【訪問場所 Visited Site】稲城亜丁風景区 Daocheng Yading scenic area, Eastern Tibet, Sichuan, China
※文中の料金等は2018年10月現在のものです
中国の「稲城亜丁」と聞いてもピンと来ない日本人がほとんどだと思いますが
2018年3月、中国政府によるチベット自治区への外国人入境規制のため
甘孜まで訪れて追い出されたとき、
代替案としてたまたま見つけたのが、この紅葉の名所の「稲城亜丁」
その黄葉に染まる美しい眺めに目を奪われ
これは絶対行く!と決めて、計画を練ることに
とはいえ、例のごとく日本語での情報が極端に少ない
というわけで、今回もなんとかなるさの気概だけで
成都新南門バスターミナルからとりあえずスタートしました
所在地と位置関係 Location Map
<稲城亜丁風景区の所在地 Daochen Yading Scenic Area Location Map>
- 稲城のバスターミナルと風景区はかなり離れてるので要注意
- 宿泊はシャングリラ(香格里拉)村かヤーディン(亜丁)村が便利
※青太字部分が本ページで紹介する行程
- 紫色のルートは専用シャトルバスでの移動
- 青色のルートは散策ルート(徒歩あるいはカート移動)
fa-arrow-circle-downクリックしたら百度地図に飛びます
※中国旅行では、百度地図を見た方が一番確実です(アプリのMaps.meも結構優秀)
成都バスターミナルから香格里拉村へ
天の助けか日頃の行いか
たまたま乗り合わせたバスに
少し前まで技術実習生として日本で働いていたという
日本語を片言話せる中国人男子二人組と出会いました
「僕らは日本で働いていたとき、日本人にとても親切にされたから
今回は僕らがあなたを手助けします
迷惑でないなら一緒に稲城亜丁に行きましょう!」
と涙が出るようなありがたいお誘いを受け
お言葉に甘えて彼らと共に行動させてもらうことに
さらに彼らが同じバスで一人旅をしていた
中国人男子もうひとりと女子一人を仲間に引き入れて
合計5人のグループで行動することになりました
中国国内で中国人を味方につければ鬼に金棒
というわけで
はじめはどうなることかと思っていた稲城亜丁の旅は
とてもスムーズで快適かつ楽しい旅になりました
ちなみに稲城亜丁風景区は想像以上に広大で
観光には最低2日は必要らしく
結局、成都からの移動日も含めて3泊4日の行程に
稲城亜丁風景区は
稲城のバスターミナルから実は約70kmも離れているので
宿泊は風景区に近い香格里拉(シャングリラ)村か亜丁(ヤーディン)村が便利
だたし、亜丁村は風景区内に位置するためか値段も少々お高め
なので香格里拉村がおすすめ
移動はバスもありますが
効率よく周るには、ここはタクシーチャーターが便利
わたしたちはたまたま現地で知り合ったタクシードライバーが民宿業も営んでいて
2泊3日の送迎費+素泊まり費で一人200元(約3300円)で交渉成立
実に安く上げられました
一人だったら倍以上はしたかもなので
かなりラッキーでした
トレッキング1日目:ビジターセンター~冲古寺(チョングース)まで
そうして、稲城亜丁第一日目
朝8時に出発し、8時半には稲城亜丁風景区に到着
すでに道路には車やバスが長蛇の列で
おびただしい客が押し寄せていました
人の流れに乗って亜丁遊客中心、いわゆるビジターセンターへ向かいます
巨大な建物が切符売り場になってます
チケット買うのも長蛇の列
必要なものは身分証(パスポート)と入場料210元+専用シャトルバス往復送迎60元=合計270元(約4400円)
結構高い
ディズニーに比べたら全然安いけど
これは二日間有効フリーパス
無くしたら買い直しなので絶対失くさないように
しかし、第2日目は入場料はタダだけど
専用シャトルバス送迎代60元だけは払うシステムになっている
なかなかあざとい
チケットを無事購入し、
だいぶ離れた専用シャトルバス乗り場へ向かう
橋の袂には稲城亜丁のマスコットキャラがお出迎え
なかなかかわいい
専用シャトルバス乗り場もまたこの長蛇の列。。。
中国でこの整列用ポール、
13億の人口をさばくには不可欠のアイテム
蓮をあしらった亜丁のシンボルマーク
なかなかクール
この長蛇の列を監視するのは機関銃を持った軍のお方
日本では見かけない光景にいささか震えるけど
まぁ中国らしい
風景区へより近い位置にある亜丁村へ向かう観光客も一緒なので
大荷物の人も結構いる
とにかくすごい人ではぐれないようにするのが大変
1台40名程度しか乗れない専用シャトルバス
この人数をさばくには何十台も何回も回転しなければならない
こんなところも中国スケール
40分ぐらい並んでようやく乗車
これから風景区の入口までさらに約50分のバス移動
フクヒくんから「左側に絶対座って!景色がいいから!」と念を押され
全員バラバラに左側の席をゲット
たしかにスゴイ絶景がひらすら続く
左の座席で大正解、右は山肌が続いて眺めが悪い
風景区からもっとも近い村・亜丁村に到着
ここで宿泊客を降ろしたり
逆に入れ替えで乗せたりする
本来的にはこの村の方がアクセスにとても便利
たけど中国人からしてもイチイチ高いようで
しかもこの秋のベストシーズンはどこも予約でいっぱいで宿を探すのは至難の業らしい
ようやく亜丁総合服務站、いわゆる総合サービスセンターに到着
(画像ではYou are hereの位置が違います、ゴメンナサイ)
ここにはちょっとした売店やお土産物屋があります
さて、稲城亜丁には2つのルートがあって、
まず1つは最高峰・仙乃日峰を眺めながらの珍珠海(チベット語では卓瑪拉措(ヅォオマラ湖))へハイキング
もう1つは往復約12km(全部徒歩なら20km)標高4,500mの天空の湖「牛奶海(ニウナイハイ)」と「五色海(ウースーハイ)」へのトレッキング
先にどっちを選んでも良いのですが
高度に慣れるためにも往復4km程度で標高も“若干”低めの卓瑪拉措(ヅォオマラ湖)ハイキングを先に選ぶのがおすすめ
なんたって、スタート地点で3,900m
体調次第ではこの時点で高山病発症します
高山病対策は確実にしていきましょう
(わたしはバファリンかロキソニン服用でOK)
なめてかかると絶対泣きを見ます
高山病に一旦かかると、もう降りるしか手段がないのでどうしようもなくなります
稲城亜丁は中国人にはメジャーな観光スポット
なんたって中国国家のお墨付き国家4AAAAを取得している景勝地
なので遊歩道もかなり整備されていて歩きやすく
案内板もいたるところに設置されて分かりやすい
まずは卓瑪拉措(ヅォオマラ湖)の途中にある
冲古寺(チョングース)を目指します
紅葉シーズン真っ盛り
標高4,000m級は空も近く限りなく澄んで
渓流も清々しくマイナスイオンすごい
渓流の岩壁に描かれたチベット密教仏画
こんな流れの速い川の中でどうやって描いたのか…
色鮮やかな曼荼羅の神様たちが
川の岩壁のあちらこちらに描かれている
遊歩道の脇にも…
実に美しい
チベット仏教といえば経文が印刷された五色のタルチョ(正式には「ルンタ」)
そして白く長い布の「カター」
祈りを込め、たくさんの布が木々に巻かれている
中国の黄葉は日本の銀杏よりもより黄色が輝いて
まさに黄金
いや、空の青さがそう見させるのか
ちなみに銀杏じゃないです
種類はわからないけど、タワシみたいな葉先をしている
稲城亜丁で2番めに高い
標高5,985mの央邁勇(ヤンマイヨン Yang mai yong)が見えてきた!
パキスタンで見たレディーフィンガーに似て
鋭く尖った山頂が特徴
しかし、紅葉がキレイ
木々にはかわいいリスも現れるよ!
冲古寺(チョングース)が右手に見えてきた
スタート地点からちょうど1kmぐらい歩いて
ここが中間地点の冲古寺(チョングース)服務站、いわゆるサービスセンター
たった1kmなのにすでにみんなバテている
標高の高さと空気の薄さでダメージが大きい
マントラ(真言)が書かれた石版が山積みに
白や黄色のカターがおびただしく巻かれている
チベット仏教には明るくないけど
東チベットでもかなりの確率でこの石積みを見かける
ここは休憩所とトイレ(卫生间)、待ち合わせ場所を兼ねていて
結構広い広場になっている
お手洗いの数は10個ぐらいあるけど
いつも混んでる
トイレットペーパーは持参した方がいい
ちなみに、お手洗いは意外なほどあちこちに設置されているので
あまり心配しなくてもいいかも
第2日目の牛奶海(ニウナイハイ)へ徒歩で行く人はこちらを通る
眺めは最高らしいよ
卓瑪拉措(ヅォオマラ湖)まであと1km!
冲古寺(チョングース)が見えてきた
いかにもチベットの寺院的な白壁に黄金と屋根、朱色の張りが特徴
ありがたいお寺でしたが、
今回は時間がなく(あるいは体力的にみんなの興味がなかったので)
スルー
突如みんな立ち止まって
「明日のためにここでセルフィー撮っておこう!」といわれる
というのも、
2日間有効パスが事実有効になるには
前日に間違いなく稲城亜丁にいたという
確たる証拠写真を窓口に提出する必要があるのだそうだ
そのために稲城亜丁を象徴するものを背景に入れないといけない
そのわかりやすい例が冲古寺だと
不正を防ぐための苦肉のなのかは不明だけど
そういうシステムなら仕方ない
不慣れで大嫌いな自撮りを撮る
早く顔認証システムを導入して。。。
ちょっとブレイクタイム
たかが1km、されど1km
標高4,000mの場所では平地の3分の1ぐらいの酸素量だそうです
ってことは、同じ運動でもそれだけからだに大きな負荷がかかり
ちょっとの動きでもだいぶしんどい
急性高山病にかかる人続出してるので
ゆっくりゆっくり登らないといかんのです
中国人の高山病対策は、
高山病用の薬の服用とエナジードリンク「レッドブル」の飲用
さらにブドウ糖など甘いモノの補給
ついでに携帯用酸素スプレー缶を買っている
でもこれは本当に気休めで値段高い割に効かない
から個人的にはあまりおすすめできない
今回はロキソニンとレッドブル飲んでトライしたら
息は切れたけど案外大丈夫だった
レッドブル、侮れんな
休憩所は狭いので
あぶれた人はお構いなしに通路の階段に座って休憩とる
まぁ、自由だよね
上に行くほどやっぱり黄葉がキレイ
ヤンマイヨンが見える
あっちこっちにタルチョやカターが結ばれている
聖域なんだね
ヒーハーヒーハー登っている間に
稲城亜丁の最高峰にして
チベット族が神の山として崇める
標高6,032mの雪山・仙乃日(シャンナイリーXian nai ri)が見えてきた!
この続きは第1日目後編で!
All Photos by Mayumi ※無断転載禁止
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