【訪問場所 Visited Site】タシュケント地下鉄 Tashkent Metro, Tashkent, Uzbekistan
※文中の料金等は2018年9月現在のものです
ウズベキスタンの「タシュケント地下鉄」
中央アジアの一国、ウズベキスタン
かつてシルクロードの要衝として栄え
旧ソ連の支配から独立したのは1991年
意外に国としての歴史は浅いウズベキスタン
そのため、国民の多くはロシア語が話せて
旧ソ連だった頃の名残はあちこちで見かけます
何より、未だに軍事色が色強く残っています
特に政府系の建物、軍事関連施設の撮影は厳禁
中央アジアで初となる「タシュケント地下鉄(メトロ)」もその対象でした
というのも、地下鉄とは、彼らにとって核シェルターとしての軍事機能を担うもの
軍事機密が漏れるのを恐れ、長らく撮影は禁止されていました
とはいえ、その構内は芸術家や高名な建築家が設計に携わったことで
モスクワ地下鉄にあるような芸術的で絢爛豪華、異空間のような駅舎が建設されました
そのため、記念に写真に収めたい旅行者が続出したものの
見つかって警察に捕まるのを恐れ、忍耐が強いられていました
ところが2018年6月、突如、撮影解禁が政府から発表
その主な理由は不明ですが、
おそらく観光業に力を入れたい国の観光施策の一環とも言われています
(何と言っても、日本も2018年2月にビザ緩和)
というわけで、
今までベールに包まれていた地下鉄がようやく解禁されたことを受け、
時間と体力が許す限り撮影してきました
<補足事項>
※駅構内の出口付近に設置されたオブジェや壁画、モニュメントは結構見逃してます
※チランザール線(赤マーク)は「Paxtakor駅」「Mustaqillik Maydoni駅」「Amir Temur Hiyoboni駅」以外は写真はありません
※ユヌサバード線(緑マーク)は「Minor駅」の写真がありません
タシュケント地下鉄 Metro MAP
クリックしたらGoogle Mapに飛びます
<メトロ停車駅マップ>
青線:ウズベキスタン線 (Oʻzbekiston)
01 タシュケント駅 Tashkent
駅構内に入る際の階段にある彫刻
タシュケントの市章が太陽をモチーフにしているので、太陽を強調したのか、はたまた宗教的なものなのか
タシュケント駅構内
マーブルの大理石の柱と青いセラミックから出来た柱頭が特徴
タシュケント駅は地下鉄のメイン駅というだけあり
ホーム壁面がゴージャス
巨大な青のセラミック壁画が飾られ
絵本を開いているような物語性があり
現代アートを彷彿とさせる
02 ドゥストリク駅構内 Dustlik
アーチ型の駅構内には
鱗のようにデザインされた照明が何ともきらびやか
階段側から眺めてみる
淡い青基調の大理石でできており実に落ち着いた雰囲気
03 マシナサズラル駅 Mashinasozlar
マシナサズラル駅の駅構内
こう言っちゃなんだけど地味ない傾向が強い
乗降客が少ない駅のデザインは
力が入っていないのか、割と地味
特徴的なのは
柱の一部にデザインされている緑色のガラス
階段から見た方が気合が入っている
とても駅構内に向かっているとは思えない
04 アイベク駅 Oybek
階段側の木造彫刻には歴史上の偉人?が彫られています
この駅の特徴は
四角柱にはめ込まれた幾何学模様のデザイン
シンプルな構内だけど柱の存在感がいい感じ
RPGの世界みたい
05 コスモナフトラル駅 Kosmonavtlar
ある意味、一番インパクトがあり
一番気合が入っているとも言えるコスモナフトラル駅
テーマは「宇宙」
宇宙へのこだわりが細部に見受けられる
階段側の壁面には星見盤を思わせるオブジェが
駅構内は青一色!
宇宙空間を演出しているらしい
壁面は青から黒のグラデーションで宇宙空間を
キラキラ光る緑ガラスの柱と天井で星を演出
駅構内には宇宙にまつわる
過去の偉人たちの石版肖像画が飾られている
それは天文学の権威であるウルグベックや天文学者
宇宙飛行士たち、など計10枚に渡って表現
06 ウズベキスタン駅 O‘zbekiston
ウズベキスタンの国章が描かれた駅出口階段の天井画
国の名前を冠した駅なだけあり
なかなか気合が入っている
構内は、派手さはないけれど照明演出が美しい
地下宮殿の通路みたい
07 アリシェル・ナヴァーイー駅 Alisher Navoiy
おそらく誰が見ても
当駅がもっとも豪華絢爛で力の入った駅構内
まるでモスクか宮殿か
ここが駅であることを忘れてしまいそうになるほどの華麗なるデザイン
天井を見上げたら
ここは完全にモスク
ホーム壁画は
青基調の伝統的な幾何学模様
サマルカンドの土産物屋で見たけど
護符の文様かもしれない
08 ガフール・グラム駅 Gafur Gulom
ブルー・グリーンのガラス支柱に
これでもかと言わんばかりの天井の照明
これだけ見るとほんとに駅か?
と疑わしくなるけど、
左にはちゃんと電車止まってます
当駅の見ものはこのシャガールの絵のような独特のオブジェ
しかし、そのお隣にはちょっと異質な現代広告もあります
駅名プレートもオブジェに合わせてカラフル
ちなみに、地下鉄構内には路線図がありません
そして進路方向を示す案内板もこれだけ
文字は小さくロシア語とウズベク語のみ
地下鉄を利用するときは別途路線図を手元に持つ必要があります
(まぁ3路線しかないから、何回か乗れば慣れるかもしれませんが…)
09 チョルスー駅 Chorsu
チョルスーは、タシュケントを代表する観光名所のチョルスー・バザールの最寄り駅
駅出口の階段前の天井には
鳥のような青のセラミックのオブジェが
商売の土地柄か
世俗的で、ちょっと殺風景なホーム
チョルスー駅のプレート
何だかちょっと、手抜き感を感じますよね
10 ティンチリク駅 Tinchlik
ティンチリク駅もまた豪華
柱は至ってはシンプルですが
各照明シャンデリアと壁画に気合を感じます
ホーム壁画は全面幾何学模様のタイル張り
おしゃれ
11 ベルニー駅 Beruniy
ウズベキスタン線最終駅はなかなかド派手
階段の向こうに
すでにキラキラ光るものが・・・
純白基調のアーチ型の天井には
正四面体の幾何学模様が整然と敷き詰められ
中央には豪奢なシャンデリアが煌々と
実におしゃれ
アートミュージアムっぽい
赤線:チランザール線 (Chilonzor)
11 パフタコール駅 Paxtakor
パフタコール駅は
ウズベキスタン線の、あのモスクのような駅舎が特徴の
アリシェル・ナヴァーイー駅の乗換駅
階段の壁画には
聖火を持ったアスリートらしき人物が描かれたモザイク画が飾られている
でもオリンピック、ウズベクであったっけ?
駅構内はイスラムらしい
アラベスク模様でできた壁画が一面に描かれている
柱もなかなかクラシックでいい感じ
聖火を持ったアスリートとの関連性は不明だけど
中央アジアっぽさが一番感じられる駅
12 独立広場駅 Mustaqillik Maydoni
こちらの駅もまた白亜の宮殿を彷彿とさせる
清楚で洗練された上質なデザイン
ホントに駅なの?
13 アミール・ティムール広場駅 Amir Temur Hiyoboni
ソ連崩壊までは「10月革命駅」という名称でしたが
ソ連崩壊後、中央アジアを打ち立てたティムール王朝の始祖
アミール・ティムール像を駅前広場に設置したことから
この駅名に改称されたそう
そのためなのか、オーソドックスだけど重厚な感じ
天井に彫られたアラベスク模様がとってもクール
14 ウズベキスタン線とユヌサバード線の連絡通路 The connection between Oʻzbekiston Line and Yunusobod Line
総大理石でキッラキラでタイムトンネルみたい
ここが核シェルターなんて信じられない
なんてゴージャス
緑線:ユヌサバード線 (Yunusobod)
15 ミング・ウリク駅 Ming Oʻrik
ミング・ウリク駅は
ウズベキスタン線とユヌサバード線の乗換駅
ここは柱の装飾が豪華
ここもまたRPGの世界みたい
あそこに立ってるの、宝物を探してる勇者御一行じゃないのか?
16 ユーヌス・ラジャービー駅 Yunus Rajabiy
天井の照明はおしゃれ
だけど駅全体はシンプルで若干地味め
17 チランザール線とユヌサバード線の連絡通路 The connection between Chilonzor Line and Yunusobod Line
チランザール線とユヌサバード線の連絡通路
ここもまたタイムワープしそうなほどキラキラ
18 アブドゥッラ・カディリー駅構内 Abdulla Qodiriy
派手さはないけれど重厚で瀟洒なたたずまい
当駅も王宮の一間のよう
よく見たら柱のデザインがかわいかった
青のガラスのお花がデザインされている
19 バダムザール駅 Bodomzor
白基調のアーチ型の天井に
モダンアートミュージアムのような
シンプルでかわいらしい幾何学模様と植物タイル画のアレンジ
この幾何学模様のデザインには
すべて違う植物がアレンジされている
芸が細かい
20 ハビブ・アブドゥラエフ駅 Habib Abdullayev
ユヌサバード線最終駅
最後は力尽きたのか、
何の変哲もない「ザ・駅」という感じの地味な駅
最終駅は進行方向毎にホームがあり、連絡階段はない
なので一旦外に出て
きっぷを買い直しわざわざ入り直さなければならない
なんだろう、この非効率感
激安運賃だからいいのだけれど…
というわけで、また改札を入り直したら
目の前にあったウズベキスタンの地図オブジェ
それよりも地下鉄の路線図設置して欲しい
*****
今回訪れることができなかった残り9駅にもまた、
個性的で芸術的な駅があるようです
駅によってはエスカレーターがあるのですが
その途中の天井壁にもきれいな壁画がありました
(停まれなくて撮れず…涙)
全29駅周ろうと思ったらと思ったらほぼ一日がかりなので
(どんなに頑張っても1駅10~20分、となると1時間最大4駅しか回れないから)
ぜひタシュケントへお越しの際は
これだけのために1日予定をさいて、地下鉄めぐりをお楽しみください
<All Photos by Mayumi>
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