(公開日2017/10/27)
※Compathyサイト閉鎖に伴い、同サイトに寄稿した記事を転載したものです
年に一度、砂漠にあらわれる奇跡の花園、ナマクワランド。
春の間のわずか3週間だけ、荒野を一面埋め尽くすワイルドフラワーの饗宴は息を呑むの絶景です!
神様のいたずらが起こした粋な奇跡を、ぜひあなたもその目で確かめに訪れてみませんか。
ナマクワランドとは
南アフリカ共和国北ケープ州に位置するナマクワランド(Namaqualand)は、44万平方kmにも及ぶ岩砂漠が広がるエリア。
通常はただの荒涼とした砂漠地帯ですが、南半球の冬にあたる6~7月にまとまった雨が降ると、地中に眠ったワイルドフラワーの種子が春の訪れとともに一斉に芽吹き、大量の花を咲かせます。
それはやがて砂漠を埋め尽くす広大な花園となって、南アフリカではこれを「奇跡の花園」「神々の庭園」と呼んでいます。
例年の見頃は8月中旬から9月上旬のわずか3週間程度。それを過ぎると花々は一斉に枯れて土に還り、再び不毛の大地に戻ってしまいます。その一瞬を見逃すまいと、この時期は世界中から多くの観光客が詰めかけます。
3,000種類を超えるワイルドフラワーの饗宴
固有種のナマクワデイジーをはじめとする3,000種を超える色とりどりのワイルドフラワーは、オレンジ、ピンク、白、青、紫、黄色など、まるで色彩パレットのように砂漠一面を埋め尽くし、その光景はまさに「神々の庭園」そのもの。
お花好きな方は、手元に花図鑑を用意することをおすすめします!
野生動物にバッタリ遭遇!サファリ感覚も魅力の一つ
南アフリカに広がるサバンナでは、野生動物にバッタリ遭遇することもしばしば。
この地域でよく見かけるのは、大きい動物でオリックスやシマウマ、エランド、ラクダ、キリン、ダチョウ、ロバなど……。ちょっとしたアフリカンサファリも楽しめちゃいます。
ワイルドフラワーだけじゃない!見どころ満載のナマクワランド
ナマクワランド周辺には、峡谷を流れ落ちる大迫力の滝やアロエの一種である「クイバー」が生息する異世界感漂う奇妙な光景、地球の果てを感じさせるクネルシュフラクタ(Knersvlakte)自然保護区など見どころ満載です。
注意すべき点は、オフロードが多いため、普通乗用車では走行が危険なこと。もし、個人でレンタカーで回る際には四駆をおすすめします。
おわりに
年に一度、砂漠に現れる奇跡の花園・ナマクワランド。
ちなみに、ワイルドフラワーの芽吹きに大きく影響するのは冬の降水量。雨の少ない年に当たると花園のボリュームがイマイチ……なんてことも(まさに筆者が訪れた2017年がそう)。
さらに鑑賞条件として、春は日中の気温が18度以上、よく晴れた日の午前11時頃から午後15時頃までが一般的です。それ以外の気象条件は花が開かないそうです。
“奇跡”ゆえになかなか人間の思惑通りにはいかない神秘の花園。
それでも死ぬまでに一度は見たい、奇跡の絶景を堪能しに南アフリカへ訪れてみませんか。
<All Photos other than flickr images by Mayumi>
<関連記事>