【訪問場所 Visited Site】中国浙江省舟山市嵊山県嵊泗枸杞島 Guoqi island, Shengsi pref,Zhèjiāng,China
※文中の料金等は2017年10月現在のものです
中国の上海沖合、南東へ約100kmに位置する島「枸杞(くこ)島」
あまりにも馴染みのない名前に
「は?どこそれ?」という声が聞こえてきそうですが、
実はこの島には、
緑に飲み込まれたような神秘の廃村「后头湾(後頭湾)村」があるんです
近年、中国本土でも人気の「枸杞(くこ)島」
実は過去に一度上陸したことがあるのですが、
当時はこの島に関する情報がほとんどなく
枸杞島行きフェリーは一日一便しかないということも
その島に降り立ってはじめて知ったほど
当時は、上海から成田へ帰国する当日朝に乗ってしまったため
これでは帰国できないと、上海へとんぼ返りしました
(でも結局帰国便も逃した)
というわけで、今回はそのリベンジでした
所在地 & 詳細マップ Location Map
【百度地図】【Google Map版】
【島の詳細マップ:百度(Baido)地図版】 fa-arrow-circle-down 画像をクリックすると百度地図にジャンプします
枸杞島を観光
枸杞島フェリー港には、心配するまでもなく
白タクがたくさん待機してました
たまたま客引きでつかまった
白タク運転手の苏(蘇 Su)さん(女性)のおかげで、
彼女の知り合いの宿を紹介いただき
ついでに、後頭湾村へのチャーターもお願いすることにしました
(新しい人と交渉するのが面倒だったので)
後頭湾村を見学したあと、
彼女おすすめの枸杞島の名勝「山海奇観」にも立ち寄ることに
観光名所ですが、特に大きな駐車場はなく
入口の階段前に停車
観光客はほとんどいなかったですね
階段の上には何やら立派な観音禅寺
お堂が真っ黄色でした
ここが、枸杞島随一の名勝奇勝「山海奇観」
文字通り、枸杞島一美しい海と山の景観が広がる場所
この岩、写真に撮ると小さく見えますが、実際は2~3mあります
景観名と漢詩が達筆ででっかく刻まれた石碑
中国あるある
入り江に浮かぶ漁船と無数にならぶムール貝養殖用ブイ
そして中央の奇岩都のシルエットは、実に画になりますね
近くに「山海亭」という東屋がありました
草が生い茂っていて一つも落ち着けないですが
さらに先には「山海奇観古炮台」という砲台跡が残されていました
明朝時代(14世紀~15世紀)のものらしく、
こんな小さな漁村に大砲があるとは驚きです
それにしても、ここからの見晴らしはとても静かで良いです
砲台からの眺め
こうしてみると、この島はホントに岩だらけです
宿に戻る途中、
タクシードライバーの蘇さんが突然「ここからの眺め!今が一番最高だから!」
と車を停めてくれました
うん、確かに絶景ですね
ちょっと撮って満足してすぐに車内に戻ったら
「ちょっと!今が一番いい時じゃない!」
と追い返されました(苦笑)
太陽がまん丸で、美しい日没です
ちなみに
蘇さんとの会話は翻訳アプリを通じて行いました
(中国では音声入力が一般的)
蘇さんの持っている中国産のアプリは、かなり精度高いです(中国語→英語)
画像中央にある架け橋が、本島と隣島を渡す「三礁江大橋」
あっちの島の方が
漁師村の風景が被写体としてとても良かったな
今晩の夕食
宿の近くにあった、地元民が通う大衆食堂の漁師飯
名前は不明ですが
手前がカニと生姜、にんにくのスープ
奥がふっくら白身魚の煮物
冷えてましたが美味しかったです
ご飯付きで32元(約550円)
ショーケースの中から好きなものをチョイスして
席でいただくスタイル
この男の子は、たぶん宿の息子
ショーケースには「支付宝(アリペイ)」ステッカー
やっぱりこんな田舎でもキャッシュレスが浸透
さすが中国
奥の冷蔵ケースには漁港ならでは海鮮素材がいろいろ
そして翌朝
上海行きのフェリーの出航時刻は13時半
蘇さんとのタクシー送迎時間の13時まで村を散策することに
これは、村の中心にあった「ムール貝の里」の碑
枸杞島は中国漁獲高の約半分を担う
ムール貝の養殖産地
なので帰属する浙江省より
2001年「贻贝(ムール貝)の郷」の称号を授かったのです
中心地広場にあった海鮮レストラン
女性が出てきてる方向にえらい立派な公衆トイレがありました
その隣には壁画のある立派な建物
枸杞島には、何故だかウォールアートが多い
フェリー港から宿に向かうまでの間に
やたらとそういう建物を見たので
どうしても写真に撮りたかったのです
これでも一応、島の目抜き通り
早朝の市場の様子
この左の飲食店で朝食タイム
中国定番の朝ごはん、油条とおかゆ
油条は味がなくスカスカの揚げたお麩みたい
おかゆは水の方が多いサラサラスープ
味はほとんどないので
付け合わせの総菜(高菜とか)を入れて味を調整
これでわずか10元(約180円)
言葉の通じないわたしにも
店の女将は親切にしてくれました
田舎ほどいい人が多い
何だろう、これは
何だかコロニアルな島の風景
何でピンクなんだろう
村の様子を描いた壁画タイルもありました
村の高台から眺めたところ
こうしてみると、
やはりピンクと水色でパステルカラーの集落ですね
「星空之村」の文字を発見
この集落は、宿に向かうタクシーの車窓で見て以来、
ずっと気になっていた場所
間違いなく漁師村の集落なのですが
建物には何やらかわいらしい絵柄がペイントされてるのです
戦艦ヤマトみたいなボート
造船や船の改造修復もこの島の貴重な産業と百度百科に書いてあったような
星空之村の様子
星がきれいな島なのかな
ギターみたいな形をしたユニークな教会
クリスチャン系の集落なのだろうか
正確には「龍泉村」の一角に当たるようです
漁師宿もいっぱいあったので
最近よくある村おこしの一環でしょうかね
この島の海抜は約199m
おそらくあそこが島で一番の高いところ
海底火山の隆起で生まれた島なのでしょうか
とにかく大きな岩が多い
農家の田んぼにあった、ユニーク道路標識
なんだかルンルンしてごきげんな標識♪
これはその辺に咲いていた草花
一つの房にピンクと黄色の2色が混じっている
たまに見かけます
この写真の宿「嵊泗怡岚之家宾馆」は
「C-TRIP」でネット予約したにもかかわらず
実は休業していたという衝撃を受けた宿
たまたまタクシーに乗り合わせた英語の話せる中国人が
代わりにホテルに問い合わせてくれて発覚
ネットに掲載しているホテルが休業していたなんて
人生はじめて
「将軍路」という道路には
また創作意欲が素晴らしい壁の装飾が
村の中央にある池の中州では水耕栽培していました
狭い土地を使った生活の知恵
池は汚いのにアオサギが
サギって、水のきれいな田んぼとかではないんだっけ?
池のまわりに設置された水場は共同の炊事場のようです
朝方、住民が洗濯してました
なんと、激カワパピー発見!
びっくりされて、車の下に隠れてしまいました
このつぶらな瞳でおびえた様子にノックアウト
ここにも壁画が
おそらく村の伝統漁を描いたもの
こんな素敵な階段も
ここは夏場は海水浴場となる「大王村沙滩」
今は寒いし潮が高いため休業中です
湘南・江の島みたいに決してキレイではないですが
夏場は大賑わいの様子
ここにも美しい壁画
道路沿いの縁石もカラフル
脈絡もなく大きな岩場の展望台がありました
「縁」と書かれていますが、恋人たちの聖地的なスポットでしょうか
道路沿いには延々と定置網の網が置かれているのですが
販売価値のない魚が網に絡まってそのまま放置されてたり
干からびていました
これは高級魚のあんこう?深海魚かな?
こんなところにイカが…
漁網を手で一つ一つ補修する漁師の奥さんたち
この膨大な網のなかから
目視で破れたところを見つけだし
補修しているようでした
長い経験がなせる業ですね
尊敬
ある漁師宿の表札がかわいかった
でも中国の宿は、外国人お断りも多いので油断ならない
(外国人が泊まれる宿は限られるのです)
何の建物か不明ですが
渦巻きスロープの前にはゴミ捨て場がありました
この壁画も気合入ってますね
村唯一の公共交通機関?バスの停留所
思ったよりも本数あると思いました
謎の巨大渦巻モニュメント
何かと思ってジロジロのぞいたら、たぶんトイレ
サザエとかが特産なのかな…
巻貝というかウ●コに見える
港でも女性が漁の網を補修していました
ムール貝の養殖に使うロープだろうか
崖にはびこるおびただしい蔦
この島は、地形的なモノか気候的なものか、
蔦の生育が早いんですね
こんな田舎の島にも
ちょっとおしゃれ風の宿泊施設がありました
網に取り残された不気味な魚
深海魚だろうか
この世を呪って断末魔が聞こえてきそうなおそろしい形相
村の中心に設置されていた「枸杞八大怪」
何だかよく分からないですが
人情味厚く実直で朗らかな島民性のようです
島特産のムール貝を日干し中
日中の港の様子
鮮やかな船体の漁船とおびただしい数の白いブイ
島にいた当時はこの白いブイが何かわかりませんでしたが、
帰国後、ムール貝養殖用のものだと知りました
フェリー港近くの沿道に放置された、結構大きなボート
やっぱり宇宙戦艦ヤマトみたい
こんなかわいらしいくじらの看板が
「船錨(Anchor)」とあるので、枸杞島の伝統的漁は錨をたくさん使うようですね
フェリー港周辺の縁石もまた気合入った壁画が並んでます
島中、こんな感じですね
約束の時間13時になって、
タクシー運転手・蘇さんに送ってもらいフェリー港へ
30分前なのでまだガラガラ
ここでもチケット購入にはパスポートが必要
荷物チェックももちろんあります
この荷物チェック、
適当に見えてどこまで本気かイマイチよくわからない
待合室はかなり広い
でもお粗末な売店しかないので、ランチは村で買っておく方が良い
そして13時半になってもゲートが開かず
本日はフェリーは到着が遅れていました
13時50分ごろ、ようやくゲート開門
下船する人たちを見送りながら、
今度は待合室にいた人たちが乗り込みます
というわけで、
想像以上に面白かった枸杞島でした
おしまい
【おまけ:頻出中国語】※発音だいぶ微妙- 枸杞島 Guoqi(グオチー)…枸杞(クコ)島
- 后头湾村 Houtouwan cūn(ホウトウワンチュン)…後頭湾(ごとうわん)村
- 出租车 Chūzū chē(チューツーチョー)…タクシー
- 手机 Shǒujī(ショウジー)…携帯電話
- 住宿 Zhùsù(ジュスゥ)…宿泊施設