■ スポット名:エルタ・アレ火山(Erta Ale Volcano)
■ 訪問国地域:エチオピア、ダナキル砂漠 Danakil Desert, Ethiopia ※文中の情報は2016年8月現在のものです
<エルタ・アレ火山(ダナキル砂漠)の所在地>
海抜マイナス標高という、世界でもっとも低い場所にある活火山かつ、近距離でマグマの煮えたぎる活動を見ることができる世界で数少ないスポット。
体感温度45度以上、体調不良続出の4時間超の長い長い溶岩トレッキングはまさに“人生で一番過酷なツアー”でした。
ダナキル砂漠ツアー3日目
本日はハイライトのエルタ・アレ火山火口付近でベースキャンプです
6時半起床、7時過ぎには朝食
身支度を整え、スタッフが荷造りをしている間に近所を散策
エチオピアの家畜の牛は、やせ細っているけどなんだか神々しい
ゲストハウスの外に出ると村の子どもたちからワーッと取り囲まれる
基本的には小さい子どもは何かくれるのを期待してしつこくまとわりつくのだけど
赤子をあやす左のお姉さんはそんな妹たちを制したりして、ちょっと大人
それにしても、屈託ない表情がまぶしい
(ピントが合わなくてごめんなさい)
大量の水と食料、寝具などをすべての荷物を取りまとめていよいよエルタ・アレ火山に向けて出発です
子どもたちは最後の最後までツアー客にまとわりついていました
ジープで約8時間かけての移動
途中、トイレ(といっても青空トイレ)をはさみ休憩
何の変哲もない景色がどれも絶景
熱帯っぽい鮮やかな花をつけた木
高さ2m以上はあり、かなりでかい
このほか、「アダムの実」という、一見パパイヤみたいな実をつけた木もよくありましたが、実は猛毒の実なので、「絶対間違えて食べるなよ!」ときつく釘を刺されました
ランチ休憩に立ち寄った村にて
とにかく、どこに行っても外国人ツアー客らは地元の方々に囲まれます
毎日入れ代わり立ち代わりツアー客が訪れているだろうに、なぜ慣れてくれないのだろうか
ランチを終えて、一路、エルタ・アレ火山へ!
道なき道の砂漠を爆走します
1ツアー5台ほどのチームですが、なぜか皆走行ルートはバラバラ
パリ・ダカールラリーみたいになってます
砂漠を越えると今度は凸凹悪路の溶岩地帯
ジェットコースター並の激しい揺れに、しっかり座席を掴んでいないと窓や天井に頭をガンガン打ち付けます
ドライバーは、「こうした悪路にはやっぱりTOYOTAがNo.1さ!」と褒めていました
世界各国、こうしたツアーの専用ジープは大抵がTOYOTAランクルですね
午後17時半頃、エルタ・アレ火山トレッキングのベースキャンプに到着
ここからは車や余計な荷物を置いて徒歩移動です
水などの重たい荷物はラクダに積んで連れていきます
トレッキングが始まるまでは、地面に直マットを敷いて仮眠したりと各々自由時間
日がだいぶ傾いてから、いよいよ出発
生々しい溶岩(Lava)が固まった台地
近年では2005年に大きな噴火があったらしく、そのとき死者はいなかったみたいですが、家畜がたくさん亡くなったそうです
このゆるやかな上りの溶岩地帯を、日が暮れた暗闇の中、3~4時間かけてゆっくり歩きます
日が落ちれば一寸先は闇
溶岩大地は真っ黒なので、善光寺もビックリの漆黒の闇に
ヘッドライトやスマホの灯りだけが頼りです
チーム一行には銃を持ったソルジャー(傭兵)たちも一緒に登ってくれます
とても気さくでいい人たちなので、具合が悪い人たちのバックを親切に持ってくれました
しかし、さすが大地溝帯
日が落ちても全く涼しくならず、体感温度は軽く40度を超えている
あまりの過酷さに体調不良を訴える人続出
最終手段は、荷物運搬用のラクダをお金払って使うという手(US$100ぐらいで交渉成立)
一人で参加していた中国人のおじさまは即行利用していました
夜22時過ぎ、ようやく火口付近のベースキャンプに到着
ベースキャンプと言っても、またしても地面にマットレスを引くだけの青空布団
しかし、空には満天星の天然プラネタリウム
それはともかく、やはり熱い、虫がいる、トイレと言われた岩場にはラクダが居座っている……
と、本日はどこまでも過酷な環境
ベースキャンプからも暗闇の中、マグマが煮えたぎる様子が遠目で見えるのですが、
火口の縁に近づけるのが、このエルタ・アレ火山トレッキングのウリ
ベースキャンプからは、火口の周囲を回り込むように、冷えて固まった溶岩の上を歩いていきます
ハワイのマウナケア火山に似てますね
体調がすぐれない中、からだにムチ打ってさらに溶岩の上を登っていきます
ガイドを見失ったら間違いなく遭難するので遅れないようにしないといけません
ベースキャンプからおよそ1時間かけてようやく安全が確保できる距離での小高い山の上に到着
4時間の過酷トレッキングの後のさらなる1時間だったのでツアー参加者のほとんどが死にかけていましたが、目の前の光景に皆目を奪われていました
そして、ここまで来て望遠レンズ忘れたことに気づき、愕然……
迫力ある画像が取れず涙…
これ、山火事の画像じゃないですよ!マグマです、マグマ!
ちなみに、エルタ・アレ火山のウリである至近距離での見学は今回は中止
近年、エルタ・アレ火山のマグマは活動が活発化していて、火口付近に近づけない日が増えているそうです
とはいえ、前日のツアーはより危険だったため、この展望台にすら近づけなかったとか…
そう考えると、わたしたちはまだ運がいい方だよと慰められましたが、火口に接近できると期待して頑張ってきただけに、心折れそうでした
こんなに離れているのにマグマの熱波がすごく、肉眼ではマグマが吹き出す瞬間がよく見えます
ちょっと「ハウルの動く城」のカルシファーみたいでした
エルタ・アレ火山の標高は約613m
世界一低地にある活火山でかつ、恒常的にマグマ活動を見ることができる火山として世界的に有名
あの火山探検家のタッキーも訪れていましたね
「エルタ・アレ」とは、この地方の言葉で「煙の山」という意味だそうです
煙どころか、グツグツ煮えたぎって製鉄所の高炉を思い出します
いや、それ以上か
こちらの方がトルクメニスタンの「地獄の門」より「地獄の門」らしく見える
展望所での見学はおよそ20分程度で終了
これ以上は危ないと言うことでベースキャンプへ避難
そして、体力のある人は、出発前のトレッキングが火口近くを見れるラストチャンスといわれました
疲労困憊で、体力の限界を感じつつも、
せっかくここまで来たという気力だけで、その出発前のラストチャンスに参加
ツアー客の3分の1程度が起きてきて再び火口近くへ
今回はちゃんとレンズを交換してきたので、辛うじて火口の様子が見える……
とはいえ、ズームが弱いのでこれが限界(泣)
そして三脚はやっぱり必携でした
中国人のおじさんとか、ちゃんと持ってきてたもんなぁ
グツグツと煮えたぎるマグマの対流やマグマの噴出をみるたびにその生々しさにゾクゾクしました
まさに地球の鼓動、地球の心臓部を覗き見ているような感覚
そして『ロード・オブ・ザ・リング』のファンなので、どうしてもついサウロンの城に見えてしまいました
からだにムチ打って訪れた甲斐がありました!
まぁ、欲を言えば、火口の縁まで近づきたかったですが…(タッキーも佐藤健寿さんも間近で撮影できていたので…)
日が昇ると一気に気温が上昇するため、夜明け前の暗いうちからベースキャンプを出発します
エルタ・アレの火口を見学しに行った人たちは早々に荷造りして出発
わたしの場合、もはや体力の限界で足取りがおぼつかない
グループの最後尾になってしまいました。
わたしを含め、日本人の女性3名が最後尾になってしまいました
それでも、ツアーガイドのアキさん(♂)は超いい人で
体力消耗しきってなかなか前に進めないわたしたちを辛抱強く待って、最後までアシストしてくれました
下山後、ベースキャンプについてまずは朝食タイム
朝食が済むと、次はツアーの最終地、エチオピアの塩湖へ
「死海」ほどではないけれど、塩分濃度が高く体が勝手に浮くそうです
わたしは、からだがベトベトになるのが嫌で入りませんでしたが、ほとんどの人が湖水浴?を楽しんでいました
塩湖の脇に湧いていた天然温泉
ここで、塩湖でぬれたからだを洗い流していました
これでダナキル砂漠ツアーは終了
メケレの旅行代理店へ戻りツアーは解散、そこで仲良くなった方々ともお別れです
こうして、“人生でもっとも過酷なツアー”が何とか終了しました
今度リベンジする機会があるならば、エルタ・アレ火山の火口の縁に近寄ってみたいです…
(それがないなら、もう行きたくない…死ぬ)
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最後までご覧いただきありがとうございました。
終わり