本人の中国旅好きパッカーの間で今や聖地化されているラルンガルン・ゴンパ(色达五明佛学院)
東チベットの甘孜(ガンゼ)州色达(セダ)に位置し、4万以上もの真っ赤な修行小屋が密集したチベット大僧院
かつてNHKでもドキュメンタリーで取りあげられたことで、以来、日本人パッカーも急増
しかし、ここ数年は中国政府による外国人入境規制が厳しくなって、日本人をはじめ外国人は一切立入禁止(ただし漢民族の中国人はOK)
にもかかわらず、
地元タクシードライバーなどに高額な賄賂を渡し、不法に潜り込む「ラルンガルアタック」が横行
それにより公安の取締まりが一層強化され、見つかったら成都へ強制送還されるか、最悪は公安に連行される事態も
そんなわけでラルンガルンゴンパには行けないけど
それに代わるところは!?という期待に応える場所として最近注目されているのが「亜青寺」、
通称、アチェンガル・ゴンパ(中国語読みはヤーチン(←中国ではコチラのほうが通じる))
ここは1万2,000人以上もの尼僧だけが暮らす、チベット最大の尼僧院がある島として有名
しかもここはまだ外国人入境規制"外"のエリア
とはいえ、近いうちにここも規制が及ぶというまことしやかな噂が流れていたので、さっそく訪れてみました!
画像数が多いので、前後編2部に分けてご紹介。今回は前編です!
甘孜 Ganzi ガンズ
天葬 Tianzhan ティエンザン
所在地と位置関係 Location Map
<亜青寺所在地 by Google Map>
地図では3時間とありますが、実際は甘孜市内からタクシーで所要約2時間
クリックしたらGoogle Mapに飛びます
天葬台は亜青寺から離れた、反対方向にあります
fa-arrow-circle-downクリックしたら百度地図に飛びます
最寄りの町は甘孜(ガンズ)
成都から康定経由でバスも毎日1日一本出ています
それで、宿泊した甘孜のユースホステルオーナーのご厚意で
同日、亜青寺に向かう中国人観光客らに合流させてもらうことに
ちょうど7人のグループになったということで
7人乗りタクシーを1台チャーター
相乗りタクシーは一人片道45元と一律決まっていて
今回は日帰り往復で一人あたり90元
そうして朝8時にホステル前から出発
チャーターするとホステルまで送迎に来てくれるのはとてもありがたいネ
甘孜から亜青寺までの間には
標高4,600mの卓達拉山と4,410mの海子山が横たわっている
要するに、またしても標高高い峠越えをする必要があるのです
もう、東チベットを旅する宿命ですね
高山病と仲良く付き合う必要があります
しかし、おかげでこの車窓の風景!
車窓はイチイチ絶景で、居眠りがもったいなくなるぐらい
甘孜から亜青寺までは車で約2時間
この最近開通したトンネルのおかげで
大幅に短縮できたんだそう
それまでは軽く3時間以上はかかっていた様子
出来たあとでよかった…(ホッ)
車内で中国人らと片言の中国語や英語で会話していたら
気がつくと亜青寺に到着
だいぶ観光地化され駐車場もこんなに整備されている
公衆トイレもあるよ(有料)
そしてドライバはーここでいったんお別れ
駐車場の目の前が入口
建物を入ると荷物チェックと改札があります
中国人は国民身分証で簡単にスルーできますが
外国人は有人ゲートにて係員によるパスポートチェックが必須
パスポートと一緒にスマホで顔写真も撮られます
ちなみに亜青寺は入場料は無料
建物を出たところ
この右手をまっすぐいったら亜青寺
ゲートから亜青寺まで延びる広い道路
ここはキレイに舗装されていますが
しばらくするとまだまだ工事中
重機が入るでもなく、人海戦術で道路工事していたのが印象的
ふと道路脇を見ると水凍ってる
どんだけ寒いんだ(朝晩の冷え込みは0℃に)
なんと、銀行&ATMまである!
すっかり観光地化してるなー!
映ってないけど旅行社も隣りにあったよ
そしてここはコンビニ
とりあえず、まずは絶景ビューポイントを目指す
入口からこの輝く黄金の仏塔(パゴダ)を目指して歩いたら
次にその手前の道を右折して進む
ホテルもあるよ!
そう、亜青寺は一般客も泊まれるんです
日帰りで帰るのが面倒な人はここで滞在も可能
建物の壁はチベットらしい鮮やかなカラーリング
実に青空に映える
道中あった公衆トイレ
亜青寺のトイレも当然ニーハオトイレ(ここは無料)
チベットらしいデザインの住居
何だかかわいい
今度はあの観音像目指して丘を登ります
亜青寺の標高はなんと3260m
ちょっとの坂でも息が切れてしんどい
ゆっくり登って
やっと近づいてきました!
何やら荘厳な仏塔が
はためくタルチョの向こうに見えてきましたよ!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
これが待ちに待ったチベット最大・亜青寺の巨大尼僧院の島!
まさに絶景!
この島には約1万2000人の尼僧が暮らしていて
もちろん男子禁制
手前にある箱状のものは瞑想修行にこもる部屋なんだとか
もうスケールハンパないヤバイ
ここまで来たな~と感慨深い
何これと模様を踏んでみたら
影の部分がキレイに全部凍っていた!
日が当たらないだけでこの差
どれだけ冷え込むんだ、ここ
さて、時すでに10時45分を回ろうとしている
亜青寺を訪れる観光客の目的は、まず尼僧院の島を見ること
そしてもう一つは天葬を見学すること
天葬とは今でも続くチベットの古い葬送風習で
日本語では鳥葬といい、いわゆるご遺体をハゲワシなどに食べさせる儀式のこと
イランのゾロアスター教でも天葬(英語ではSky Burial)はあったようですが
チベットのそれは遺体職人がハゲワシが食べやすいように遺体を斧やナイフで切り刻んで解体する儀式
要するに、相当グロッキーな儀式なのです
もし閲覧注意で見る勇気があったらWikipediaの英語版にある画像をご参照ください⇒【Sky burial】
チベット人にとっては神聖な儀式ですが
中国人・外国人にとっては興味本位の一種のショー化していて
東チベットの各地で見学することが出来ます
(冒頭のラルンガルゴンパもその一つ)
ホステルオーナーの話によると
亜青寺の天葬は毎日11時、13時、14時、15時(ただし、あくまでも御遺体ありき)に開催されるらしく
というわけで、さっそく11時の部を見に行こうということになりました
なお、天葬台へは一旦ゲートを出る必要があります
ゲートでは天葬を見に行く旨を伝えるとゲートを開けてくれます
理塘(リタン)で天葬が見られなかったので
ちょっとテンションが上ります
怖いもの見たさってやつです
周囲は果てしないチベット高原が続きます
亜青寺のヤクは顔が白く、体毛が長く黒い
何だか、ちょっとかわいい
入口横にあった建設碑
それによると、
亜青寺の起こりは1985年、2012年に中国政府が管轄する甘孜州に加えられ、2013年に中国の甘孜州民政局により約160万元をかけてこの天葬台を建てた、とありました
割と最近なんですね
いよいよ天葬台へ!
ここが亜青寺の天葬台!
おい、何でヤクが群がってるんだ!
君らのエサじゃないだろ!
天葬台には美しいパゴダが建ち並ぶ
これがご遺体を切り刻み
ハゲワシに食べさせる天葬台
ここのニオイ、
一生忘れられないぐらい、
何とも言えない血なまぐさいニオイがこびりついている
死臭なのか獣臭なのか…
とにかく何とも表現しがたいエグイニオイなのです
ハゲワシたちに食べやすいよう
斧やナイフで肉や骨をこの木を使って叩き斬ります
想像するだけで鳥肌
これもそう
生々しすぎて思わず絶句
天葬台にはおびただしい骨片が散らばってます
うわわわわ
割とフレッシュな骨片が…
これ、骨髄では…
・・・背筋寒くなりました
チベットの天葬は、骨の髄までことごとくハゲワシたちに食べてもらえることでより良い転生を迎えられると信じられているそうです
さて、
肝心の天葬ですが
20人ぐらいの中国人観衆およびハゲワシたちもチラホラ集まってきているのに
待てど暮らせど儀式が行われる気配がない
30分待って遺体が運ばれてこないので
11時の部は無いんだということで
観衆たちは一旦解散
わたしたちも再び亜青寺に戻りました
しかし、すごい草原
まさにチベット高原!
絢爛豪華なパゴダに戻ってきました
パゴダの台座および周辺には巨大なマニ車が設置されてます
マニ車を回す修行僧や参拝客が跡を絶ちません
みんな「ターシデレー(こんにちは!)」と声を掛け手を合わせるとニコッと返してくれます
建物の欄干
まるでアニメの龍みたいなかわいい絵柄があしらわれている
沖縄のシーサーに通ずるものがあるね
ここで高僧の説法が聴けるらしい
続々と参拝客が詰めかけます
観光客も観覧可能です
静かにしていれば写真も動画も撮影可能
観覧用の座席でしばし見学
今どきのチベット僧はみんなスマホ持ってます
iPhone持ってる人もいるぐらいハイテク
なので説法部屋にも液晶テレビ画面が2台設置
衛星生中継してるのか録画用か、男性の僧が撮影している
おそらく部屋の右側は男性の修行僧エリア
そして左手が尼僧エリア
ちっこい子どももいる
女性・子どもエリアだろうか
みな高僧のありがたい説法を固唾を飲んで耳を傾けている
もちろん高位の層も尼僧だった
そうして15分も聴いたら飽きてきて(←失礼)我々は部屋をあとにした
いよいよ尼僧たちが暮らす島に行くことに
道中にはヤクやら山羊やら猫ちゃんらがたむろっている
山羊もたくさんいる
ちなみに、高地のチベットに生息する山羊は
あの高級ウールのカシミール山羊らしい
これが!?
まだまだ建物建設中!
何を建てているのかは不明
あの神々しい門を抜けていきます
さて、<後編>に続きます!
一旦、ご清聴ありがとうございました
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