<記事作成日 2018年10月12日|更新日 2024年9月28日>
日本人にはあまりなじみがないですが
中央アジアに位置する「アラル海」
かつて世界第4位の面積を誇った塩湖も
今では10分の1にまで縮小
「20世紀最大の環境破壊」と言われたアラル海の縮小は
朝日新聞デジタルのこちらの記事がとてもわかり易いのでご参照ください
参考記事
朝日新聞デジタル「【地球異変】アラル海―20世紀最大の環境破壊」
また経緯などは「Wikippe」に詳しく説明されています
一応、簡単に概要をまとめたいと思います
1所在地 Location
▼世界地図で見るとこの位置
▼カザフスタンとウズベキスタンにまたがっています
2アラル海の概況
アラル海の大きさの推移
NASA(アメリカ航空宇宙局)の画像で一目瞭然
- 1960年代当時:東北6県とほぼ同じ大きさ…約7万km2で世界第4位
┗ 海水濃度は海水の約3分の1 - 2017年現在:宮城県1県とほぼ同じ大きさ
┗ 海水濃度は海水の約2~3倍
環境への影響
- 塩分濃度上昇による湖中生物の死滅
- 急速な砂漠化による生態系破壊
- 海岸線の後退による漁村・漁業の壊滅的な荒廃
- 環境移民の発生
- 塩害による健康被害(呼吸器系) など
環境破壊の要因
- 第2次大戦後、旧ソ連の国力増強目的で綿花栽培や水稲の拡大計画策定
- アラル海の源流であるシルダリヤ川・アルダリヤ川の上流域で灌漑政策実施
┗ 旧ソ連は塩湖であるアラル海には利用価値がないとして政策に踏み切る - 上流域で水を取られてしまうためアラル海に注ぎ込む水量が急激に減少
- 水位が低下し塩分濃度が上昇→生き物が死滅
- 水量が減り湖岸が縮小→砂漠化→気候変動
「船の墓場」の様子
急速な砂漠化による湖岸の後退に追いつけず、漁船が砂漠の上に置き去りにされている
かつての漁村ムイナク(Muynak)には漁船11艘が横たわっている
現在のアラル海
カザフスタン側の小アラル海は世界銀行などの支援による環境回復プロジェクトが功を奏して水位が回復しはじめチョウザメなどの魚類も返ってきているとか
一方、ウズベキスタン側の東西アラル海は縮小の一途をたどっている
湖岸の様子
10分の1に縮小したとしても、海にしか見えない
滅びゆく儚さも相まって
ただただ美しい、の一言
せめて現状維持して欲しいですね
3参考サイト Related websites
アラル海全般
- 朝日新聞デジタル「【地球異変】アラル海―20世紀最大の環境破壊」★★★
┗ アラル海の現状が詳細に取材されている、写真ギャラリー豊富 - Wikipedia Japan「アラル海」
- imidas(イミダス)時事オピニオン~「希望と絶望が共存する場所、アラル海に魅せられて(前編)」(2018/04/13配信)★
┗ アラル海の波の華について考察、写真多数 - Wikippe「アラル海」★★★
┗ 旧ソ連が行った環境破壊の原因についてかなり詳細な考察 - ナショナル・ジオグラフィック「「消えゆく湖」アラル海に魚と人が戻ってきた」(2018/03/26配信)★★
┗ カザフスタン側の小アラル海の回復について言及
ムイナクについて
- AVANTOUR「Muynak Regional Studies Museum」(英語)★
┗ ムイナク歴史資料館(環境博物館)についての説明 - Wikipedia「Mo‘ynoq」(英語)★
┗ 日本語より情報と写真が豊富 - Wikipedia Japan「モイナク」★
┗ 解説が詳細 - セカチョクバックパッカー世界二周の旅+αさん「消えゆくアラル海.ムイナクへ。」(2011/10/28公開)★★
┗ 情報は古いけれど、ムイナクへのローカルバスでの行き方、写真も豊富 - LINEトラベルjp(Grace Okamotoさん記事)「儚き美がある!ウズベク「船の墓場」で消えゆくアラル海を思う」(2016/01/29公開)★
┗ 星空の写真が銀河鉄道の夜みたいで美しい
バルサ・ケルメス湖について
- Central Asia Travel「BARSA KELMES. WHITE SILENCE」(英語)★★
┗ バルサ・ケルメス湖について一番詳しい解説 - 朝日新聞デジタル「天国に一番近い? 白い湖底が地平線まで 中央アジア」(2018/8/17配信)★★
┗ この記事がきっかけで訪れました!写真キレイ
その他関連情報
- Wikipedia Japan「テチス海」
┗ アラル海の前身、パンゲア大陸時代にあった海 - Wikipedia Japan「パンゲア大陸」
┗ 約3億年前、地球に存在したただ一つの超大陸 - Wikipedia Japan「大陸移動説」
┗ ドイツ学者ヴェーゲナーが唱えた大陸移動説
4関連記事 Related articles
以上、ご清聴ありがとうございました